艦隊これくしょん -艦これ- 第2話

よく言われる視聴分岐点の3話まで残り1話あるけど、個人的にはこのアニメちょっとまずいのではないかと感じ始めている。ビックタイトルだしゲームもプレイしているので楽しみにしていたんだが、どうにも設定やキャラ相関の上辺だけをすくい取って、スポ根を軸にただレイアウトしているだけに見える。絵は確かに綺麗だしよく動くけど、3DCG的な線をそのまま使用しているせいか細くてメリハリがないので、キャラのアクションも下支えがないものに見える。なにより様々な行動や心情や状況をひたすらセリフに乗せてしまうため、キャラの言葉に重みも説得力も欠片も感じられないのが致命的。
同様に萌えミリである「ガルパン」と比較すると、ガルパン側の「アニメとしての見せ方のうまさ」がよくわかる。あっちはキャラ自身が大怪我する方針ではなかったが*1、その代わりにキャラとしての車両がそれを引き受けてくれたし、スポ根といいつつもそれはセリフではなく動きで表現していて非常に説得力があった(バレー部は例外。あれは往年のスポ根アニメそのもののパロディなので)。
また艦これスピンアウトの某ラノベでは時折「駆逐艦万歳」というセリフが出てくるのだが、そのタイミングは非常に重い。それまでに「駆逐艦という船の働きや過酷さ、そして危険ゆえの団結力」というのを本編の中で十分に説明しているからこそ、駆逐隊の皆が拳を突き上げて「駆逐艦万歳」と声をあげたときの覚悟と団結力に感動できる。
翻って、艦これアニメでは冷静に考えればさほど特別ではない行為に対して、簡単に言葉だけで説明してしまってる。キャラの動きが伴っていないのでどうにも説得力にかけるのだ。もっと言ってしまえば、「画面の中で動いているキャラに対して、視聴者たちが自分らの感想として口にするべき」言葉を、まだその域に達していないキャラたちが勝手に口にしてしまっている。あまりのキャラの多さと人気の重さに監督や脚本家がパニックを起こして、ひたすら保身と無難な内容に逃げ込んでしまった結果のようにすら思えてしまう。ゲーム内セリフを何も考えずに本編に叩き込んでくるところなんて、まさにその典型だ。今季始まった「アイドルマスターシンデレラガールズ」では非常に良いタイミングにゲーム内セリフを入れ込んでいるのと比べると、その差異は大きい。立て直してほしいなあ。

*1:ストパンも「キャラは殺さない」という指針があった。