/ Same (Midsong JT-65000 /1978)
シールド盤ゆえか、Saturday Night Feverで勢いづきGreaseで全世界の注目を集めた全盛期の編集盤ゆえか、半透明のカラービニールはまだしも全身ポスターが封入されていて初っ端から萎えさせるが、内容は意外に良い。アイドル盤の鉄則だが優れたソングライターの楽曲は何しろ悪いはずが無い。またアメリカの'70〜'80青春アイドル盤の鉄則はベタな'50〜'60ロッククラシックと無理に歌ったジャズクラシックなのだが ―とにかくベトナム以前の幸福なアメリカにだけ、何一つ不安のないホンモノの青春があることは間違いない― 、ここでは”A Girl Like You”―ディスコ化されているが― と”It Had Be You”がその餌食に。Jennifer WarnesがヒットさせたPeter McCannの名曲”Right Time of The Night”、Eric Carmenの”Never Gonna Fall In Love Again”もそこそこ歌えていて合格点。名バラードライターGary Bensonの作った”Let Her In”は1976年に10位のヒットを記録したものでこれも良い。ちなみにCDでも手に入る編集盤John Travolta Singsには1977年のJeff Barryプロデュース作がほぼ全曲収録されており、Travolta版でも34位の小ヒットを記録したNino&Aprilのカバー”All Strung Out”やPeter Allen-Carole Bayer Sagerの”Back Doors Crying”、Alan O’Dayの”Easy Evil”などが聴けて、なかなか侮れない。ちなみに顔の似た兄Joey Travolta 78年の唯一作は、ドリーミーなアイドル盤というよりもCasablancaにありがちなディスコ風味のAOR若干オトナ盤。とはいえAllen-Sager、Bruce Roberts、Robbie Patton、Gary Bensonなどの作曲家陣を連ねていてこちらも聴き応えアリ。