いしうらまさゆき の『愛すべき音楽よ』(ブログ〜CD&レコードレビュー)

2012-11-12 Dan Penn

markrock2012-11-12

[] Dan Penn 00:46

/ The Fame Recordings ( ace / 2012 )


ダン・ペンのフェイム録音集。買って二度ほど聴いてそのままになっていたけれど、改めて聴いてみるとやっぱり良かった。黒と白の間にいた歌手に昔から興味があるけれど、このダン・ペンなんてたまたま白人に生まれただけで、明らかにソウル・フィールを持っていたんだと確信した。"Skin"なんて曲もあったけれど。


驚くのは24曲中、1965年のシングル"Take Me (Just As I Am)"を除いて未発表テイクである、ということ。こんな音源がまだまだ埋もれているとは。殆どがスプーナ・オールダムとの共作。ただ、いわゆるデモのような試行錯誤的なテイクでもあるから、同時代的なサウンドに色目を使っていることに驚かされる。何しろ、スプーナ・オールダムとのデュオ・ライヴ・レコーディングで初めてダン・ペンに触れたっていう遅れたファンなもので。バリバリ南部サザン・ソウルばかりを手がけてきたような印象があったけれど、それは単に1970年前後にたどり着いた場所であっただけのようだ。モータウン調だったり、ノーザン・ソウルのテイストだったり、バリー・マン作でアニマルズでヒットした"We Gotta Get Outta This Place"にソックリな曲(これはダンとマーリーン・グリーンの共作)や"My Girl"そのものみたいな曲もあったし。


まあ、なんといってもドニー・フリッツとの共作"Rainbow Road"に"The Puppet(I'm Your Puppet)"、"It Tears Me Up"という代表曲の往時のダン・ペン・ヴァージョンが聴き物かな。"Rainbow Road"はドニーの自演やアーサー・アレキサンダーの噛みしめるようなヴァージョンが印象的だけれど、ここではドリフターズの"Up On The Roof"みたいなアレンジでありまして。"It Tears Me Up"は予想を裏切らない仕上がりで、ベタだけれどイチバン良かった。これだけ聴くと、ダン・ペンの断片…と吐き捨てるほどのデモ集ではないかな。


ちなみにディスク・ユニオン・オリジナル特典で下記のバカでかいポスターが付いてきたけど、このヴィジュアルで誰が飾るんだろう、という珍品!

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2011-07-31 Pete Wingfield

markrock2011-07-31

[] Pete Wingfield 15:16

/ Eighteen with a Bullet: The Island Recordings ( Cherry Red / 2008 )

先日本屋で発見したけれど、『ラップ歌謡大百科』って面白い。噂には聴いていたけれど、手に取るのは初めて。スモール出版の大百科シリーズってんですか。他にも『日本語訳詞の洋楽カバー・おもしろ大百科』『音頭大百科』だとか、ディスクガイドのスキマ産業もここまでくるか、という。ノリとしては昭和風味の歌謡曲マニア研究本の趣き。簡素でわかりやすい作りに好感を持った。これほど濃い情報なら金を払いますよ(安いけど…380円)!


さて、今日はピート・ウィングフィールドを。1975年イギリスで唯一のヒット曲となった”Eighteen With A Bullet ”を収録したLPはレコ屋でもよく見かける。確か私も持っていたはず。所謂一発屋と言うやつだけれど、アイランドに残した2枚のアルバムを収めたCDが出ていたとは知らなかった。


そのヒット曲”Eighteen With A Bullet ”はドゥ・ワップ風のコーラスにファルセットが乗ってくる、オールディーズな仕上がりの作。なぜか耳に残るし、何度も聴きたくなってしまう。その他の曲もファンキーかつメロウで、このヒト、いわゆるブルーアイド・ソウルな鍵盤弾きと捉えられるだろう。メロディ・メイカーとしての側面も捨て難い魅力アリ。効用感のあるポップ・ソウル”Making A Good Thing Better”などはAORファンにもソウル・ファンにもアピールするクオリティだと思う。


ピート・ウィングフィールド、調べてみると、マイク・ヴァーノンと共に70年代初頭にブルーズバンド、ジェリーブレッドを結成し、その後74年にファンクバンド、オリンピックランナーズで作品をリリース。このピートのソロ作にもオリンピックランナーズのメンバーが参加している。さらに驚いたのは、シャナナ・フォロワーイギリスロックンロール・リヴァイヴァル・バンド、ロッキーシャープ&ザ・リプレイズってのがいるけれど、このプロデューサーだったのがマイク・ヴァーノン。その繋がりか、ヒットした”Rama Lama Ding Dong”には、ピート・ウィングフィールドがベース・ヴォーカルとキーボードで参加しているようだ。ドゥ・ワップ風繋がりのこのエピソードに、感動してしまう。


聴きこむと、いずれの曲もオールディーズやR&Bへの愛に貫かれている。シングル盤を夢中になって聴いていたんだろうな。45回転のスクラッチノイズに導かれた”Scratchy 45s”って曲が最高!!

2010-07-13 Brigati

markrock2010-07-13

[] Brigati 22:53

/ Lost In The Wildness ( Elektra 7E-1074 / 1976 )


フィリックス・キャバリエールのラスカルズが来日ということで。行きたいな、どうしよっかなと考え中。もちろんフィリックスのみの参加ですよ。ブリガッティ兄弟もジーン・コーニッシュもディノ・ダネリもいない。しかしながら、スティーヴ・クロッパーとの共演作の続編がこれまた素晴らしい出来となってくるとどうにも気になる。リンゴのバンドで来日したこともあったけれど、その喉は全くの衰え知らず。そう言えばブルース・スプリングスティーンも新作ライブDVD『London Calling Live in Hyde Park』でヤング・ラスカルズの”Good Lovin’”をカバーしていたっけ。


そんなことを思いながら、取り出したのは、カエルジャケが悪趣味なブリガッティ兄弟の”Brigati”名義の唯一作。ディスコ版”Groovin”が収録されていることからそれなりに気分が高まった時にターンテーブルに載せることがある。アリフ・マーディンとフィル・ラモーン、ロン・ダンテの3人がプロデュースを手がけている。その”Groovin”だけれど、アリフが手がけたもので、リチャード・ティー、スティーヴ・ガッド、ヒュー・マックラケン、ウィル・リーといった布陣。他のプロデューサーのセッションと重なっている人もいるが、その他にはトニー・レヴィン、ラルフ・マクドナルド、ボブ・ジェイムス等が参加。フュージョン勢を後陣にしきつつも全体的にディスコ色が強め。


ここまでディスコ色が強いと、サム・クックのスムースなディスコ・カバー”You Send Me”はキラーにも思える。なんともブルー・アイド・ソウルの妙じゃございませんか。軽さがね。


そうそう、60年代ラスカルズの甘酸っぱさは、ロン・ダンテがプロデュースを手がけた兄弟のオリジナル"Gotta Get Next To Somebody"やスロウなバラード"I Been Thinkin' 'Bout You Baby"、60年代の音かと見まごう"Mr. Fantasy"で聴ける。これは良い!吐息のようなバラード"Come Run"やラストの"Well, Well, Well"だって。おやおや!B面の出来がこんなに良いとは!改めて。

2010-01-18 Bill Medley

markrock2010-01-18

[] Bill Medley 23:49

/ Damn Near Righteous ( Westlife / 2007 )


ライチャス・ブラザーズのバリトン・ヴォイス、ビル・メドリーの現在の所の最新作。ブライアン・ウィルスンとフィル・エヴァリー(エヴァリー・ブラザーズ)という、ロック・レジェンドらしい大物ゲストの参加が目玉。現在まで一番エアプレイが多かった楽曲はなんでもライチャス・ブラザーズの”You’ve Lost That Lovin’ Feelin’”だと聞いたことがあるけれど。ビルのバリトンはそれだけ多くの人が耳にしている声だと言うことだ。


本作、テレビ番組の音楽やカントリー系アーティストへの佳曲提供で知られるスティーヴ・ドーフがプロデュースに加わっている。ソウルフルでいなたい、人懐っこさと都会的な部分が共存したビル・ラバウンティの楽曲を4曲取り上げているのは相性を考えても大正解。ゴスペル・ライクなM-1”Sit Down & Hurt”からして胸を打つ。かみしめるようなバラードM-3”Something Blue”や娘さんマッケンナ・メドリーとのデュエットM-11”Rock Me Baby”も素晴らしかった。


とはいえやはり目玉はブライアン・ウィルスン、フィル・エヴァリーそれにジョー・シャーメイとジェフリー・フォスケットがハモるM-5”In My Room”かな。ご存知ビーチ・ボーイズの(というかブライアン・ウィルスンの)名曲。


その他にもレイ・チャールズ(ドク・ポーマス作)のM-4”Lonely Avenue”やディランのM-7”Just Like A Woman”(キーボードのみをバックにしみじみ歌われる)、さらにスティーヴ・ドーフのM-9”Beautiful”とマーク・ジョーダンのM-10”Two Lives”という鍵盤オンリーの沁みるバラード連も良かった!


演奏陣ではディーン・パークス、ジョン・ロビンスン、ジミー・ニコルズ、ジョー・シャーメイ、コーラスではウォーターズが参加するという手堅さ。ラストのM-12”Caifornia Goodbye”は”for Bobby”という副題が付いている通り、ライチャスの片割れ、故ボビー・ハットフィールドに捧げられた曲。スティーヴ・ドーフとシェイン・フェアが共作した美しいバラードで全くもって胸を打った。最後のほうに娘マッケンナとのデュエット・トラックがシークレット的に差し挟まれる。


真夜中に聴きたい、いやはや、”Damn near righteous ”の通り、「ほとんどライチャス(ホンモノ)」と言うに相応しい盤。数曲の録音風景を収めたDVDも付いていて。ちなみにメドリーのソロや再結成も含むライチャス盤はいずれの時期も殆んどハズレが無いので、是非ともオススメしたい。レコは安いし!

2009-12-23 Doris Abrahams

markrock2009-12-23

[] Doris Abrahams 13:40

/ Labor Of Love ( BIGPINK / 2009 )


以前Vividから再発されたドリス・エイブラムスの唯一盤が韓国のリイシューレーベルBIG PINKから出ました。紙ジャケってことで購入。元々Philoからのリリースってことで、フォーク畑の人なのだろうが、1976年と言う時代がポップ、ソウルとのミックスを可能にしていて。土の匂いを保ちつつもAOR的洗練が施されているのが堪らない。ロザリー・ソレルズなんかと共に好きな盤。


冒頭2曲で決まり。ムチャポップなアクースティック・グルーブA-1”Dance The Night Away”とローラ・ニーロ・スタイルのバラードA-2”Hurricane In My Heart”。2曲共にパット・アルジャーの作。パットはカントリー・フィールドのソングライターとしてガース・ブルックスらに曲提供している。ジェイムス&リヴィングストン・テイラーが唄った”City Lights”のオリジナルなどを収録した『From The Heart』(1980)をパットと一緒に作ったのが本作のプロデューサー、アーティ・トラウムというわけで。ウッドストック系ミュージシャンのサポートが素晴らしい。


他にもジェシ・コリン・ヤングの”Sunlight”やコール・ポーターの”Let’s Do It”、ジェフリー・ガッチョンの”I’ll Be Your Old Lady”など曲が揃っている。純粋なフォークはミッキー・ニューベリーのM-7”Are My Thoughts With You”くらい。ドリスの自作は2曲ながら、シンガーソングライター的感触を持っているのも魅力。

2009-10-10 Jiva

markrock2009-10-10

[] Jiva 23:48

/ Same ( Dark Horse / 1975 )


ジーヴァ。ジャイヴァかと思っていたけど。「息をすること」というサンスクリット語「ジヴ」から取っているらしい。ジョージ・ハリスンのレーベルDark Horseからリリースされた白人バンド。冒頭A-1”Something’s Goin’ On Inside L.A.”はどっしりした王道のファンク。でも白人バンドらしくロックっぽさが出るのが面白い。哀愁ブルーズ・ロックなA-2”The Closer I Get”や”天国への扉”を洗練させたようなA-3”Love Is A Treasure”はマナサスやファイアーフォールみたいにも聴こえたり。コーラスも意外とキレイで。メロウな16ビートA-5”Brother”は本盤のキラーかも。


よりメロウ・ファンキーに迫るB面も最高。ハンドクラップをうまく使った胸キュンファンキーポップB-1”World Of Love”なんてたまらん魅力が。B-3”It’s Time You Know”やB-4”Don’t Be Sad”も同様。ラストはB-5”All Is Well”はバラードタッチ。


さて、本作はクルセイダーズを手がけたスチュワート・レヴィンのプロデュース。元々土臭そうなこのバンドをギリギリメロウに仕上げたのはこの人の手かも。メンバーは殆んどのボーカルをとるマイケル・スコット・ラニング(ギター)、ジェイムス・ガートランド・ストラウス(ベース)、トーマス・ウォルター・ヒルトン(ギター)、マイケル・ランドルフ・リード(ドラムス)の4人。ゲイリー・ライトがキーボードで客演している。ボーカルは上手いとも言えず、海外ではそんなに評価が高くないようだけど、個人的には悪くないと感じる。お世辞にも良いガタイと思えない4人の上半身裸はどうかと思うけど。

2009-04-12 Rosie

markrock2009-04-12

[] Rosie 20:00

/ Better Late Than Never ( RCA APLI-1498 / 1976 )


James Taylorのサポートで知られ、その女性的なファルセット・ヴォイスでソロ・レコーディングも数多いDavid Lasley。彼のデビュー作となった3人組のソウル・トリオのファースト。なんともNYを感じさせてくれる。ディスコに行く前のちゃんとしたソウルの音が素晴らしい。二人の女性、Lynn Pitney、Lana Marranoと共に歌う。Davidにとっては3人組のガールポップってな感覚だったのかも。


フィリー・ソウルの甘さとヴァイヴの吹き荒れる切なさが堪らないA-1”Roll Me Through The Rushes ”(Chaka khanのカバーがある)はCharie Calelloの編曲。山下達郎のファーストとほぼ同じ時期だと思ってどうしても聴いてしまう。続く、Honeyconeなんかを思わせるフレッシュ・ソウルA-2”The Knockout Kind”はMike Zagerの編曲。そしてA-4”Blind Man’s Pearl”はPee Wee Ellisの編曲で、以降この三人の個性の異なるアレンジ曲が並び、楽しませてくれる。A-4の作曲はDavid とMarsha Malametの共作。Marshaはレズビアンのアーティスト、Davidはゲイ、ということで交流があったと思われる。疾走感のある16ビートM-3”Pick Up Your Heart”は本盤屈指の佳曲。しっとりとしたA-5”Safe Harbor”でA面は幕を下ろす。


ロッキンなB-1”Late Bloomer”は感心しない出来。アクースティックで感傷的なバラードB-2”London Blues”に続くシャッフル、B-3”Dixie Hobo Queen”は前半の明るいノリとサビのディキシー調の展開が面白い。B-4”Walk In Grace”はカントリー的な味わいがあるバラード。こちらもMarsha MalametとDavidの共作。リズムパターンが目まぐるしく変わるB-5”Danny’s Ditty”はイタダケないが、Booker T.Jones作品のカバーB-6”Ole Man Trouble”はDavidのルーツを知ることが出来る作でなかなか。

2008-08-03 Steve Cropper & Felix Cavaliere

markrock2008-08-03

[] Steve Cropper & Felix Cavaliere 23:47

/ Nudge It Up A Notch ( Stax /2008 )


先日より引越し。段ボール40箱余りに詰めるCDやレコを厳選する作業、辛かった。定期的には処分していたのだが、引越し日というお尻が決まっている以上、今回の作業は戦いでした。


そうそう、赤塚不二夫の死、わかってはいたもののショック。お冥福をお祈りします。


さて、新生スタックスからの新譜。この顔合わせを見て、即買い。片やスティーブ・クロッパー。ブッカーT&ザ・MGズのギタリストとして、オーティス・レディングからサム&デイブ、エディ・フロイド、ウィルスン・ピケットまで、スタックス・ソウルの黄金期を支えた彼。1941年生まれということは、御歳67。艶々した顔色からするとオドロキ。そして、クロッパーとがっぷり四つを組むのが、元ラスカルズのキーボード&ボーカルのフェリックス・キャバリエール。クロッパーの相手役としては申し分ナシのブルーアイド・ソウル・シンガー。キャバリエールは1994年にドン・ウォズのプロデュースで久々の復活盤『Dreams in Motion』をリリースしたこともあったが、スムースなAORとして評価できたものの、往年のファンには物足りなさもあったはず。その後、マンハッタン・トランスファーの1995年盤で名曲”Groovin’”を再演していたり、リンゴのオールスター・バンドで来日したりとちょこちょこ顔は見ていたけれど、彼の渋い喉を堪能できる新作の方はとんとご無沙汰だった。


本作のコ・プロデュース+コ・ライターを務めるジョン・タイヴンはまた重要なお人。クロッパーと同じくナッシュビルに居を構え、白と黒の境界で作る音には定評がある。彼が絡んだ作品でキャバリエールがゲスト参加していたこともあった。” Where Were You When I Needed You”でデュエットを聞かせた、2年前のP.F.スローンの新作『Sailover』だとか、あのヴェロニカと”I Love You So”をデュエットした、アーサー・アレキサンダーのトリビュート盤『Adios Amigo』だとか。アーサー・アレキサンダーと言えば、アーサーのトリビュート作品もリリースしているアラン・メリルの近作にもタイヴンは関わっていた。


さて、本作の肝心の中身はと言うと、もうとにかくゴキゲンな仕上がり!冒頭M-1”One Of Those Days”から、フェリックスのシャウトが炸裂する、最高のR&Bアルバムに仕上がっている。ギターはスティーヴ、フェリックスはオルガン、ドラムスはジェネシスやフランクザッパでの活動が知られるチェスター・トンプソン、ベースはシェイク・アンダーソンという布陣。インストも織り交ぜた全12曲。ジャケほど懐古趣味的な仕上がりでもなく、新旧の音を織り交ぜた仕上がり。ドラムスには、イマ風のR&Bっぽいテイストもある。M-9”Make the Time Go Faster”ではラップにトライしたりと、安易に言えばスタックス・ソウルの21世紀的展開も楽しめたり。


M-2”If It Wasn’t for Loving You”の歌い回しには”Groovin’”を思い出す。白眉は切ないミディアムM-3”Without Her”か。スティーブのパキパキ・ギターとフェリックスのシャウトがぶつかり合うM-7”Still Be Loving You”もコーラスが気持ち良くキマって悪くない出来。インストM-4”Full Moon Tonight”やM-9”Make The Time Go Faster”では、サム&デイブ”Soul Man”なんかでも聴けたスティーヴの手癖が蘇る。


ところで、タイトルの『Nudge It Up A Notch 』。翻訳ソフトに入れてみたところ、“V字形の切込みにそれをそっと突いてください”だって。

2008-03-09

markrock2008-03-09

[]Michael McDonald 13:49

/ Soul Speak ( Universal / 2008 )


ここの所リピートしているマイケル・マクドナルドの新作。モータウンカバー集の全2作に次ぐ、ソウル・カバー集。自作の新曲も3曲入ってはいるが、もう新曲で勝負することは止めているような気もする。マア彼の喉が快調なのでそれも良しよしよう。最近、マイケルも誘われた、ドゥービーズの1996年の再結成ライブの映像を見ていて、彼の実力を改めて思い知った次第。


本作のプロデュースはサイモン・クライミー。プレイヤーとしてはマイケル・トンプソン、ネイザン・イースト、エイブ・ラボリエルJr.、ドイル・ブラムホール兇覆鵑が参加していて、サイモン・クライミー制作のクラプトン盤みたいなデジタルと生音を組み合わせたカッチリした音。モータウン・カバー集とも同じ。もっと土臭いマイケル盤も聴いてみたいと思うのは私だけか。


とはいえ内容は大充実。クライミー・フィッシャーとしてデビューする前にサイモン・クライミーが書いたM-1”I Knew You Were Waiting ( For Me )” (ジョージ・マイケル&アリーサ・フランクリン)に始まり、スティービーM-2”Living For The City”、 M-6”For Once In My Life”、テディペンのM-3”Love T.K.O.”(ホール&オーツもカバーしてましたが)、バカラックM-4”Walk On By”、M-10”( Your Love Keeps Lifting Me ) Higher And Higher”(ジャッキー・ウィルスン)と鉄壁。


珍しいところで、アコギを交えたヴァン・モリソンのM-7”Into The Mystic”が近年のジョニ・ミチェルみたいな味わいで良かったし、レナード・コーエンのM-8”Hallelujah”も胸を打った。


なんと言っても嬉しかったのはボブ・マーリーのM-13”Redemption Song”。ボブのオリジナルではアコギ弾き語り&バンドの音源が残っている。ジャクスン・ブラウンの弾き語りカバーは素晴らしいものだったが、ここでは手堅く、コーラス隊を従えたソウルフルなスタイルで聴かせる。


ラストはM-14”You Don’t Know Me”。元々はエディ・アーノルドの歌ったカントリー・スタンダードだけれど、レイ・チャールズ、エルヴィスと黒白問わず愛されている楽曲。マイケルと共作を残すケニー・ロギンスもかつて取り上げていた。今度はこんなジャジーなアプローチで、マイケルを聴いてみたい、という気にさせる。

2006-02-21 Dean Cohn

markrock2006-02-21

[] Dean Cohn 21:47

/ Same ( A&M SP4839 / 1980 )


ジャケからするとたいしたことない産業ロック盤のような気がするのだが、スタンダードな楽曲につられ、たいして期待せず買ってみたところ、曲も粒ぞろいな実に渋いブルーアイドソウル盤だった。Dean Cohnという人はよくわからないが、1980年という時代を考えると、心持ち明るめに仕上がってはいるものの、B.J.Thomasなんかが70年代にやっていた南部ポップソウルの雰囲気を80年代に再現した感じで、とにかく渋過ぎる。ソングライターもソウル/カントリーを横断したやり手ばかり。音作りも明るめではあるが、最後の生音時代を満喫できる。

A-1”When You Get Right Down To It ”はBarry Mannのあの曲ではなく、Jerry Fullerのカントリーソウルバラード。青臭い部分もあるが、印象的な甲高いシャウトも交えつつ丁寧に歌いこむ。Thomas CainとClifford Curryの共作 A-2”Crazy In Love”は、ソウル魂満点のマイケル・ボルトンが歌いそうな90年代〜00年代王道アダルトコンテンポラリーの風格。でも音は生なのが実に耳にいい。相当いい感じだ。アレンジャーのBergain Whiteがいい仕事をしている。A-3”I Could Be So Good For You”はキャッチーなポップソウルでAORファンにもアピールしそう。Alan Rush、Dennis Linde、Randy Cullers...という共作者を見ていたら、これはJubalではないか!と思い出した(Rob Galbraithさんはいないものの)。A面ラストはスタンダードA-4”Since I Fell For You”。重厚さはないが、さわやかに聴かせる。さわやかな歌でもないが。

B面一曲目”We Should Be Together”も出来たミディアムバラード。Thomas Cainと、Billy Swanの諸作でギターを弾いていたTim Krekelの共作。B-2”One More Last Chance”はナッシュビルのソングライターHal Bynumと、Billy Joe RoyalやBrook Benton、Dobie Gray、Gladys Knightに曲を書いているBud Reneauが手がけたポップな曲。さらにB-3”We’re In This Love Together”は弾むようなフックのリフを持つかなり好感触なポップソウル。カントリー畑でプロデューサー、SSWとして活動するKeith Stegallの曲だが、ブルーアイドソウルAOR好きには相当たまらない感じだろう。B-4”When A Man Loves A Woman”は一転スタンダードなソウル名曲。有名曲なだけに力みがあり、オリジナルのPercy Sledgeの下手っぴだが温かみのあるボーカルとは程遠いが、コンテンポラリーにソウルをさらりと料理している本盤の流れ的には全然悪くない。むしろ、ラストのバラードB-5”Nothing Could Ever Stop Me (From Loving You)”の方が曲に魂を込めて歌えていて良い。この一曲のみThomas Cain、Tim KrekelとともにDeanもクレジットに名を連ねている。

とにかく素晴らしい。曲のレベルが非常に高いだけに、要注目盤だ。中身とそぐわないジャケットゆえ100円箱に転がっていそうな雰囲気(実際転がっていた)なので、拾い上げる必要がありそう。

2005-03-18 John Kay ほか

markrock2005-03-18

[] 23:10

Firefly / Hey, There Little Firefly Part1&2 <45rpm /1975>


Kenny Nolanプロデュースのグループ。ディスコものだが、実にメロウなNolan節に頬が緩む。彼の業績というと自身の"I Like Dreamin'"や"My Jole"、LaBelleの"Lady Marmalade”、Frankie Valliの"My Eyes Adored You"など。R&B界とも親和性の高いソングライティングは見事。