いしうらまさゆき の『愛すべき音楽よ』(ブログ〜CD&レコードレビュー)

2014-08-10 Allman and Woman / Two The Hard Way

markrock2014-08-10

[] Allman and Woman / Two The Hard Way ( Warner/Lost Diamonds / 1977 ) 02:26


お陰様で新作CD、細々とではありますが、温かい反応を頂いており、本当に励みになります。どんなものでもそうですが、世に出るまでは、受け入れられるだろうか、とか、色々不安があるものでして…


国分寺立川の老舗レコード店の珍屋さんでは素晴らしいレビューを書いて頂いたり(http://blog.livedoor.jp/mezurashiya/archives/52043064.html)、シンガー・ソングライターの宮 武弘くんがFMおだわらの自身のラジオでオンエアしてくれた上に、色々な話をしてくれたり。そうそう、朝日新聞の記者でライターの近藤康太郎さんからは「”無の季節”が、やはりしみました。よかったころの高石ともやを思い起こしました。」なんて有り難いお言葉を頂いたり。


そして、最新9月号のレコード・コレクターズ誌を読んでいたら、うわぁ〜!なんとニュー・アルバム・ピックアップで取り上げていただけているではありませんか!もうこういうのは涙が出そうになりました。中学生の時から読み続けている雑誌ですから…音楽評論家・小川真一さんの「たぶん君は時代を変えられないかもしれないけれど、でも僕は君のことずっと好きでいるよ。」という言葉で、全てが報われる思いがしたのです。

f:id:markrock:20140811021621j:image

芽瑠璃堂さんでは6曲入りのボーナスCD-Rが付属した限定盤が好評発売中です!トピックでも取り上げて頂けました。ぜひまだの方は手にとって頂けたら嬉しいです!


芽瑠璃堂↓

http://www.clinck.co.jp/merurido/dtl.php?ky=MASH002

詳細↓

http://d.hatena.ne.jp/markrock/20140521


Allman and Woman

/ Two The Hard Way ( Warner/Lost Diamonds / 1977 )

f:id:markrock:20140811021347j:image

最近レコード9、CD1、みたいな買い方になっていたけれど、これはすぐ買っちゃいました。グレッグ・オールマン美魔女シェールのごくごく短かかった蜜月時代の共演盤。こういう別れちゃった夫婦盤というのは、なんとも気まずいからか、CD化されない場合がある。日本だと、”つなき&みどり”とか、”マイクと美波里”、”井上順之とエミ”とかそういう小っ恥ずかしい類がありますけれど。一時期結構探していたことを思い出した。意外と日本では出てこなくて、e-bayでもそこそこの値段だったりするし。


これ、噂通りのAOR好盤。ボズ・スキャッグスにせよ、南部ロックもとろけていた時代。1977年リリースですから。たいてい数曲はいなたいやつが入っていたりするものなんだけれど、割と通してAORで聴けるかな。プロデュースは2曲を除きジョニー・サンドリン(&グレッグ)。タイトルも良い。オールマン&ウーマン、なんて上手いですね。再発CDの方はWoman(Cher)とか書かれていてちょっと野暮。


そんな風に通してAORで聴けるというのも、夫婦の企画盤らしくグレッグの自作は無く、ライターも粒ぞろいを集めていて。2年後にデビューするベックメイヤー・ブラザーズによる”Move Me”とか、アラン・ゴードン”I Found You,Love”(バーブラ・ストライザンドSuperman収録曲)、マイケル・スマーザーマンの”Can You Fool”、ちょっと”Saturday In The Park”風のコード進行の”I Love Makin’ Love To You”はイーヴィ・サンズの自演もある名曲、そうそう、サンフォード&タウンゼンドの”In For The Night”もある。そして、” Ilene Rappaport”名義の”Island”だけど、これはローレン・ウッドの変名で。


さらに、カバーが結構興味深くて。エルヴィスが歌ったリーバー&ストーラーの”Love Me”やブルーズ・スタンダードの”We’re Gonna Make It”から、ジャクソン・ブラウンの初期楽曲”Shadow Dream Song”(結構オリジナルに忠実なアクースティックなアレンジで)、そして60年代の白人ミュージシャンがレスペクトするスモーキー・ロビンソンの”You’ve Really Got A Hold On Me”まで素晴らしかった。その”You’ve Really Got A Hold On Me”でホーン&ストリングスのアレンジを務めたジミー・ウェッブの”Do What You Gotta Do”のカバーも最高の仕上がりだった。こちらにもウェッブ自身が参加している。ウェッブとシェールといえば、シェール1975年のソロ・アルバム『Stars』をウェッブが全面プロデュースしていた。そちらはウェッブ自身の曲が少なく、余りファンにも評判が良くないレコードだけれど、そこにもジャクソン・ブラウンの”These Days”が収められていた。

f:id:markrock:20140811021901j:image

ちなみに演奏はウィリー・ウィークス、ビル・スチュワート、リッキー・ハーシュ、ニール・ラーセン、フレッド・タケット、ジム・ホーン、スコットー・ボイヤー、クライディ・キング…といった70年代ワーナーらしい安定の布陣。


そういえばグレッグ・オールマンの自伝映画、撮影中の事故で撮影中止になったというニュースが今年あった(http://www.cinematoday.jp/page/N0060988)。自伝『My Cross to Bear』だけでも、アマゾンで取り寄せてみようかな。

f:id:markrock:20140811021955j:image

2014-07-12 Stephen Bishop / be here then

markrock2014-07-12

[] Stephen Bishop / be here then ( General Records / 2014 ) 09:47


ひっそりとリリースされていたスティーヴン・ビショップの新作『be here then』。もう62歳なんですね。バーコード付きでアマゾンでも流通しているけれど、ほぼ自主リリースの体裁。CD Babyなんかで売ることを前提としたような盤かな。ダウンロードが主流な世界の情勢だけれど、往年のミュージシャンの新作だから、フィジカルなブツで届くとホッとするような所がある。

f:id:markrock:20140713093337j:image


デビュー前後はシンガー・ソングライタージェイムス・リー・スタンリーのアルバムにも参加していた。そもそも今年ソロ来日が決まったアート・ガーファンクルのセカンド・アルバム『Breakaway』に2曲が採用されたことからキャリアが大きく広がった人。ミュージシャンズ・ミュージシャンのような所もある。歌詞も佇まいも実に都会的で、フィル・コリンズエリック・クラプトンとの交友も70〜80年代は知られたところで(クラプトンの”Holy Mother”やフィル・コリンズ&マリリン・マーテョンの”Separate Lives”のソングライティング)、そういったVIP交友録も似合う雰囲気を持った人。二十歳くらいの頃ファンレターを送ったことがあったけれど、実に丁寧にナイーブなタッチの返信をくれたことを覚えている。



新作のプロデュースだが、冒頭の”Pretty Baby”(ティア・シリアーズとの共作)、”Make It Last”(ブランドン・バーンズとの共作)、弾き語りアルバム『Yardwork』(2003)既出の ”Rescue You”、”Promise Me The World”LAの4曲は40代半ばのセッション・ドラマー / プロデューサーロビン・ディマッジョが手掛ける。90年代はスティーブ・ヴァイのアルバムなんかに参加していたが、2000年代にはいるとボズ・スキャッグス『Dig』ポール・サイモン『Surprise』に参加し、2013年には”Hotel California”の作曲で知られるイーグルスギタリスト、ドン・フェルダーの『Road To Forever』http://www.clinck.co.jp/merurido/_friends/00023/msg_dtl.php?ky=00023-1374939789)のプロデュースを手掛けるなど、往年のロック・ミュージシャンから評価と信頼を高めている。さらに4曲はヴィヴェク・マダラが、エイティーズ風味のポップ・レゲエ”Fooled By Love”はピーター・バネッタが、”Sparkle U Shine”(マークとの共作)はマーク・ゴールデンバーグが仕上げている。つまり、ここ10年くらいの間に書きため、いろんなセッションで録っていた曲を合わせ技で仕上げたって感じなのかな。曲ごとのクレジットはないけれど、TOTOデヴィッド・ペイチ(2013年のポーランドのツアーライブDVDでは見事に復活していた!)、リー・スクラー、レスリー・スミスといったミュージシャンも参加している。“Make It Last”などは5年くらい前に本人がMySpaceでやたら曲をアップしていた時期があったけれど、そこでも発表されていた曲。でも、今回アレンジは違ったので再録したのだろう。ファンからの反応を探るためだったのだと思うけれど、未発表の新曲が他にもあったような?いや、FEAR OF MESSAGE demo3』に入っていたかも。



音としては初期2枚だけでなく、『Bowling In Paris『Blue Guitars』も好き、というファンには受け入れられるんじゃないかな。ピアノでしっとりと歌われる”Loveless”は初期の繊細な感性もいまだ息づいていたり。



あ、ちなみにファースト『Careless』至上主義者の方には自主リリースの『THE DEMO ALBUM2』収録の”Really Wanting You”をオススメしたい。私は聴いたとき音楽の一期一会のマジックを感じました。1974年録音。明らかにアウトテイクですが、弾き語りで作り上げられる最高峰の世界だと思っている。

f:id:markrock:20140713091801j:image

                                                                                                                                                                                                                          • いよいよ発売日が迫ってまいりました!先日はFMおだわら 宮 武弘 の『Relax & Music』で「無(ゼロ)の季節」を流していただきました!

いしうらまさゆき

『語りえぬものについては咆哮しなければならない』

2014年7月20日発売                     

MASH RECORDS MASH-002

Distributed by VIVID SOUND

定価2160円(tax.incl)

芽瑠璃堂限定特典CD-Rの詳細が決定しました。

【芽瑠璃堂特典】

6曲入CD-R

アルバム未収録の新曲と2ndのリミックスを収めた全6曲の特典盤!!

1. 深い河を見つめて

2. あぁ晴れたなぁ

3. 夢の手帖

4. 迷子

5. 言葉(remix)

6. Like A Bluebird(remix)

http://www.clinck.co.jp/merurido/dtl.php?ky=MASH002

2011-08-17 Henry Gaffney

markrock2011-08-17

[] Henry Gaffney 23:59

/ On Again Off Again ( BIGPINK / 1978 )

日本向けにエグイ再発モノを出してくれている韓国ビッグピンク。これはAORファン向けかな。惜しくも2010年に61歳で亡くなったヘンリー・ギャフニーの名盤。最近はAORものも流石に値崩れしてきて、一時期は4000円くらいしていたこの名盤も、LPで1500円くらいなら手に入るようになってはいた。


タバコをくわえたモノクロのジャケットといい、1曲目に”Mack The Knife”なんていうジャズの大名曲を持ってきている辺り、AORテイストで激シブにスウィングしてくれているのかと思いきや、MOR歌手が可愛くカバーしたような小品だった。エリック・ワイズバーグのバンジョーも入ってね。ロン・カーターのベースとの共演が語られる”There’s A Train”もスタンダードの風格。


聴き続けていくと、この出過ぎない感触がなかなか趣味が良く、味わい深い良盤でありまして。ニューヨークの雰囲気たっぷりにかみしめるようなボーカルを聴かせてくれる。作風なんかは大きく被るわけではないけれど、コーラスがS&Gっぽい”City Lights”やフェンダー・ローズのとろけるバラード”This Is It”、繊細なピアノ・バラード”There’s No Sound”なんて聴いてみると、ポール・サイモン的な印象ですな。


と思って調べていると、ヘンリー・ギャフニーはバークリーで詩作やデモ制作の講座を受け持っていたようで、死の直前、病をおしてバークリーで開催されたポール・サイモン・クリニックに参加したようだ(http://www.berklee.edu/news/1891/henry-gaffney-songwriting-faculty-1949-2010)。


“Happy End”という曲もあった。ノスタルジックなジャズで凄く良かった。あの伝説のバンド「はっぴいえんど」は、間違った英語で(まあそれはそれで、あえて採った日本的表現であり)、本来は”a happy ending”というべきだ、なーんて話があったけれど、こういう言い方もするんですな。なんだか物的証拠を手に入れた気分。


他にも、マイケル・ブレッカーのテナー・ソロが、サタデー・ナイト・ライヴのオープニングを見ている気分になれる”Breakout”とか、魅力的な楽曲が揃っていた。


ファーストは1975年『Waiting For A Wind』。これはいぜんLPで買ったけれど、なかなか良い盤だった記憶がある。

2011-04-03 Andy Goldmark

markrock2011-04-03

[] Andy Goldmark 13:50

/ Demonstrations ( Cool Sound / 2011 )


アンディ・ゴールドマークと言えば、ゲイリー・アッシャーのプロデュースで1973年にリリースされたセピア色のSSW名盤『Andy Goldmark』がカルト的な人気を保っている。個人的には名盤探検隊シリーズで初めて購入。LPもよく中古屋で見かける。デモンストレーション盤のステッカーが貼られたものを多く見かけるけれど、それほど余り売れなかったのだろう。


さて、こちらもデモンストレーションズなるタイトルが付けられているけれど、こちらは彼の楽曲のデモを収めた驚きの新作だ。90年代以降、AOR再発CDの先鞭を付けてきたクール・サウンズからのリリースだ。


コレクター諸氏ならば、ごく少数プレスされて、音楽業界に出回っているデモ盤をご存じだろう。とりわけ作曲家本人が歌うデモに人気がある。しかしそんなコレクター垂涎の品も、ポール・ウィリアムス&ロジャー・ニコルズやアラン・オデイのものがCD化されてしまったんだから驚きだ。楽曲の売り込み用のデモながら、完成度の高いモノもあり、ファンには堪らない魅力がある。楽曲の素の魅力がそれなりの金を生むとレコード会社が悟った感もある。


さて、そんな時代だから、アンディ・ゴールドマークのデモが出たとしても驚かない。ただし、アンディ自身も折角出すのだからと、手を加えているモノもあり、それは正直惜しいと言わざるを得ない。作品としてのトータリティより楽曲そのものの初々しい様を聴きたいってのが正直な所だから。


だから、マイケル・ボルトンと共作した”Soul Provider”(マイケルのヒット・アルバムのタイトルにもなった)をレゲエ・アレンジで改作しているのは頂けない。個人的にはソングライターとしてのアンディに初めて注目した作品だったから。(後に前出のSSW名盤をリリースした人物と同一だと知ったときは驚いた!)


まあ、それでも80年代から90年代にかけてのアダルト・コンテンポラリーのメインストリームをいく、クワイエット・ストームなAORサウンドは十分に魅力的。ケニーGの大ヒットアルバムでピーボ・ブライソンが歌った”By The Time This Night Is Over”とか、初めて聴いたバラード”Tender Is The Night”がすこぶる良かった。他にもジャーメイン・ジャクソンの”Dynamite”とかね。無名のセッション・シンガーが歌うデモも多い中、自演を貫いているのも魅力的。ちなみに、購入時に"Crush"が特典CDとして付いてきた。


これが気に入った向きにはかつてCD化された、ワンダーギャップも是非聴いてみて欲しい。クリッターズのジム・ライアンと紅一点のホリー・シャーウッドとのトリオで、都会的な洗練された音が忘れられない。


ライナーの中田氏、名盤探検隊のアンディ盤の解説も書いていたけれど、ちゃんとシンガーソングライター時代の作品も評価してくれていることが嬉しい。AOR系のライターとなると、マトモにロックやシンガー・ソングライターものは聴いてはおらず、ましてやカントリーは知りませんなんて人が多いもの。アメリカの音楽を理解するのにジャンルの壁を作ってはいけないというのが持論だ。

2010-12-29 Bobby David

markrock2010-12-29

[] Bobby David 01:14

/ Same ( 20th Century / 1978 )


ユニオンでシュリンク付きカット盤が300円で売っていた。こんな安レコばっかり買ってますよ…レコード会社20th Centuryで1978年と来ただけで、AORものに間違いないなと思って購入。バリー・マニロウみたいなピアノマン・スタイルのラスベガス系のエンターテイナーのレコかなと思ったけれど。


さてさて聴いてみると、ジャケほどのオッサン声でもなく、ビターでロックな歌声。青臭いとさえ思うくらいで。音はというと、「AOR」と日本的なジャンル分けをついしたくなってしまう。そして、前述のピアノ・マンなイメージは、まさに時代的にみてもタイムリーなビリー・ジョエルの”Stranger”のイントロをちょっとだけ拝借した感のある”You Are My Fantasy”ってのがあった。ディスコっぽいものもあるんだけど、かなりオトナな雰囲気で楽曲の完成度は高い。しかも殆どが自作というのは驚いた。”Crossfire”はナッシュビルのソングライターとして成功を収め、70年代初頭に2枚のアクースティックなソロ作もあるケイシー・ケリーのクレジットも入っていた。参加陣にはジョー・オズボーンやランディ・グッドラム、そしてスプーナー・オールダムの名が!

wtgovoomtnwtgovoomtn 2011/01/21 06:25 9KdKVz <a href="http://utqnrevzgbct.com/">utqnrevzgbct</a>, [url=http://jrpphwqwzifg.com/]jrpphwqwzifg[/url], [link=http://vslpstewqqlw.com/]vslpstewqqlw[/link], http://hmlsoropheus.com/

2010-10-11 Stephen Bishop

markrock2010-10-11

[] Stephen Bishop 00:33

/ Sleeping With Girls ( BIG PINK / 1985 )


韓国ビッグピンクのリイシューでこんなものが出た。SSWやソフロ、スワンプだけでなく、AOR系も押さえてくれるんだな、というビッシュことスティーヴン・ビショップ。フィリピンでのみ1985年にリリースされたという激レア盤。個人的にも長年探していたけれど、手に入らなかったもの。一部はライノのベスト盤で聴けたけれども。なぜここへ来て再発にOKが出たのか不思議。


さて、聴いてみると、ライノからのベスト盤『BEST OF BISH』に入っていた楽曲の出来がやはり際だっている。タヴァレスをゲストに迎えたスウィート・ソウル”Fallin’”とか、フィル・コリンズ&マリリン・マーティンに提供した全米No.1ヒット”Separate Lives”の自演(コレは1994年の『Blue Guitars』収録ヴァージョンの方が出来がよいけれど)、そしてトッツィーのサントラからのヒット”It Might Be You”とかね。”It Might Be You”、デイヴ・グルーシン作曲ながら最大のヒットになってしまったのは皮肉という他ない。


そうそう、オールディーズ大好きな彼らしい、”Rhythm Of The Rain”エイティーズ・アレンジメントなロマンティック・カバーも既にベスト盤で聴けたけれど素晴らしい。


タイトル曲なんかは『Bowling In Paris(1989)に再録される。エリック・クラプトン(ギター)、スティング(ベース、コーラス)、フィル・コリンズ(ドラムス)、そしてビッシュという夢のような4人で演奏される”Hall Light”も含めて、再録の方がこなれている感はある。カウントまで入っている”Hall Light”はちゃんとミックスしてないデモみたいに聴こえた。演奏はむちゃくちゃ熱いけどね!そういえば、『Bowling In Paris、これまた大好きなアルバムで。エイティーズ・スムース・AORの傑作でしょう。深夜のFMで聴く感じ、タイムスリップしちゃうんだよなぁ。この時代、音楽のマジックがまだまだあったんだ。ノスタルジックになってしまう。


ビッシュと言えば、クラプトン、フィルとの親交の深さは知られたところ。知名度で言えばスティーヴンが劣るけれど、80年代にお互いが参加し合った3人のアルバムの至る所でその友情を感じとることが出来る。フィルがプロデュースしたクラプトン『August』に収録されていた”Holy Mother”はクラプトンとビッシュの共作。自殺したザ・バンドのリチャード・マニュエルに捧げた1曲だったけれど、ビッシュらしい優しいメロディに感動したものだった。


ビッシュの代表曲“On And On”はいまだにデパートのミューザクでも聴ける名曲だけれど、アイデアとして借用されたんでしょう。”いとしのエリー”の大サビにもなっている(サビまではマリーナ・ショウの”You Taught Me How To Speak In Love”の雰囲気を借用してます)。


そもそもこの人、アート・ガーファンクル経由で知った。『Careless』に入っている”The Same Old Tears On A New Background ”の自演を聴いたときは時が止まりましたよ!いつか”Rock And Roll Slave”をカバーしたいと思っている。数年前にメールをしたら、返事をくれたことがあった。なんか、とてもナイーブで優しい文面だったのを覚えている。来日公演も2度観に行った。1度は10年くらい前に故ケニー・ランキンとのジョイントで。2度目は友人にチケットを有り難く頂いて、渋谷duoの公演に。コレはDVDにもなっている。腕利きを配したアルバムはいずれも作り込まれているけれど、ライブ自体はアコギの弾き語りを中心にしたとてもシンプルなモノ。でも、なぜかメロウな歌声が滑り出すと、忘れかけた恋愛を思い出して…甘酸っぱいミスター・ロマンティックとはこの人のことだ。

2010-09-12 Sunshine

markrock2010-09-12

[] Sunshine 17:18

/ Same ( Roulette SR-3018 / 1977 )


今日は昼から自転車に乗って、井の頭公園に寝っ転がりに行く。流石にまだ暑いけれど、木陰はそうでもないかな。サンドイッチをかじっていると、ジャージ姿のおじさんがベンチに近づいて来て、ゴミ拾いをしてくれる。よく見たら輪島さんだった!元世界チャンピオンの輪島功一さんです。娘が食われそうになるくらい大きな犬を連れていて。いやしかし、あれほどのお方がボランティアでゴミ拾いをされているなんて…お礼を言うと共に、爽やかな感動を覚えました。本当に立派な方です。


で、その帰り道レコード屋に寄る。そこそこの出物があって。Gerard Kennyのセカンド、フィルモア・コーポレーション製作でデヴィッド・ルービンソン・プロデュースの女性SSW、Victoriaの盤とかが600円くらいであった。さらに、500円で買ったSunshineの盤。コレは最高だった!!やばいですよ。


日曜日の昼下がりに最適なアクースティックなサンシャインポップ・ソウル。こんなメロウなAOR風味の盤に出会えるなんて。3人組でファルセットを含むコーラスもとても美しく、何しろ曲が出来すぎている。エリック・ワイズバーグがペダル・スティールで客演。ホーン隊にはマイケル・ブレッカーがさりげなく入っていた。


どの曲も相当の完成度なんだけど、B-1”Ann”って曲がやばい。フィフス・アヴェニュー・バンドやトッド・ラングレンも到達できたかって言うくらいの世界。もし未聴の方がいたら是非おすすめしたい所!

2009-09-23 Bill Champlin

markrock2009-09-23

[] Bill Champlin 17:21

/ No Place To Fall ( Victor VIZP-68 / 2008 )


J.D.サウザーのメーリングリストに入っているんだけれど、10月にダウンロード限定で初のライブ盤が出るとの事。ビートルズに負けず、オールド・アメリカン・ロックも気になる作が色々と。ジョン・フォガティのThe Blue Ridge Rangersの続編(ドン・ヘンリーとティモシー・B・シュミットを従えた”Garden Party”が入っている)とか、スティルスのライブ盤&マナサスの未発表曲集だとか。気になるなあ。ジミー・ウェッブと息子達ウェッブ・ブラザーズの共演作ってのもあるし。マッタク金がかかります。


そう言えば去年こんなのも買ってたな、というビル・チャンプリン久々の新作。シカゴからとうとう脱退したと言う話が伝わってきているけれど。まあ、元々サンフランシスコの名バンド、サンズ・オブ・チャンプリンのフロントマン。近年はサンズの再編盤なんかもリリースされたりしたけれど、結局は演りたい音楽を演りたいということなのだろうか。シカゴへの加入が彼のキャリアを輝かしいものにしたことは確かだけれど。


で、この新作はソウルフル、ブルージーな彼の個性を存分に発揮した作。最近のライブのDVDなんかを見ると、流石に高音が苦しくなった部分もあったりするのだけれど、レコーディングでは殆んど気にさせず、強靭なノドを披露。シカゴの呪縛からは離れられなかった部分もあり、M-9”Look Away”のリメイクも収録。コレは従来のシカゴ・ファンに向けたものであろうけれど、ビルがソロで好んで演っているアクースティック・ヴァージョン。ダイアン・ウォーレンの名曲、ヤハリ素晴らしい。


ブルース・ガイチとの共作M-3”The Truth”はTOTO風で好感触。デニス・マトコウスキーとの共作M-6”Lookin’ For You”もゴスペルライクながら売れ線な作り。さらに、M-7”Never Been Afraid”がトドメかな。ビルとアンドレアス・カールスンの共作バラード。ビルじゃないボーカルが聴こえたと思いきや、マイケル・イングリッシュ。しかも、サビではピーター・セテラがコーラス、ギター・ソロはスティーヴ・ルカサーってんだから狙った一曲。コレも結局シカゴの呪縛なんだけど、ファンには嬉しい。同じくチャンプリン・カールスンの作、M-11”Never Let Go”はビルが参加した企画アカペラグループ、カリフォルニア・オールスターズを髣髴とさせる多重コーラスが気持ち良い。


付属のDVDもアリ。殆んどがインタビューだけれど、サンズのライブ演奏が1曲(”Gold Mine”)入っていて。


図抜けた作ではないけれど、なかなか。

2009-09-19 Jon Lind

markrock2009-09-19

[] Jon Lind 00:21

/ Love In Tact ( Victor / 1985 )


今日はヤクルト・巨人戦に行ってみて。幸運にもバックシート裏1列目の席ってのを頂戴したもので。はるか昔は野球オタクだったけれど、最近はめっきり。「クルーンの球はえーな」とかいったレベルの、とりわけどちらを応援してるってわけでもないファンで恐縮ながら、ただただ興奮。選手よりむしろ、原だ!篠塚だ!解説席に東尾と江本いるぞ!ってな旧いファンでありまして。


さて、今日はジョン・リンドを。フィフス・アヴェニュー・バンド再結成は問題外って方にはオススメできないけれど、ポップライターとしてのリンドも認めているファンなら外せない、日本限定シングル。当時、ホンダ・スーパー・タクトのCMソングだったらしい。K.Gottleibとの共作。ミディアムのそこそこキャッチーな曲。ベースには現シカゴのジェイソン・シェフが参加している。


そして、B面は”Crazy For You”。言わずと知れた、マドンナの全米No.1ヒットの自演。正直、カナリ意外だったのは、『Number One With A Bullet』http://d.hatena.ne.jp/markrock/20060505)に収録されているリンド自身のデモ・ヴァージョンとは別テイクだったこと!確かにデモよりはアレンジも凝っている感じ。ただし、まろやかなヴォーカルの味ではデモの方に軍配。それにしても、何気ないバラードながら胸が締め付けられる、いい曲なんだな、これが。


ブートで『Jon Lind DEMOS』ってのをかつて入手したけれど、リンド自身のボーカルで収録されていると思しきものは”Crazy For You”だけだったし。あとはAllee Willisのサンプラーに収録されている”Boogie Wonderland”等の自演デモくらいしか、FAB・ハウデイ・ムーン・ホワイトホース以外でリンドの歌声を聴ける盤はないから貴重。

2009-08-21 Bill Labounty

markrock2009-08-21

[] Bill Labounty 02:54

/ Back To Your Star ( TACM-0007 / 2009 )


ビル・ラバウンティが単独公演で来日するってことで。マア、行きたいけど行けないような気がしてならないのだが…久々の新作は入手しました。デヴィッド・フォスターのトリビュート作『Fly Away』ではピーター・セテラに提供したフォスターとの共作”No Explanations”の感動的なセルフカバーを演っていて、久々に歌声を聴いていたところ。


さて、ビル・ラバウンティ。スティーヴ・イートンらとのバンドFat ChanceでLPを1枚リリースし、解散以降はソロとしてアダルト・コンテンポラリーの名盤を5枚リリース。とりわけマイケル・ジョンスンも歌った”This Night Won’t Last Forever”やマン&ワイルと共作した”Livin’ It Up”は日本における絶大な支持がある。最近はナッシュビルに在住し、ポップ・カントリーのライターとして多くのヒット曲を出している。日本でAOR時代に持て囃されていたことを思うと、ジム・フォトグロなんかと被る存在。そのホロ苦さのあるR&Bマナーの渋い楽曲と切ないメロディは一聴して彼の作品と判るもの。近年ではロビー・デュプリー(近作でもブルース・ハープで参加)への提供曲に、往時を思わせる楽曲があった。


さて、今作だがいつも以上に渋い作品。コレを偏狭なAORファンが諸手を挙げて受け入れるとは思えないけれど、アメリカの風土でしか作りえない、彼の黒っぽくときにジャジーで、土臭くもあり、洗練されてもいる音は風化に耐える音とみた。


ジャケットにも描かれているように、ハイウェイを渡り歩くロードのさなかに、深夜あるいは早朝に作ったと思しき楽曲が多い。トータル・アルバムとまで言えないけれど。まあでもそう考えるとラストの日本盤ボーナストラック”Livin’ It Up”(ナント、ラリー・カールトンのギターとビルのピアノのみのアクースティック・ヴァージョン)はその名の通りボーナスとして聴くべきかと。


ミディアム・バラードではM-3”Dianne”が秀逸。M-4”hwm 85”なんかも、噛めば噛むほど美味しいスルメ的味わいが。ジャケにシールが貼ってあるのかと思ったら印刷されていてビックリしたフィーチャリング・クレジットにもあるけれど、元TOTOのメンバーで、ナッシュビルの腕利きデヴィッド・ハンゲイトやプロデューサーのダニー・パークス、ビルが曲を書いたスティーブ・ウォリナーらが参加。スティーブ・ウォリナーはゴスペル風なM-12”River Girl”でギター・ベース・コーラス・ソングライティングを務め、ビルと共演。そうそう、元クラッキンのリック・チューダコフもロビー・デュプリー繋がりか、M-10"The Wheels Are Coming Off"のソングライティングに参加。


地味だけど、実力のあるミュージシャンらしい佳作。

2009-06-10 Kenny Rankin

markrock2009-06-10

[] Kenny Rankin  19:37

/ Bottom Line Encore Collection( Velvel 47403 / 1999 )


ケニー・ランキンが亡くなったとのこと。6月7日。かなり動揺している。何しろ昨年コットンクラブでライブを見たばかり。多少、年齢から来る衰えは感じたものの、唯一無二のスキャットを、最前列かぶりつきで拝見。体調が悪そうなそぶりはマッタク見えなかったのだ。肺癌…信じられない。結局通算個人的には3回ライブに足を運んだ事になる。こんなに通った海外ミュージシャンは他にはいない。それ位、ライブにこそ真価を発揮する、アウラを持った人物だった。ギタリストとしても、歌い手としても。


そう考えると、1990年のボトムラインでのライブ盤『The Bottom Line Encole Collection』は最強の仕上がり。2002年に青山ブルーノートでスティーヴン・ビショップとのジョイントを見たのだが、声のノリも、テクニカルなガットギターの音色も、このライブ盤と寸分違わぬ音で聴こえた時の衝撃と言ったら。まさに本物を見た思いで、とにかく脳天を打ちぬかれた。


オリジナルアルバムのグルービーかつジャジーな演奏もマコトにもって素晴らしく、ボーカリストとして勝負できる魅力的な声を持っているにも関わらず、ボサノバやサンバに影響された弾き語りの腕を持ってしまったその偶然!?必然!? 彼がジャズ・ミュージシャンと言うより、ガット・ギターを抱えていたおかげでシンガー・ソングライターと言う範疇で語られたことが、果たして不幸だったのか、ハタマタ幸福だったのか。色々思うところはあるけれど。


そして、忘れられない出来事。以前にも書いたけど、2006年のライブ。一緒に見に行ったNatural Recordsの宮武弘くんがKennyにサインを求められる、というマジカルなハプニングが!!Natural Recordsの新作を手渡したところ「サイン書いてよ」って。音楽がもたらす出会いを思って涙したのでした。


今日は静かに、ケニーを流します。


■過去レビュー

・Kenny Rankin / Silver Morning (Rankin Music Productions / 1975 ) 

http://d.hatena.ne.jp/markrock/20060804

・Kenny Rankin / A Christmas Album ( Rankin Music / 1999 )

<2006年の来日公演のレビュー含む>

http://d.hatena.ne.jp/markrock/20061123

・Kenny Rankin / Mind Dusters ( Mercury / 1968 )

<2008年の来日公演のレビュー含む>

http://d.hatena.ne.jp/markrock/20080303

・Kenny Rankin / Baby Goodbye / Soft Guitar ( Columbia JZSP 76054 / 76055 / 1963 )

Kenny & Yvonne / Come On And Be My Love / Don’t Go To Strangers ( Columbia JZSP113574 / 113588 / about 1964 )

<ケニーの60年代のシングルについて>

http://d.hatena.ne.jp/markrock/20081223

f:id:markrock:20060527023703j:image

2009-04-11 Various Artists

markrock2009-04-11

[] Various Artists 05:31

/ Fly Away THE SONGS OF DAVID FOSTER ( CSCD-0209 / 2009 )


かなり更新を休んでしまったけれど。デヴィッド・フォスターのトリビュート集。本人および関連人脈総参加ってのもあり、質は高い。北欧メイドと言うのが、彼の地での着実なアダルト・コンテンポラリー人気を物語る。日本と同じで売れる土壌があるのだろう。まあそういう意味では冒険の無い作ではあるのだが、人選の上手さと、大分落ち着かれてしまってファンキー・フォスターを耳に出来なくなった昨今には美味しい企画。


EW&FのM-2”In The Stone”は黒っぽくBill Champlinが。ライブだと流石に歳のせいか落ちてきたかなと思わせられる喉も快調で嬉しかった。さらに新作のリリースも近いBill Labountyが歌うM-2”No Explanation”はとうとう作者版が聴けたと感慨深く。カントリー畑の活動が増えているだけにアクースティックなアレンジで。ピーター・セテラの最近のライブでもこんなアレンジだった気が。James Taylorのバッキング・ボーカルを務めるArnold McCullerはボズのM-4”Jojo”を。ギターはPaul Jackson Jr.。驚いたのはFrank AdahlのM-5”Colour Of My Love”の表現力。線が細いようでいて太い、コレは逸材。Airplayの本家Jay Graydonがギター参加しているM-11”Nothin’ You Can Do About It ”でも歌っている。Jeff Pescettoが歌うM-6”Heart To Heart”では当時の音作りを再現。ケニー・ロギンスとはまた違った味。日本への来日も数多いRobbie DupreeのM-7”Fly Away”というのも絶妙。Peter Allen版も久々に聴きたくなる。『Bi-Coastal』は音のいいレコードだ。M-12”Whatever We Imagine”ではBill Cantosが。この人の1stは良く聴いた。それと共にM-12のオリジナル、James Ingramも良く聴いた。しかしこれはふくよかなJamesに軍配か。Chicago『18』のアウトテイクでソングライティングに加わったRobert LammがソロでレコーディングしているM-13”When Will The World Be Like Lovers”は意外に良い曲。コレが外されたんだから、当時のChicagoは勢いがあった。ラストM-14”Live Each Day”は亡きWarren Wiebeの未発表音源。美しい歌声に酔うが、ブックレットに見るプロレスラー並の余りのゴツイ顔に、正直驚く。

2008-12-11 David Foster

markrock2008-12-11

[] You’re The Inspiration The Music of David Foster & Friends ( Reprise / 2008 ) 02:41


何ともゴージャスな一枚。“ヒットマン”である彼のキャリアを総括する内容のコンサート中継盤。来年ボートラ1曲付きの国内盤が出るようだが、待ち切れずCD+DVDの輸入盤を購入。ちなみにリージョンフリー。デヴィッド・フォスターと言うと、過剰なアレンジでフォスター色に染め上げるってなイメージがあるけれど。マアそれと言うのも、筋金入りのシカゴファンを1982年の『16』で複雑な気分にさせた所から来ているのか。あとは、80年代に入って70年代に持ち合わせていたファンキーさを失い、王道のポピュラーバラード路線を突っ走った所が、商業主義を敵とみなすロックファンから忌み嫌われた感もある。


しかし個人的には否応ナシに好き。黒も白も、上品で滑らかに、適度にソウルフルに、歌い上げられる壮大かつゴージャスな歌世界に、全くもってうっとりさせられる。


フォスターの紹介で次々にゲストが登場。冒頭はフォスターがケニーGをゲストに迎えて”St.Elmo’s Love Theme”を。さらに、マイケル・ブーブレと同じくらいの歌唱力があるのでは?と思わせられたのだが、フォスター自身がジャズアレンジで歌う”Can’t Help Falling in Love”も良かった。ブライアン・マックナイトはアル・ジャロウの”Mornin’”と”After The Love Has Gone”を聴かせてくれるが、まあとにかく上手過ぎ。参りました。”After The Love Has Gone”は作者に名を連ねているビル・チャンプリン(最近新作も出た)でも出てくれれば、と思わなくもなかったが、後にピーター・セテラが登場することを思うと出てくる訳も無いか。(とは言えビルの新作にはセテラがボーカルで参加していた)シェリル・リンはすっかり亀渕友香のようになっていたけれども(失礼!)、変わらぬ歌声で”Got To Be Real”を熱唱。この頃まではデヴィッド・ペイチにも覇気があった。


最近フォスターが手がけたブレイク・シェルトンが歌う”Skylark”も心に残った。フォスターがカナダのバンド、スカイラークで飛ばした初ヒットだ。ブレイクの唄はカントリー歌手ならではのもので、亜米利加の歌心がじんわりと沁みる。ボズ・スキャッグスは映画『Urban Cowboy』の映像とともに”Love Look What You’ve Done ”を。ダンディなベテランも流石に頭はお寒くなったものの、甘くて鼻にかかった歌声は変わらぬもの。”JoJo”もかなり熱い、しかし観客のノリが悪すぎ。日本人にはウケる筈なんだが…


一際大きな拍手で登場するのがピーター・セテラ。この人の金髪碧眼にキラキラした笑顔、がっちりした体格を見るにつけ、典型的なアメリカ人に好まれるタイプだと思う。”Hard To Say I’m Sorry””You’re The Inspiration””Glory of Love”をメドレーで。最高の楽曲なだけに、メドレーではちょっと物足りない気もする。全盛期よりはハイトーンが続かなくなっているのと、一部録り直して映像と重ねているのでは?と気になる箇所もあるにはあるのだが、マア許容。


エリック・ベネイは”Chocolate Legs”、ベイビーフェイスは兄と”I Swear”を。マイケル・ブーブレも登場。アンドレア・ボッチェリやらセリーヌ・ディオン、ジョシュ・グローバンの歌唱力はコレまた別格。ジョシュの”You Raise Me Up”はとりわけ感動的。


とにかく文句のつけようがない楽曲群で、楽しめる作品。一年で一番保守的な気分になる正月にまた観るとしよう。フォスターもこの勢いでまだまだプロデュース作を世に残してほしい。

2008-06-07 Elliot Lurie

markrock2008-06-07

[] Elliot Lurie 17:59

/ Same ( Epic KE33337 / 1975 )


“Brandy”のヒットでお馴染みのルッキング・グラス。”Brandy”はボブ・ディランも好きな曲に挙げていました。そのルッキング・グラスのリーダーだったエリオット・ルーリー唯一のソロ作。エピック1975年のリリースで、なぜCD化されないのかは知らないが、時代の先を行ったかなり完成度の高い作。なぜならバッキングの豪華さ。後のTOTOサウンドを作り上げるデビッド・ペイチ、デヴィッド・ハンゲイトさらにギターはラリー・カールトン(ルカサーでないところが、品良く古臭くならない原因か)、ドラムスはエド・グリーンが主要なリズム隊。曲によってはスティーヴ・ガッドが叩いていたり。アレンジにはマイケル・オマーティアン。プロデュースはデヴィッド・カーシェンバウム。


冒頭のA-1”Disco”はAORなディスコ・サウンド。アーニー・ワッツのテナー・サックスとウォーターズのコーラスもいい感じ。切ないM-2”I Think I’m Fallin’”は本作でもベストトラック。ルーリーのソングライターとしての実力を見せ付ける。ウォーターズ+キム・カーンズがコーラスで盛りたてる。スロウなA-4”Rainbow Girl”はクルセイダーズのカールトン、ウィルトン・フェルダー、ジョー・サンプルが揃ったトラック。A-5”Just Another Music Man”は盛り上げ方が”Brandy”を髣髴とさせる。


B面ではジャッキー・デシャノンのカバーも2曲取り上げている(B-1”My Baby is A Lady”(ヒットしたデシャノン盤では”Your Baby Is A Lady”)、B-3”Rock and Roll Lady”)。ありきたりなバラードと思えど、B-3”I Don’t Wanna Lose You(For My Life)”も沁みた。とは言えA面ほどの出来ではない。


本作の主役ルーリーだが、近年では映画のサントラを多く手がけている。

2008-03-03 Kenny Rankin

markrock2008-03-03

[] Kenny Rankin 23:32

/ Mind Dusters ( 1968 )


最近どうも余裕がなく。ケニー・ランキンのライブに行ったのも先週の日曜か…


個人的にはブルーノートで1回、昨年コットン・クラブで観ているから今回で3回目となる生ケニー。今回はウッドベースもナシの弾き語り。今年で68歳を迎えるとは思えぬ歌声に酔いしれた。


殆んどマイクの気配を感じないナチュラルなセッティングで愛用のクラシック・ギター、ピアノを持ち替え、歌う。1曲目は1st『Mind Dusters』より、”Mr.Tambourine Man”を披露したので一寸ビックリ。彼はディランの『Bringing It All Back Home』にギターで参加しているのだが、だからと言うより、初期作品を含む7作が紙ジャケでリマスターされたことに合わせた選曲だろう。他に珍しいところでは『Silver Morning』のタイトル曲をピアノ弾き語りで聴かせたり。その他は”Blackbird”、”In The Name Of Love”、”Peaceful”、”Penny Lane””Why Do Fools Fall In Love”、”Birembau”、”Heven’t We Met”といったベスト選曲。 『A Song For You』に収録されているセロニアス・モンクの”Round Midnight”なんかも良かったし。なんと言ってもアンコール後のラスト、アカペラ・マイクなしでの”Because of You”には痺れた。


ケニーの作品を1作目から聴いていくと、声にしても、楽曲の解釈にしても研ぎ澄まされていく様子がわかる。彼自身もそうした進化に自覚的なのか、再演モノも多い。『Silver Morning』がそのキャリアの頂点と言う人も多いのだけれど、個人的には1991年発売のボトムラインでのライブ盤だと思う。一聴すれば判るハズ。

f:id:markrock:20080303233618j:image



とは言え、この1作目『Mind Dusters』だって十分個性的だし魅力的。”Mr.Tambourine Man”をこんな形で解釈してた同時代人はいない。自作の”Peaceful”だって奇跡の名曲だし。


ところで、その”Peaceful”をヒットチャートに載せているのはジョージイ・フェイム。彼、ベン・シドランと共に、ケニーと同じハコに来日するそうなのだが、行くべきかどうか。