いしうらまさゆき の『愛すべき音楽よ』(ブログ〜CD&レコードレビュー)

2017-09-13 The Jimmy Wisner Sound featuring Love Theme from “Romeo and Jul

markrock2017-09-13

[] The Jimmy Wisner Sound featuring Love Theme from “Romeo and Juliet”(Columbia CS9837 / 1969) 00:56


しばらくブログもご無沙汰でした。一度遠のくとダメですね。レコへの情熱は消えない日々なんですが(笑)。この夏後半はレコ整理作業に格闘しまして。100円ショップ木材を買ってきてラックを作ったり、恒例だけれどイマイチ効果が目に見えない処分も多少は。壁一面360度収納からはみ出た60箱以上のレコをいかに収納するか、という不可避の作業に直面し、マコトに救いがたいヴァイナル・ジャンキーになってしまったことを痛感した次第です。



でもジャンキーといえば、めくるめくネットの記事、とりわけSNSやそこからリンクされるニュースサイトを誘われるがままに読んでいると、本当にアタマがクラクラしてくる。でも気が付くと1時間ぐらい経っていたりして、完全に時間泥棒。クラクラする理由の1つは情報過多だということ。そしてもう1つは情報過多なように見えて、実はごく限られたツマラヌ情報しか掴まされていないということ。我々は欲望を刺激され、情報を追いかけまわし、カネを落とすジャンキーにさせられているのかも。ネットニュースはほぼ釣り記事ばかりだし。これこそが東浩紀が2001年に予見した“動物化するポストモダン”なんでしょうか。「動物化」とは「欠乏―満足」という欲求欲望は欠乏が満たされても消えません)の回路――「冷静な判断力に基づく知的な鑑賞者(意識的な人間)とも、フェティッシュに耽溺する性的な主体(無意識的な人間)とも異なり、もっと単純かつ即物的に、薬物依存者の行動原理に近い」…と、かの本にはありました。



音楽に関する情報も、ネットを彷徨っているばかりではココのところ不発。新譜もつまらないアマゾンのレビューなんぞを読んでいるだけで逆に聴く気が失せてしまったり。さらには、こんなことを言ったら怒られるけれど、雑誌の記事も一様につまらなくなってきたのはなぜだろう。最近のギターマガジンなんかは何気に頑張っていたりもするけれど。かつてのネット不在の時代にあっては、情報の希少性が雑誌の価値を支えていたから?でもそんな時、昔の音楽雑誌や本を読むと、良い書き手の熱のある文章に出会えるんですよね。あるいはネット創生期の個人ホームページ遺跡みたいなやつを見つけて読むと、ファンジンの熱さがあったりして。つまりネット上の雑多な記事というのは、YouTubeで素人の下手くそなカバーを聞かされているようなものなのだと思う。表現が万人に平等に開かれた分、全体的なクオリティは上がっているようで、平均すると下がっているということかもしれない。

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そんなことをゴチャゴチャ考えていると、ますますブログからは遠のいていくという(笑)。さて、今日のBGMは名アレンジャー、ジミー・ワイズナーの「The Jimmy Wisner Sound」名義での1969年のソフトロック作。この時点でのアレンジャーとしてのミリオンセラーはレン・バリーの”1-2-3”、トミー・ジェイムス&ザ・ションデルスの”I Think We’re Alone Now”にカウシルズの”The Rain,the Park and Other Things”。ソフトロックだとアンダース&ポンシアのトレイドウィンズやイノセンス、そしてスパンキー&アワ・ギャングなんかも手がけていた。こういうイージー・リスニング風味の盤はインストが多いけれど、こちらは時代を反映してボーカル入りの楽曲もある。特にジミー・ウェッブの”Didn’t We”がリチャード・ハリスのヴァージョンを下敷きにした素晴らしい仕上がり。本分のジャズのテイストも含ませつつ、ゴージャスなサウンドメイキングで。フォーラッズの"No, Not Much"のソフトロック版もとろけるような仕上がりで。S&Gの”Mrs.Robinson”は楽曲のR&Bっぽさを取り出した激ヒップなアレンジで料理されており、なんだか小西康陽モノみたいに聴こえる。S&Gといえば同じコロンビアのリリースで、S&Gのプロデューサーだったロイ・ハリー(ロイ・ヘイリー)がエンジニアの一人を務めている。2eyes 360 SOUNDのオリジナル盤だけど、コレはむしろセカンド・プレス以降は存在しないんじゃないかな(売れていないはずだから)。これがミレニウムBeginだったらいいのにな、と思ったりもするけれど。

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2013-08-03 Kurt Edelhagen

markrock2013-08-03

[] Kurt Edelhagen 21:11

/ Plays Jim Webb ( Polydor / 1970 )

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ポール・マッカートニー来日!「アウト・ゼアー・ジャパン・ツアー」ということで、11月15日(金)の福岡ヤフオク!ドーム公演を皮切りに11月18日(月)・19日(火)・21日(木)に平日3日間で東京ドーム公演が。チケットの方もドーム最高では?という額につり上げてきた。万を軽く超えてきたストーンズの時にまずはびっくりしたけれど、そのあと前回2002年のポールもS席14000円でしたっけ?で今回はさらに高いS席16500円と…天下のビートルズだぞ、って足元を見られているような気もするけれど…今回も行かないわけにはいかないでしょう!昨年のロンドンオリンピックの閉会式だとか、エリザベス女王在位60周年記念式典ライブでのトリ(そこでは”Magical Mystery Tour”、”All My Loving”、”Live And Let Die”、” Ob-La-Di, Ob-La-Da”を演奏)などを見た限りでは、かなり老いた姿ではあるけれど、ビートルズ・ナンバーをこれでもか、と惜しげもなく披露するサーヴィス精神に感服した。世界遺産級のステージになることでしょう!

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さらに来日と言えば、二人になってしまった、生けるザ・バンドのうち、ガース・ハドソンのライブ。昨日、客席に来ていた佐野元春氏が飛び入りでステージに呼ばれ、”I Shall Be Released”を歌ったという…なんて感動的な。。コレは正直観たかった!ジョン・サイモンが手がけた佐野元春and The Hobo King Bandの『THE BARN』はいまだに良く聴くウッドストック産の名盤だ。


そして、クインシー・ジョーンズ。これも80歳だというクインシーがとても元気で素晴らしかったらしい。これも含めことごとく観に行けてませんがね…ジェイムスイングラムなんて、あのWe Are The Worldの時は大トリを務めていた新進気鋭のシンガーだったわけだけれど、いまじゃ懐メロ・シンガーになっているのかな…。そのジェイムスパティ・オースティン、サイーダ・ギャレットだなんて、実はカナリよく聴いていたので観てみたかった。ただ日本人アーティストによるトリビュート・パートはさほど興味は湧かなかったな。


そんなことで最近入手したクインシー関係は何かないかな、と思っていたら、あった。『Kurt Edelhagen / Plays Jim Webb』という盤。これはドイツのビッグ・バンドを率いたクルト・エデルハーゲンが当時一世を風靡していたジム・ウェッブを全編取り上げたインストゥルメンタルの1枚。クインシー・ジョーンズ編曲を担当している。


1920年ドイツ・ヘルネで生まれたクルト・エデルハーゲンは戦前から活動を行っていた演奏家。戦後は日本もそうだったけれど、敵国だったアメリカニズムの象徴・ジャズが流入していくわけで、クルトもジャズコンボを組織する。そこでドラムスを担当していたのが、ポリドールプロデューサーとしてコニー・フランシスブレンダ・リードイツ盤を手がけたボビー・シュミット、後に本作のプロデューサーとなる。さらに、ジャズ・ファンにはお馴染みのアレンジャー、クラウス・オガーマンだが、彼も1950年代にクルトのバンドに籍を置いていた一人で、クルトにジミー・ウェッブを紹介した張本人であるようだ。


1993年『Suspending Disbelief』や1996年の『Ten Easy Pieces』がリアルタイム、という私のような世代には、シンガー・ソングライター時代から名乗るようになった「ジミー・ウェブ(ウェッブ)」の表記がお馴染みだが、60年代フィフス・ディメンションやグレン・キャンベルの一連のヒット曲に親しみがある世代には「ジム・ウェッブ」という60年代的表記の方がしっくりくるだろう。バッファロー・スプリングフィールド『Again』のスペシャルサンクス欄になぞらえた、はっぴいえんど(通称ゆでめん)のサンクス欄にも「Jim Webb」とあったように記憶している。細野さんの趣味だろう(後年ジミー・ウェッブの来日公演の会場で松本隆氏をお見かけした!)。


さて、この盤、凡百のイージー・リスニング作品と思われるかもしれないが、そこはクインシー、只者ではなく、非常にソフト・ロック的なダイナミズムで料理しているのが面白い。歌が入ればマイク・カーブ・コングリゲーションやステージ101になりそうな。聴きたい曲はたいてい入っている。”Up. Up And Away”、”By The Time I Get To Phoenix”、”Didn’t We”、”Galveston”、”Where’s The Playground, Susie”、”MacArthur Park”、”Wichita Lineman”、”Honey Come Back”…テルマ・ヒューストンの名盤のタイトル曲”Sunshower”は冒頭バカラック風のアレンジを取り入れたりもしていた。中ではジョニー・マシスらがレコーディングした”Evie”が余り聞かない曲だ。


ちなみに今年8月にはグレン・キャンベルの新作『See You There』の発売が予定されている。グレンはアルツハイマー発症をカミングアウトし、前作『Ghost On The Canvas』のリリースをもって最後、と謳われていたが、その時のセッション音源が残されていたようで。ジミー・ウェッブの楽曲では”By The Time I Get To Phoenix”、”Galveston”、”Wichita Lineman”のセルフカバーに加え、ジョン・デンヴァーがレコーディングしていた”Postcard From Paris”が収録されている模様。


そしてジミー・ウェッブはといえば、9月にeOne Musicから新作『Still Within the Sound of My Voice』のリリースが予定されている。リリースインフォを信じれば、アート・ガーファンクルカーリー・サイモン、ジョー・コッカー、クロスビー&ナッシュ、近年”P.F.Sloan”をカバーしたパキスタン出身の新鋭女性歌手ルーマー、クリス・クリストオファスン、キース・アーバンエイミー・グラント、ライル・ラヴェット、エルヴィス・プレスリーのコーラスで有名なジョーダネイヤーズ、マーク・コーン、アメリカ、そしてそしてブライアン・ウィルソン!が参加しているとのこと。関係者ばかりとはいえ、凄すぎます…

2012-11-29 Roger Nichols and The Small Circle Of Friends

markrock2012-11-29

[] Roger Nichols and The Small Circle Of Friends 00:09

/ My heart Is Home ( Victor / 2012 )


まさかの2007年のセカンド『Full Circle』(レビューはこちら→http://d.hatena.ne.jp/markrock/20071222)や小西康陽のピチカート・ワン名義の『11のとても悲しい歌』に収録された”Suiside is Painless”に続き、ロジャニコの新譜?!本当ですか??っていう半信半疑のままリリース日を迎えて。早速入手しました。ユニオンだとカンバッジが付いてきた。いつも思うけどカンバッジは絶対に使いません…


ジャケットを見てみると、実に淡くてソフトロック感が出ている。セカンドとは対照的によく見るとメンバーの老いは相当のものなわけだが…そうだよね、A&Mからリリースされて、80年代後半に日本再発されたファーストは1968年発売だったわけだから。まだ現役でいてくれるだけでも感謝しなければならないでしょう。


ライナーを読むと、濱田高志さんというライターさんの並々ならぬ尽力で作品の完成にこぎ着けたことが良くわかる。ただ、中身はというと、私はもちろんロジャー・ニコルズ・トリオの駄作シングルすら愛すロジャー・ニコルズ・ファンですから、とても気に入ったけれど、ファースト1968年作のみをバイブルと考えるファンには魅力的とは言えないかもしれない。1995年のロジャー・ニコルズ・アンド・ア・サークル・オブ・フレンズ名義の『Be Gentle With My Heart』が出たときにもそう思った人はいると思うけれど。「そうなっちゃいましたか、そりゃそうだよね、30年近く経ってるんだからね…」みたいな。リスナーの耳は60年代で止まっているけれど、機材やレコーディング技術は進化して、声だってもちろん変化しているわけだし。端的に言うと一番違和感があるのは、キーボード主体のチープな打ち込みの音作りってとこなのだ。正直1995年作と今作、音作りの点ではそれほどの進化を感じない。予算上の問題もあるだろうけど、生楽器でやったらそれこそマジカルな何かが絶対生まれると思うのだが…それに加えて、演奏の再現性の方は申し分なかったブライアン・ウィルソン『Smile』ですら失われている何か、ってあったじゃないですか。そんな所はどうしてもある。”Talk It Over In The Morning”のロジャニコ・ヴァージョンはじめ、リメイク主体でファンが聴きたかった理想を現実化してくれた2作目『Full Circle』と比べると、新作主体の今作は売り上げでは勝てないかもしれないな。


でもでも、ロジャー・ニコルズという作曲家の瑞々しさが失われていないことが良くわかったのは断然今作。前評判ではジャズあり、レゲエあり、だの、どんなものかと心配したけれど、スタイルは変われど胸を打つ鉄板のロジャニコ・メロディーじゃないですか。ミュージシャンだって過去に拘りを持たれるよりは今の姿を見て貰いたいと思うわけだから、リスナーが古い楽曲を求め続けていてはミュージシャンが成長できないということ。ただ38分50秒一本聴きをしたところ、メロディにウルっと来たのは1995年作にも入っていた”Chiristmas Is Favorite Time Of Year”とあの定番”We’ve Only Just Begun”だったという…いやはやロジャー先生すみません。正直な意見ですが。ポール・ウィリアムスとの久々の共作曲だとか、ロジャーのUCLA在籍時の古い楽曲だとか、細かい楽曲解説は濱田さんがライナーに書いている通りなので、興味のある方は本作を手にされてみてはいかがだろう。


最後に。一番長らく読ませてもらっている大好きな雑誌レコード・コレクターズ誌で8月末にリリースされた『ロジャー・ニコルズ&ポール・ウィリアムス・ソングブック』のレビューを読んだのだけれど、「そもそも僕は、ロジャー・ニコルズとポール・ウィリアムスはソングライターのコンビとしてそんなに優秀なのか?という疑問をずっと抱いている」とだけ書きなぐっている人がいて、久々に怒りを覚えてしまった。もしかすると、渋谷系にもてはやされたロジャニコを嫌悪しているライターさんなのかもしれないけれど。だいいちなぜそんな人に愛すべきニコルズ/ウィリアムス評を書かせるんだよ、という所と、理由なくただ「嫌い」としか読み手に伝えられない文章を書くのか、という所が気になった。ここまで来ると批評でも何でもなくただの好き嫌い、でしょう。的確な批評が出来なくなってしまった音楽誌の終焉を図らずも感じ取った次第。せめて好き嫌いだったとしても、「好き」が伝わる文章が読みたいもの。


(追伸)二度目に聴いたら(これがまた不思議なのだが)、音作りに感じた違和感はなくなっていて、メロディの美しさだけが耳を離れませんでした…美しい。。4作目はジャズ・コーラスもの、だとすれば、たぶんファーストの敬虔なファンも必ずやピンと来るんじゃないかな!4作目を今から首を長くして待っています。

2012-07-20 Adrian Baker

markrock2012-07-20

[] Adrian Baker 11:28

/ Into A Dream ( MAGNET RECORDS / 1975 )


いよいよ夏到来、かなと思いきや雨が降ったり涼しかったり、なんだかな、と思うけれど。最近ブログもご無沙汰してしまった。というのも6、7月は2枚目のアルバム制作に完全に没頭していた。前作は元ピピ&コット金谷あつしさんのプロデュースで作ったミニアルバム。今度は前作で4曲のミックスをお願いした馬下義伸氏にプロデュースをお願いした。10年来のお付き合い、なだけに言わずとも通じ合うといった制作過程。全16曲の録音が終わり、今はミックスの真っ最中。タイトルは『愛すべき音楽よ』になる予定。


そうそう、最近日本版が出た本『さよならアメリカ、さよならニッポン』(マイケル・ボーダッシュ著)は面白かった。“日本近代文学専攻のシカゴ大准教授による戦後日本ポピュラー音楽史研究”なんて帯の文章があるけれど、ポピュラー音楽研究のカナリ真面目な一冊だった。とはいえ、著者を通じた体験的な書でもあるので、読みながら共感できる音楽ファンも多いはず。著者が戦後から1991年までを扱ったというのも理解できる。アメリカとの関係性で1991年以前のポピュラー音楽を語ることはできても、以後はできなくなる、というのはとても良く理解できる。冷戦の終結やバブル崩壊とともに、アメリカと日本という文化的な深い関係性が崩壊し、アジアの中の日本がクローズアップされてきたというのもうなずける。現在における、日本でのアメリカの地位低下なんてのも重なるのかな。


今日は朝からエイドリアン・ベイカーのファースト『Into A Dream』を聴いている。ペブルスでの活動でも知られるイギリス生まれの無類のビーチ・ボーイズ・フリークで、最終的にはマイク・ラブ&ブルース・ジョンストンのビーチ・ボーイズのメンバーになってしまった人物。ビーチ・ボーイズのカバー・バンド、ギディア・パークでも知られている(コレも名盤!)し、パパ・ドゥ・ロン・ロンも有名かな。個人的には8月16日の来日公演に向けて浜っ子熱を高めている所で。


冒頭の”Vibrations”を聴くと、フュージョンっぽいギターソロも含めて、一人マンハッタン・トランスファーみたいな印象。もちろん多重コーラスはフォー・フレッシュメン〜ビーチ・ボーイズ直系の緻密なもの。1975年という時代を感じさせるシャキッとしたリズム感もあって。ビートルズの”I Fell Fine”のファンキーなカバーも最高!とろけるような“I’ll Surrender”はフィリー・ソウルのような甘さもあって、このホワイト・ソウルっぷりはAORファンにだって訴える内容。この音を出せる白人歌手というとフランキー・ヴァリを思い出すけれど、もちろんそのフォー・シーズンズの”Sherry”も演っている。そう言えばフォー・シーズンズのメンバーにも迎え入れられたことがある。憧れの2つのグループとの共演を果たせたなんて夢のようなハナシだけれど、それもこの天賦のファルセット・ボイスによるもの。

2012-04-25 Marmalade

markrock2012-04-25

[] Marmalade 01:12

/ The Only Light On My Horizon Now ( Target / 1977 )


ビートルズの”オブ・ラ・ディ・オブ・ラ・ダ”のカバーで知られるスコットランドのポップバンド、マーマレードの1977年作。ディーン・フォードもジュニア・キャンベルも、ヒュー・ニコルソンも抜けたマーマレード。今もバンドを引っ張っているサンディ・ニューマン期。でもしぶといというか、トニー・マコウレイ&ロジャー・グリーナウェイのレーベル、ターゲットからむちゃくちゃポップなアルバムを作っていた。


トニー・マコウレイの楽曲はどれも甲乙付けがたいメロディアスな出来。キャッチーさえ言えば冒頭の”The Only Light On My Horizon Now””You Steal The Limelight”から飛ばしてくれていて。あとは”Walking On A Tightrope”って曲がフィリー・ソウルをポップ化したような良い曲で印象深かった。W.A.ニューマンの楽曲も多いけれどそれも全く見劣りしない。

シングルB面などのボーナス9曲も優れていて、飽きさせない。ホリーズなんかと共通する。

2012-02-18 The Arbors

markrock2012-02-18

[]  The Arbors 21:00

/ A Symphony For Susan ( Date TES 4003 / 1967 )


最近手に入れたレコードの中では気に入っている1枚。たまたまハイファイ・レコード・ストアの新入荷リストにも入っていたので、未聴の人は視聴してみてはどうだろう。


ジャケットの雰囲気だと垢抜けないジャズ・コーラスものを想像するけれど、時代のせいかなぜかソフト・ロックな作り。レターメン・タイプと言えばソッチ。もっとコシはあるかな。流麗なオーケストレーションも入ったハーモニーは美しいとしか言いようがない。”When I Fall In Love”みたいな有名曲も高揚を感じつつ聴ける。


最近由紀さおり盤で久々に聴いたけど、セルメンの当たり曲である”Mas Que Nada”は英語詞でグルーヴィーな仕上がり。B-5”So Nice”(Summer Samba)もゴキゲンなり。B面1曲目の”Dreamer Girl”はとろける出来で白眉かな。


さて、アーバーズという4人組、裏ジャケの英文ノートを読んでみると元々ミシガン大学の8声コーラスグループから派生したとのこと。メガネの二人は双子なんですね。そう言えば似ている。エド・サリヴァンやダイナ・ショア、ヴィレッジ・ストンパーズ(ワシントン広場ですね)らとも仕事をして、ビター・エンドやヴィレッジ・ゲートと言ったマンハッタンの有名ナイトクラブにも出演…なかなか出世しそうな人達だったんだろうが、全く今は名前を聞かない。タイトル曲は小ヒット(全米51位)したみたい。YouTubeでも聴けるし。Wikiを見ると、ボックス・トップスの”The Letter”を2年先駆けてリリースしていたなんて情報も。コレは1968年のセカンドも入手せねばだな。どこかで出会えれば。

2010-10-29 The Gunter Kallmann Chorus

markrock2010-10-29

[] The Gunter Kallmann Chorus 22:48

/ Once In Each Life ( Polydor / 1969 )


300円ながら、なかなかやるな、と思ってしまった。ドイツのガンター・カルマン・コーラスというのかな。この時代、多く見られた男女の混声コーラス・グループ。レイ・チャールズ・シンガーズとか、レイ・コニフ・シンガーズとか、日本だとうーん、なんだろ。立ち位置的にはムード・コーラス的なものになるんでしょうけれど、音楽的にはシング・アウトですかね。ま、いずれにせよこのジャンル、結構好きで良く聴いている。なにせ曲が良いんだから。


で、このガンター・カルマン・コーラス、割とソフトなタイプのコーラスものが多い中、そこそこ力強いのが好み。ソフト・ロック・ファンはドツボだろう。


個人的に推したいのはジミー・ウェッブものが3曲入っていること。「ジム・ウェッブ」と言った方が、時代性を掴んでるかもしれないですな。”Galveston”、”Where’s The Playground Susie”、”By The Time I Get To Phoenix”という。特に”Where’s The Playground Susie”は隠れた(隠れてもいないけど)名曲。グレン・キャンベルのシングルを発見して、聴いたときの衝撃は忘れられない。ジミー・ウェッブの来日公演でもしっとりと歌ってくれた。


“Happy Heart”は”Fly Me To the Moon”とそっくりなサビ。フィフス・ディメンションの”Aquarius”(ヘアー収録曲)も抜群の良さだった。メアリ・ホプキンの”Goodbye”(ポール・マッカートニー作)やS&Gの”Feelin’ Groovy”も堪らなく良い。


最近ソフトロックものがレコ屋で再び安くなってきている。流石にブームから10年以上は経過しているし。需要と供給の原理。元々ガラクタ扱いされていたレコが90年代に暴騰しただけなんだよな。日本では歌詞が子供向けの恥ずかしいものでも、音さえ良ければピックアップされてきたんだから。

2010-10-26 マイク・カーブ・コングリゲイション(The Mike Curb Congregation)

markrock2010-10-26

[] マイク・カーブ・コングリゲイション(The Mike Curb Congregation) 18:34

/ 出発の歌 (Song Of Depature) ( DENON / 1971 )


コレは知らなかった。時々、無性にシングル盤が欲しくなることがあって、行きつけの店で漁っていたら面白いモノが出てきた。コレ、日本のフォークものとしては定番の「出発の歌(Song Of Departure)」。出発は「たびだち」と読みます。そう、小室等率いる六文銭が、上條恒彦と組んで1971年の第2回世界歌謡祭でグランプリを獲得した、あの曲なのだ。


で、この曲と共にグランプリを獲得したアンドレ・ポップ作の”ただ愛に生きるだけ(UN JOUR L’AMOUR)”の2曲を服部克久編曲・日本語詞でマイク・カーブ・コングリゲイションにカバーさせた珍品というわけ。たどたどしい日本語が流麗なコーラスで歌われた時のトホホ感を是非味わって欲しいものだ。曲としては、ソロでは小粒な小室等にしては壮大で、ヤハリ一世一代の当たり曲だと納得させられる。”だれかが風の中で”もマカロニ・ウェスタンをイメージした楽曲だと小室自身が語っていたけれど、そういった洋物のイメージでそもそも作られた曲なのかもしれない。思いこみの激しさもあいまって、マイク・カーブにこそ歌われるべき楽曲なのだという気がしてきた。

世界歌謡祭のショー・タイムにマイク・カーブ・コングリゲションが出ていた模様↓

http://www.yamaha-mf.or.jp/history/e-history/wpsf/wpsf2.html

2010-08-04 Wind

markrock2010-08-04

[]  Wind   00:48

/  Make Believe ( LIFE Records LLP-2000 / 1969 )


銀色の鏡の目立つジャケ。裏には森の木陰で5人のメンバーらしき人物が映っているが、その割に実態が掴めないところが、この盤を放置させていたのか。このボロボロのプロモーション盤を確か200円くらいで買った記憶がある。というのも、気になるクレジットを目にしたから。


まずプロデュースがポール・ナウマンとボー・ジェントリー。ボー・ジェントリーといえば後にブッダの傘下に入るカーマ・スートラ・レコードのプロデューサーだ。トミー・ジェイムス&ザ・ションデルズを手がけていた。よくよく調べてみると、なんとドーン以前にソロ歌手としてのキャリアがあったトニー・オーランドを参加させた、ボー・ジェントリーのスタジオ・プロジェクトだったようだ。どうりで歌が上手いわけだ。


さらに、ソングライティングにはチップ・テイラーとアル・ゴーゴニ(”I’ll Hold Out My Hand”、イーヴィ・サンズがレコーディングしている)、ボー・ジェントリーとの共作者としてリッチー・コーデル(”I Think We’re Alone Now”、もっともトミー・ジェイムスのヒット曲だが)、ボビー・ブルーム(”Tennybopper”)、ジョーイ・レヴィン(オハイオ・エクスプレスで歌っていた人、”Ain’t Like It Used To Be”、ジョーン・ジェットもレコーディングしている”Make Believe”)、アンダース&ポンシア(”Only When I’m Dreamin’”)、ケニー・ラグナ(”Cheatin’”、ラグナは後にジョーン・ジェットと活動を共にする)の名がある。リッチーとボビーは1910フルーツガム・カンパニーの諸作でもおなじみだ。チップ・テイラー単独ではあの”Angel Of The Mornin’”もレコーディングされている。この曲のAメロってライチャス・ブラザーズ(バリー・マン)の”You’re My Soul & Inspiration”のCメロみたいですな。


音はというと、共作陣からもブルー・サイド・ソウル風味の王道のポップスという感じかな。ビーチ・ボーイズやフォーシーズンズを思わせるコーラスも入って、バブルガムというには風格もある70年代に引き継がれていく60年代ポップスのショウケースと言った感じで、かなりの完成度と聴き応え!


60年代後半に一世を風靡したバブルガム・ミュージックって、余りにも短い命だったものだから、オールディーズ・サーキットで生活するにも苦労した人は多かったんじゃないかな。


裏ジャケに、

”あなたは見たいモノを見ることが出来る、でも、聴きたいモノを聴くことができるだろうか?その答えは風(WIND)に吹かれている”

なーんて、このバンド名をうまく使って洒落たことを書いているけれど、本当に風に吹かれて消えてしまったものなぁ。とはいえ、Bo Gentryっていまだにしぶとく音楽をやっているみたい。MySpaceを見たらどっしりとしたカントリー・サウンドで。

http://www.myspace.com/bogentry

2010-01-02 Ray Conniff

markrock2010-01-02

[] Ray Conniff 13:21

/ You Are The Sunshine Of My Life ・Laughter In The Rain ( Columbia 1973・1975)

レイ・コニフと言えばMORの定番。その絶妙な選曲と浮遊感のあるソフトなコーラスは名人芸の域。一時期のソフトロック再評価の流れの中でもさほど注目されなかったのが不思議なくらいだ。


こちらは2in1でおいしくCD化されたもの。70年代のヒットを最高のアレンジとコーラスで披露している。こんなのが掛かってる喫茶店なら何時間でも読書できます。


ベストと感じたのはスティーヴィーとニール・セダカの両タイトル曲。しかしそれ以外も面白くって。まず1973年盤にはエリック・ワイズバーグ自身がアレンジした”Dueling Banjos”ならぬ”Dueling Voices”が。コーラスの追いかけっこ。発想が面白いよね。あとはケニー・ランキンの”Peaceful”がとびきりそれこそピースフルに響くヴァージョンが収録されていたり。1975年盤には、最近やっとCD化が決まったアラン・オデイ作の”Angie Baby”(ヘレン・レディ)とか。他にも”Mandy”(バリー・マニロウ、スコット・イングリッシュとリチャード・カーの作)、”Cats In The Cradle”(ハリー・チェイピン)、”Feel Like Makin’ Love”(ユージン・マクダニエルズ)、”Sundown”(ゴードン・ライトフット)などなど70年代のラジオチャンネルを聴いている様な感じで。

2009-06-03 Sheila Southern

markrock2009-06-03

[] Sheila Southern 22:20

/ Didn’t We The Jimmy Webb Songbook (Compose 9093-2 / Reissue1992 )


十分ソフロものとしてけるでしょう。シェイラ・サザンのジミー・ウェッブ曲集。オリジナルは『Sings Jim Webb Songbook』。1970年にイギリスのパイ・レコード傘下のMarble Archレーベルからリリースされている。シェイラはそれ以前にもデヴィッド・ゲイツ&バカラック曲集をリリースしている。イギリス自前の歌手でウェッブ曲集を作れば丸儲け、という安易な発想でから生まれた盤の宿命か、90年代に入ってカナリ胡散臭い廉価盤の体でCD化されているせいで、ソフトロックのブームにおいてもその真価が余り語られて来なかったのがつくづく惜しい。


今改めて聴いてみると、オリジナルを凌駕するとは思わないけれど、豪華なオーケストレイションでイキのいい60年代のウェッブの楽曲群を、均一な音で一望出来るのが、実においしい。冒頭”Up, Up And Away”、”Carpet Man”と言ったアップな楽曲がとりわけ魅力的。テルマ・ヒューストンが取り上げた”Someone is Standing Outside”や”Everybody Gets To Go To The Moon”もなかなか。もちろん”By The Time I Get To Phoenix”、”Wichita Lineman”、”Galveston”、”Honey Come Back”といったグレン・キャンベルもの、”The Worst That Could Happen”、”Didn’t We”と言ったヒットも網羅。シェイラのボーカルも、そこそこのパンチもあり、悪くない。"The Magic Garden"は流石にフィフスのヴァージョンに劣るけど。

↓オリジナル

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2009-01-11 The Trout

markrock2009-01-11

[] The Trout 13:53

/ Same ( MGM SE-4592 / 1968 )


数年前まで高かったレコードも最近安くなってきた。特にソフトロックとかAORとか。まあそもそも、90年代にブームになる前はカス扱いされてた盤なわけだから。


ということでこの盤も500円くらいだったので買ってみる。1968年のThe Trout の唯一盤。70年代にウェス・ファレルと共に”I Think I Love You”をはじめパートリッジ・ファミリーで大当てするトニー・ロメオが率いたグループだ。トニーはファミリー・グループの先駆だったカウシルズや、ルー・クリスティらにも曲を書いている。


この盤、実に健康的なソフトロックサウンドが堪らない。フォークっぽい曲も混ざっているのだが、下世話なポップ寄りに聴こえるところがトニーの身上。楽曲の完成度は高い。A-1”The Beginning”のオートバイの発車音からスタート。オススメはA-3”Crazy Billy”。3声のコーラスが実にキレイで心弾むポップサウンド!ちなみにメンバーは紅一点のカサンドラ・モーガンとトニー・ロメオ、フランク・ロメオ兄弟。まさに祭りを思わせる目まぐるしい展開を見せるA-4”Carnival Girl”も最高。フォーク的展開のA-5”November Song”も美しい。ちょっとするとジャズ・ワルツ的にも聴こえるA-7”Hushabye Wee Bobby”も良い。フランクとカサンドラをリードに据えたB-1”Yeah-Yeah-Yeah”はB面早々、壮大な名曲。アウトロのコーラスもなんだかいい。B-2”Worse Day I’ve Been To”はカサンドラのリードで歌われるが、曲名に反してウキウキ気分にさせられる。ジミー・ワイズナーがアレンジしたM-3”You Can’t Hang On”は、ソウルっぽい高揚感があり、フォーシーズンズとかああ言った感触も。コーラスなんかもうとろけそう。B-4”Understanding Who I Am”は「パパパ〜」の教会コーラスもの、B-5”Sunrise Highway”も高揚感のあるコーラスもの。ラストB-6”The End”はオートバイの追突音というオチも付きまして。


ジミー・ウェッブがプロデュースしたフィフス・ディメンションの名盤『Magic Garden』までとは言わないけれど、久々に近い感動を得ることができた。

2007-12-22 Roger Nichols & the Small Circle of Friends

markrock2007-12-22

[] Roger Nichols & the Small Circle of Friends 01:44

/ Full Circle ( 2007 )


ロジャニコ!バカラック来日なんてどうでもよくなる(失礼!)ほど嬉しい新作。メリンダ・マクレオド、マレイ・マクレオドとのトリオ「スモール・サークル・オズ・フレンズ」としては、A&Mにおける名盤から数えて40年ぶりというのだから、全くもって奇跡。95年に日本でリリースされた新作は旧友ポール・ウィリアムスらをゲストに迎えたロジャーのソロ・プロジェクトってな風情だった。まあトリオの新作を出すタイミングとしてはそこがベストだったと未だに思うけれど。今作も日本主導でのリリースで、選曲・アートワークなど随所にマニアな拘りが。紙ジャケで当時の三人のポートレートをソフロ風に仕上げてくれたのはウレシイ。


音はというと、冷静に言えば、TOTOやエアプレイのリズム隊で録られた2曲の蔵出しを除き、ほぼロジャー自身による宅録。60年代A&Mのソフトロック・サウンドは優れたスタジオミュージシャンによって支えられていたわけで、それに比べると当初物足りなく感じたりもしたのだが、数日聴き込むにつれて気にならなくなってきた。とにかく3人のハーモニーが聴けるだけで涙を抑えられない。


レコ・コレ誌の発売前レビューに「67年の前作はメリンダの女声が目立ったが、新作はマレイと思しき男声が目立つ」みたいに書かれていたけれど、実際はおばちゃんメリンダのキーが著しく低くなっただけで、ちゃんと歌っていることが確認できる。


ポール・ウィリアムスと書き溜めた楽曲が尽きた後の70年代のロジャーは本当に才能の光を失ってしまった。ポール・アンカに書いてヒットした”Times Of Your Life”もありきたりなバラードだったし。ポールと作ったデモ集は彼の持てる才能を全て出し尽くしたものだった。


そんなわけで、67年作の続編を作るなら、60年代の屈指の楽曲を集めるべし!ってなハナシになったのかは知らないけれど、再録M-2”The Drifter”、M-3”Let Me Be The One”、M-4”Out In The Country”、リチャード・カーペンターが歌っていたM-5”I Kept On Loving You”、サンダウナーズのM-9”Always You”など、60年代に書かれたソフトロックの名曲がズラリ。アン・マレーの名唱で70年代にヒットしたM-1”Talk It Over In The Morning”も確か60年代の作だったハズ。


そうそう、ちなみに60年代の未発表曲M-7”You’re Foolin’ Nobody”はロジャーらしい気品のあるメロに弾むようなコーラスがついてくる佳曲。これだけでも買い!


とは言え久々にポールと一緒に書いた新作も収録(M-12”Look Around”)。感動的なバラードで、ロジャーも彼らしいメロディを書いている。これを機にポールとのコンビを復活させて、新作も出してくれたら最高なのだが。それにしてもポールって朴訥ながら表現力があるんだなあと、改めて本作を聴いてそんなことも思ったり。

2006-12-11 Pat Upton

markrock2006-12-11

[] Pat Upton 02:33

/ Then & Now ( Universal / 2006 )


昨日紹介したダイアナ・ロス盤を聴いていて思い出したのがスパイラル・ステアケース。今となっては” More Today Than Yesterday”という世紀の名曲でのみ語り継がれる60年代の一発屋ポップグループだが、そのリードボーカルの主はスティービー・ワンダー似のハイトーンを持った男パトリック(パット)・アプトン。スパイラル・ステアケース解散後はソロ・シングルをリリースしたりもしたが、主にはリック・ネルソンのバックバンドで活躍していた。リック80年代の名盤『Playing To Win』にもクレジットがあった。リックの死後はと言うとオールディーズ・サーキットで活動を続けていた模様。1995年に出たスパイラル・ステアケースのベスト盤には、9.5ドルで最新カセットを送ります、なんて書いてあったのを思い出す。

新作を聴きたいとは常々思っていたのだがオフィシャルサイトもない状況。でも調べてみるとナント、フィリピンのユニバーサルから新作が出ていた!!アマゾンでも買えないので、フィリピンのレコ屋から早速購入(10ドル位でした)。届いてみると、AVCDという規格になっており、DVDプレイヤーで辛うじて再生できた。M-1〜M-4はマニラでのライブ映像。見た目老けてはいるが、スパイラル・ステアケース時代のヒットM-1”Broken Hearted Man”、そして”More Today Than Yesterday”を朗々と歌い上げる。ハイトーンには衰えナシ!!最高です。その他M-2”Since I Don’t Have You”、M-4”Our Day Will Come”もスパイラル時代に取り上げていた選曲。

M-5〜M-14のオーディオトラックはコレ、おそらく1994年に出した新作(カセットで出ていたもの)と同音源と思われる。M-5は”More Today Than Yesterday”のスタジオ再演。昨日取り上げたダイアナ・ロス盤とソックリのシンセ臭い安上がりなアレンジは気になるが、流石の名曲に涙。ちなみにこの曲、パティ・オースティンやソニー&シェールのカバーも聴きモノです。M-7ではエヴァリー・ブラザーズの”When Will I Be Loved”、M-8では親分リック・ネルソンの”Garden Party”(コレ、リックの真後ろで長年サポートしていただけあって、意識したかはわからないが歌いまわしまで完璧に再現されており、泣けます。。)、M-14ではロイ・オービスンの”Crying”をカバーしているがその他は共作含め自作。M-6”Live Like A Saint”はじめ割とカントリー寄りのロックンロール作品が多く、近年の活動が推測出来る仕上がり。アメリカで生き残るにはコレです。そうそう、ポップカントリーなバラードM-9”Nothings New”はダン・シールズなんかのファンにもツボな仕上がり。

しかしフィリピンってのはなかなか侮れない。70年代初頭にジャジーなフォークでデビューし、70年代半ばにはAORの代表格として持て囃されたデヴィッド・ポメランツなんか、拠点をフィリピンに移してCDをリリースしているし。

マアとにかくあのパット・アプトンが生きていてくれて、良かった。

P.S.

http://www.officialpatupton.com/hbgw

(オフィシャルサイトが知らぬ間に出来てました!)

http://www.marstalent.com/bio_pat_upton.htm

2006-07-17 Ron Dante

markrock2006-07-17

[] Ron Dante 00:59

/ Saturday Night Blast ( Artists Voice Records / 2004)


iPodが壊れた。ほんと鬱な気分ですね。5200曲詰め込んだ苦労は何だったのか…。これだから亜米利加のオモチャはイヤなんです。

バブルガムポップのセッションシンガー、ロン・ダンテの近作を買ってみた。ジェフ・バリーに気に入られ、アーチーズのリードボーカリストとして、”Sugar Sugar”なんかをヒットさせている。また、カフ・リンクス”Traces”の歌唱でも知られる。驚くべきことに、滑らかな美声は60年代からのキャリアを感じさせないほど健在で若々しい。’60-‘70’sポップスのマスターピースをハッピーなサウンドで歌い綴る。音は新しくなっている。テッド・パールマン氏が全てを担当した打ち込みの軽さも、最近は技術の向上もあるからかそれほど気にならない。ていうか、生粋のビーチボーイズファンには怒られるかもしれないが、マイク・ラブ『Looking Back For Love』とか、オールディーズを軽薄にアレンジした音が個人的にはツボだったりするので、かなり楽しめます。

曲目・参加陣はというと、M-1”Old Time Rock & Roll / Mony,Mony”に始まり、M-2”Rockin’ Robin / Little Bitty Pretty One”ではハーマンズ・ハーミッツのピーター・ヌーンがボーカル参加。さらにM-3”Rock Me Gently”ではアンディ・キム!がロンと共にコーラスを聴かせる。そして、’80sポップにアレンジされた、ラヴィン・スプーンフルM-5”Summer In The City”ではトニ・ワインがガールポップな歌声を聴かせる。ガール、という歳ではもはやないわけだが。さらに、タートルズのM-4”Happy Together”、ピーター・アレンのM-8”I Go To Rio”、ビージーズ曲を歌うM-6”Words / To Love Somebody / If I Can’t Have You”もいい。ディスコな”If I Can’t Have You”はフルヴァージョンでも収録(M-12)。Barry Gibb曲をサラッと歌うのって実は高度な歌唱力を要すると思う。M-7”Anyone Can See”ではカール・ウィルソンの歌唱を思わす涙涙のバラード。本当に歌が上手い!後半に行くと安っぽいクラブサウンドみたいなものも出てくるが、勢いで聴けます。’80なロック/AORバラードM-10”Even After”、M-11”Don’t Lose Heart”は秀逸。声で勝負してきた男ならでは。年齢なんて隠せるんですね。

と聴いているうちにゴキゲンになってきてiPodの悲劇を忘れていた。ウーン、やっぱり腹立たしい。でも、音楽を弄んじまった罰なのかも。音楽愛好家たるもの、一盤集中、正座聴きですよ!基本は!!


http://www.rondante.com/