本間龍「公取は電通にメスを入れよ」

今の日本は、電通が支配している。
しかも、その電通自民党の広報担当の仕事を受注している。
つまり、「電通自民党」の、鉄の結束が存在しているこの日本の、参議院選挙を目前に控えたこの時に、もしもあなたが、これから電通から、仕事をもらいたい、電波芸人として生きていきたいと思っているなら、どうして

などできようものか、

などできようものか。大事なことは、この目前に迫った、参議院選挙において、どういった「効果」を、与えることを言うのか、というところにある。言うまでもなく、自公政権は、ここ何回かの選挙において、ほとんど得票が伸びていない。というか、まったく伸びていない。

  • 組織票

で勝っている。つまり、なんとかして「投票率」を減らすことで選挙に勝ってきた。今の大手マスコミができるだけ、目前の参議院選挙について言及を避けようとしているのも、過剰にオリンピック目前の選手の動向を記事にしたがっているのも、そういった意図を感じざるをえない。
同じような意図において、ダッカの人質テロ事件は、異様な様相を示している。この前のパリのテロのときは、日本人の死者がいなかった(というか、日本人を狙ってというわけではなかった)。そういう意味で、その事件の詳細が記事にならないことには、一定の言い訳はありうると思っていた。しかし、今回は私たち日本人が海外で仕事をすることになれば、だれもが直面しなければならない問題であり、その詳細は、私たちの未来に関係しているはずであるのにも関わらず、まったく、細かな様子を記事にしたものがない。
まず、被害者の実名が報道されない。その状況で、彼らを国葬にすべきだ、とかいったブログがあったが、何を言っているのか、意味が分からない。一体

  • だれ

を私たちは弔うのか? 実名すら言えないくせに、国葬にすべきだ、とは、お前はジャーナリストとして、自分が言っていることの意味を分かっているのか?
政府が選挙前ということもあって、さまざまな情報を隠そうとするのは、百歩譲って理解できなくもないが(おそらく、彼らが報道してほしくない、さまざまな瑕疵があっても不思議ではない)、それに唯唯諾諾と従う「マスコミ」ってなんなのだろう?

5月13日にフランスのジャーナリストが「電通は日本のメディアを支配しているのか?」と題する長文の記事を発表し、内田樹氏がいち早くその一部を翻訳して発表しています。そこには、電通博報堂が「広告、PR、メディアの監視を集中的に行い、国内外の大企業・自治体、政党あるいは政府のための危機管理を担当し、マーケットの70%を占有している。この広告帝国が日本のメディアの論調を決定していると批判する人がいる」と書かれています。

私が「恐しい」のは、こういった「電通支配」の構造が日本にあることを分かっていながら、

を行おうと実際にしている人たちが、どうして自分たちが「電通の意のままに動こうとしている」という結果に必然的になる、ということを誰の目から見ても明らかであることを他人が見ていることに無自覚であるかのように振舞えるのか、というところにある。
この日本にはびこる「電通支配」の構造の中で、憲法を変えようとすれば、必ず、

に「さらに」変えられることは、明らかであるわけであろう。じゃあ、なんで憲法改正なんて言うのだろう? 恐しいね。憲法改正を言っている人たちって。なにをたくらんでいるんだろうね。特に、東京で憲法改正をたくらんでいる人たちって、なにを考えているんだろうね。東京で言っているということは、東京に集中している、日本国政府

している、ということなんだよね。つまり、彼ら東京で、憲法改正をたくらんでいる人というのは、政府にロビーイングして、

を目指している、ということなんだよね。おっかないね、気をつけよう。

例えば、電通はテレビのプライムタイムの番組CMで圧倒的なシェアを握り、CM枠への新規参入は極めて困難な状況が続いています。
10年以上前に公正取引委員会が入りましたが、結局腰砕けに終わりました。
戦前の陸軍がそうだったように、図体の大きい組織を制御することができなくなれば、結局その組織の暴走を許すことになります。それは、国にとってもいいことではありません。
五輪招致をめぐる裏金問題は、いい機会です。いまこそ、電通のメディア支配の構造にメスを入れるときだと思います。

しかしね。そうだからこそ、よりいっそう

連中が、

んじゃないんですかねw 国民をだまし、電通自民党の利益になることをやればやるほど、彼らは儲かる。まずは、日本の「大手マスコミ」が

  • 発信していないメディア

を本気で探すところから始める、ということなんでしょうね。例えば、海外のメディアとか(海外でも、例えば、オリンピック報道などは、一定程度は、電通によって汚染されているでしょうがw)。しかし、一体、そんなメディアがこの日本の中にあるのだろうか? だれもが、なにかしら電通自民党にお世話になっている状況を考えるに、その不可能性の根の深さが思いやられるわけである...。

月刊日本 2016年 07 月号 [雑誌]

月刊日本 2016年 07 月号 [雑誌]