2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

與那覇潤『中国化する日本』

学問とは、日々、進歩しているはずなのに、なぜ、義務教育は、中学で終わるのか。よく考えてみると、不思議なことだ。おそらく、卒業した後も、各自が独学を続けるので(そういう能力は与えたので)、不要だと言いたいのだろう。 しかし、これだけの複雑社会…

「助ける」社会

もし、「幼児」社会が実現され、だれもが、産まれてから死ぬまで、 義務教育 で、学校に通い続ける、 卒業のない社会 が実現したとき、一体そこでは、なにが始まるであろうか。まず、学ぶことが、「終わらない」のだから、人それぞれで、それぞれの関心が「…

「ダイアローグ」社会

佐々木さんの最新刊は、言わば、佐々木さん自身が書きたいことを書いたという印象がある。つまり、この方自身の半生をふりかえり、ずっと思っていたことを実感として書こうとしているんじゃないかというふうに思われる。 その日の夜、私は重い気分で再び捜査…

「自然エネルギー」社会

日曜日の、高村薫さんのドキュメンタリー(NHK教育のETV特集)は、いろいろ考えさせられる内容であった。 私も、311以降から、さかんに強調される「復興」という言葉に、強い違和感を覚える。はたして、東北は「復興」される「べき」なのだろうか。…

波頭亮『成熟日本への進路』

日本の高度成長期を覆った「イデオロギー」こそ、新自由主義であったことに、反対する人はいないだろう。アメリカのレーガン、イギリスのサッチャーを代表とする、新自由主義は、ミルトン・フリードマンの、いささか、挑発的なイデオロギー運動と共に、西側…

「幼児」社会

私には、公私の区別がよく分からないのと同じように、子供と大人の区別がよく分からない。 よく、最近の大人は、アラフォーになっても、プラモやフィギアを買ったりと、全然大人っぽくない、と。子供の頃は、アラフォーといったら、ずいぶんと大人で、と思っ…

シヴァ・ヴァイディアナサン『グーグル化の見えざる代償』

ITやインターネットは、今まで考えてきた、さまざまな「常識」。 例えば、その一つ一つの「用語」の「意味」「定義」を変えてしまったと言っていいような、変化を起こしている。 たとえば、著作権。たとえば、個人情報。 コンピュータがない時代までの情報…

神里達博『没落する文明』

(萱野稔人との対談。) 日本の原子力発電の歴史を、どのように総括するのかは、大きく、以下の二つの世代によって分かれるのではないか。 オイルショック以前を知っている オイルショック以前を知らない 前者の人たちは、つまり、石油が「ほぼ無料(ただ)…

311から一年

311から、一年が経とうとしているわけだが、私には、この一年は「違和感」の一年であった。 それは、なんと言うか、自分というか、自分を含めた、「技術系」の仕事をしている人であれば(それなりの年季を経た)、だれでも「皮膚感覚」している感覚と、あ…