百万円と苦虫女

百万円と苦虫女 [DVD]

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冒頭で「シャバダバッダーン」と無気力に歩きながら唄う蒼井さん。
同級生に豆腐を投げつけて「お前ら全員しね!」と言い放つ蒼井さん。
ベランダのネギを見て「おばあちゃん家みたい」と笑って森山くんとキスする蒼井さん。

僕が蒼井優を大好きになった映画です。
高校2年生の春休みに、この映画を見て、あんな彼女が出来たらいいのにと思いました。
大学2年生になって、再び、この映画を見て、あんな彼女は出来ていますか?と自分に問い掛ける。
もちろん、出来ていません。高校2年生の僕、ごめんなさい。全然出来なかったよ。
近所のホームセンターのガーデニングコーナーにも蒼井さんはいなかったよ。

それはともかくとして、これはいい作品だなと。
別に壮大なストーリーでもなく、特別強いメッセージ性があるわけでもなく、
色んなちょっとした不幸に巻き込まれた女の子が、何となく頑張っていくという話なわけで、
言ってしまえば至極地味な作品だと思います。
それでも見ている方は何となく頑張っていこうと思える。
壮大なストーリーが無いからこそ、こちらもちょっとした一歩を踏み出そうと思える。
日常の何気ない出来事も自分にとっては大きな事件のようなもので、
だからこそ何とかこなしていくしかない。時々、落ち込んだりしながらも、前を向いて歩かなきゃいけない。

頑張っていこうと素直に思える、そんな素敵なヒネクレた作品でした。