貴重な快晴の土曜日

今日の天気予報は、こちらに来て初めてお日様マークを見た。あるんだー一応。せいぜい雲の後ろから日が射しているマークまでしか見ていなかったので、この天気を生かすべく、今日は歩く観光をすることに決定。何てったって明日はもうにわか雨が降ったりするらしいので貴重な一日である。

セールまっただ中?

といっても娘連れだし、洗濯(相変わらず手で)してーおべんと作ってーとかやっていたら出発は10時半になってしまった。まずはバスでCityCenterまで出て、セールの様子をうかがいつつできれば私の靴を手に入れる所から始めたい。日本から履いてきた靴はローファーなので毎日娘と公園行って滑り台すべったりするにはちょっとつらいものがある。街を歩き出すと……あれ?今日のほうが先週よりさらにセールですね? この前はセールじゃなかった店もセール中だよ? ふらふらとCornmarket StreetのNEXTなる店(ファッションビル系)に入って靴をあさる。周りは戦場状態である。私は日本ではバーゲンとかにほぼ足を踏み入れたことがないのだけど、こんなに凄まじいのでしょうか? かなり阿鼻叫喚状態で、あちこちでお子様も泣いている。幸いうちのお子様は機嫌良くしていたので、その間に運動靴ゲット。私の足のサイズ(日本では25センチ、ここでは61/2)がセールでこんなによりどりみどりだなんて、日本ではあり得ない。カンドー。34.99ポンドが25.99ポンドと予定より高めであったがいいとしましょう。街はどうも今日のほうがセールでした。もう終わったんだと思ったMarks&Spencerもセールに入っていたし、この前もセールをしていたDebenhamsはセール度合いが進んでいた。あれー? まあこの前もセールの所で買ったからいいんだけどさ。

セントメアリー教会

さて、いよいよ歩こうか、と思ったがもう12時ちかい。いくら朝ゆっくりだったとはいえ、そろそろ娘は昼ご飯にしなければならないので、ラドクリフカメラ前へ移動してサンドイッチでお昼。食べ終わったところで、私は一人教会内へ。懸案の塔に上ることにする。
内部をぐるっと見学してから、売店で2ポンド払って塔へ。ヨーロッパの古い教会の塔というやつに上るのは14年ぶりである。たいがい怖い目に遭うんだよなーとドキドキしつつ上がっていくと、最後少し狭苦しい螺旋階段ではあったものの危ないほどの所はなく無事に上部に到着、視界が開けた。おーっ、ラドクリフカメラが真正面で全体を見るのに特等席である。これはすごい。さて、うちの高所恐怖症の人は……と下を見ると、何やら娘をかまうのに忙しくなかなか気づいてくれない。やっと気がついたものの、今度はどうやっても娘が上を見てくれない。しょうがないので夫だけこちらを向いている写真を撮って、塔の周囲をぐるりと回りにいく。360度回ってこられるのだが、どちらもたいへん素晴らしい眺めであった。降りたときに写真がないというので夫にがっかりされたのだが、とてもバカちょんデジカメでは撮りきれない。無理矢理撮ってパノラマにするという手もないではないが、そんなことしてる暇があったらじっくり生で見て堪能したい美しさであった。
ヨーロッパの古い教会の塔というのは、上に行くほど細くなって壮絶な怖さがあるイメージだったのだが、ここはちょっと違って、どっしりした安定感のある重厚な塔だった。建設時期の問題なのかもしれないけど、これなら高所恐怖症の人でも大丈夫かもしれませんよ?

歩く

教会から下りてきたところで娘が寝てしまったので、運動靴に履き替えて、もう少しセール中の店をぶらぶら見てからいよいよ今日の本題「foot pathを歩く」に移る。イギリスには散歩道がいっぱいある、と聞いてきた。歩け歩けの我が家としてはぜひチャレンジしたい課題の一つである。今日は簡単な所で、テムズ川方面を歩いてみようという計画である。地図によれば、市街地から駅のある西方向へ歩いていくと川があり、その川沿いにfoot pathがあるらしい。
市の中心部から数分歩くと、あっという間に繁華街は終わり、ちょっと趣のある橋が現れた。どうやらそのたもとから散策道が出ているようだ。いざ出発!
Oxford Canalがどうのこうの、という碑を通り過ぎると、あっという間に二筋の流れに挟まれたただの獣道。右側がCanal、左側がCastle Mill Streamという支流らしい。道の細さとしては哲学の道みたいな感じだが、全然そんな観光化された雰囲気はなく、北白川の疎水沿いを歩いている感じに近いかな? Canalには船が停泊しているのだが、ポストがあったり洗濯物が干してあったりして、そこで生活している様子である。いいの???
ずんずん北へ進んで行く途中、最初予定していたテムズ川沿いにはこのままでは出ないことに気がつく。それはちょっとつまんないや、ということで進路を変えてPort Meadowという河川敷?を目指すことにする。地図を頼りに進んでいくと歩道がなくなり、不安になった所でmeadowが現れた。……嵐が丘の印象だ。
芝ではない(と思う)牧草?みたいな短い草がずーっと生えている緑の野原である。テムズ川の水面が少し先に見えたが、地面とすごく近い高さである。時期によってはここはもう少し湿地っぽいのかもしれない。集落も遠くに見えるけど、本当に遠く。ありゃー、地平線が感じられる広さである。バギーに乗っていた娘が「おりるおりるおりるおりる」とうなり出した。おろしてやるとタッタカターッと駆けていっておおはしゃぎである。広いのが嬉しいのか? 異様に興奮しているというかはしゃいでいる。もう4時近くになっていたのでそこでおやつにしたのだが、あまり(いつもほどは)食べないで、歩きたくてしょうがない感じ。せっかくなのでmeadowの中を歩いて北上してみることにする。
歩いている人がけっこういる。一人の人もいるけど、家族みんなで歩いている人たちも多い。自転車の人や、娘より小さいくらいの子を乗せたバギーを押している人もいる。みんな思い思いの格好で思い思いの方向へずんずん歩いている。といっても、何しろめちゃめちゃ広い野原なので人の姿はぽつぽつとしかない。風がざーっと吹いていくので、今日みたいにいい天気でなかったらさぞかし寒かろう。
小一時間歩いたところで、娘が「だ!だ!」と抱っこを催促し始めた。そろそろmeadowから出ておかないと道もわからなくなるので、人界に戻って娘をバギーに乗せた。あっという間に住宅街である。しかも10分も歩くといつも買物に行くSummertownの商店街である。あーあれはなんだったんだろうか。トリップしてきた感じ。イギリスってすごい。
娘が寝てしまったのをいいことに、Marks&Spencerでワインとチーズを買ってアイスキャンディをなめながら家まで歩いて帰りました。よく歩いた。疲れました。