テレビ

日本ではテレビを持っていなかった我が家であるが、こちらの貸家には当然テレビがついている。私が下手すると日本語しか喋らないで暮らしてしまうため、できるだけテレビをつけて少しでも英語に触れようとしているのだが、娘はテレビに慣れていないせいか日本語ではないせいか、ほぼテレビを無視していることが多い。うちで見えるチャンネルは5つなのだが、これがイギリス標準なのかこの家が少ないのかはちょっとまだ分からない。
BBCの1と2をたいてい視ているのだが、これがなかなか興味深い。それぞれNHKの総合と教育に相当するのだと思うのだが、いずれも「家」「庭」「アンティーク」関係の番組の頻度がけっこう高いのである。たとえば、Burgain Huntという番組は、毎回二組の素人に200ポンドずつを渡し、街の骨董市などで買物をさせ(アドバイス役としてプロがそれぞれにつく)その戦利品を別の場所でオークションにかけてどれだけ稼げるかを競うというもの。たいがいそんなにうまくはいかなくて損する場合が多いのだが、時々すごい安値で買ったものにいい値がついたりして面白い。あと、私がけっこう好きなCash in the Atticという番組は、最初「お宝鑑定団」なのかと思ったのだが、微妙に(いやだいぶ?)違う。まず、これこれの目的のためにどれだけのお金が必要だ、というところから始まる(もちろん素人)。この前は、結婚式で新郎の着るタキシードを新調するために450ポンド用意したいというのだった。そこで鑑定人がその家にいって、みんなで売れそうなものを家捜しするのである。鑑定人の見積もりで450ポンド相当の物品が集まったところで、細々したものはフリーマーケット(Car Bootyというようだ)に、高値が期待できるものはオークションに売りにいく。フリマではもちろん素人が自分で売るので、客との駆け引きもあり、鑑定とはずいぶん違った値段で売ってしまったりして、それもまた面白い。そしてオークション。オークションは他にもFlog It!など頻繁に登場するが、テレビ用ではなくて、本当に開かれているオークションに出品するのである。ほぼ鑑定通りの値段で落札されることが多く、骨董/古道具市場の確かさを感じるわけである。そして、最後に得た現金でめでたくタキシードを買っておしまいというような番組である。けれんみは全然ないが面白い。
民放(という言葉は正確ではないが、BBC以外の意味)でも「家」「庭」は人気のようである(もちろんくだらない方向にシフトするのだが)。寝る前にちらっと視た番組では、4組の新婚さんが、ほとんど打ち捨てられたようなアパートに入居してそれぞれの部屋を改装し、3ヶ月後にオークションにかけてどこが一番稼ぐか競争するというのがあった。もっとじっくり視たかったのだが、娘が「ねんねねんね」というので諦めたのであったが……。
あと、どのチャンネルも視聴者が参加するクイズ番組が多い。最近の日本のテレビの傾向を把握していないのだが、時々見る限りではもっとバラエティに偏っているような気がする。特にBBCでは司会者が問題を読み上げてスタジオに集まった視聴者が回答してきそうというのが基本のスタンダードなクイズ番組が多い。賞金額はそんなに高くないけど、みんな楽しそうである。
全般に、日本のテレビよりも毒がない感じがする。まあBBCを視ていることが多いせいかもしれないけど……。日本に帰ったらまたテレビのない生活をするのかなあ。それでも全然かまわないわけですが。

Fimbles

そういうわけでおもしろがって母が見るテレビはだいたい無視している娘であるが、唯一釘付けになるのがFimblesである。BBCでは子供向けにCBeeBiesというプログラムをやっているんだが、この中にFimblesというコーナーというか番組があって、これが始まると泣きやむわテレビに近寄っていくわ母もビックリである。雰囲気は「おかあさんといっしょ」の中の着ぐるみが歌い踊るコーナーなのであるが、出てくるFimblesという生き物(?)が抽象性が高く可愛いのやら可愛くないのやら大人の目から見るとナゾの生物。でも娘はゾッコン好きらしい。この前はこの生き物が"Turn around!"と言いながら回っていたので真似してみせたらすっかり気に入って、自分でもその場でくるくる回り目をまわして倒れていましたが、それもまた嬉しいようで。"Fimbles, fimbles..."とテーマソングを歌って"Turn around?"というと回るという芸ができるようになりました。他にも動物の出てくる番組とか興味あるんじゃないかと思うんだが、今のところFimblesほどココロをわしづかみにする番組は現れません。難しいなあ1歳児。

図書館

いつも同じ公園では芸がないので、今日は図書館なぞ行ってみました。Summertownに買物に行くついでに、前から目を付けていたLibraryという道路標識に従って横道へ入ると……あったあった図書館。小さいものですが、子供コーナーが充実していて娘を離してやったら大喜び。椅子が嬉しかったと見えて、いろんな椅子に座ったり立ったりしていました。同じくらいの年頃の子に本を手渡したり積極的なところも見せていて、あーやっぱり他の子との接触の機会があったほうがいいなあと改めて思ったり。そういうわけで娘が活躍するのでゆっくり品定めもできず本を借りるのは断念したのですが、古本3冊50ペンスのコーナーで魅力的なものがあったので購入してきました(上の写真)。
家に帰って読んでやると、これが大喜び! 適当に日本語英語混ぜつつ読むわけですが、それでもなんでもかまわないようで3冊を繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し読んでくれとせがむので、最後には私のほうがギブアップしてしまいました。新しい本に飢えてたのかー。日本からはだいぶ娘用の本を持ってきたのだが、やっぱりそろそろ飽き足らなくなってきていたのかもしれません。ごめんね。図書館にはまた是非行きましょう。

おやつを食べていたら、嵐になった。雷がばりばり落ちて、けっこう近い。それだけならどうってことないのだが、電気がしばしば瞬停するのである。瞬停じゃないのかなあ、とにかくフッと暗くなるのが何度となくある。いやだなあ、今はまだ薄明るいからいいけど、夜にこれで本当に停電でもしたら洒落になんないよ、夫もいないのに、と思っているうちにテレビが突然砂の嵐状態に! なんでなんで?と焦ってチャンネルを変えてもザーーーーッである。いやー壊れたーと思って一回消してまたつけたら直っていた。しかしもう一回この砂嵐状態は起こったのだが、理由はわからず。
イギリスの電気は何となく不安だ。電球もよく切れるし、無駄に電圧が高いのがよくないんじゃないだろうか??