噂雀のオシャベリ 高見盛ついに引退

大相撲の元小結で、独特のパフォーマンスで人気を集めた十両
高見盛(36=東関部屋)が27日、現役引退を発表した。


千秋楽は若荒雄(28=阿武松部屋)を肩透かしで破り、意地
の5勝目を挙げたが、幕下への降格が決定的で、取組後に師匠
の東関親方(元幕内・潮丸)と話し合い引退を決断。


この日の持ち回り理事会で年寄「振分」の襲名が承認された。
角界を14年間支えた男が土俵に別れを告げ、今後は東関部屋
の部屋付親方として後進の指導に当たる。


土俵に上がると、満員の館内から万雷の拍手が起きた。
「来場所も頑張れ」「やめるな」。
制限時間いっぱいでの仕切りの前には胸を叩き、両拳を突き下
ろし「ホウ!ホウ!」と最後の叫び。


いつも以上に力強く塩をまき、若荒雄と向かい合った。
左肩から当たって相手の突っ張りを受け続けた。


歯を食いしばって我慢して得意の右を差し、こん身の肩透かし
で白星をつかみとった。



高見盛の力士としての覚悟を決めた。それが力を貸してくれ
た」。
まるで優勝が決まった時のような大歓声。



通算563勝目を挙げた36歳は天を仰いで感極まった。
都内で行った引退会見では「本日をもちまして高見盛精彦、
力士を引退することになりました」とすっきりした表情で話し
たが、葛藤もあった。



「自分の中でラインがあって、それを切ってしまった」。
幕下に降下すれば現役を退くことは決めていた。
だが千秋楽まで相撲を取り切り「引退したくない」という感情
が生まれた。



国技館を後にする際も「今は相撲が終わった実感しかない」と
明言を避けた。



「(決断は)正直、数時間前。引退という言葉を完全に口に
するまでは、引退は考えないという気持ちでやっていた」。



ただ体は限界だった。
両膝、腰、首に痛みを抱え、今場所2日目に右肩を痛めた。



「けっこうボロボロ。これ以上やってもさらに傷口を広げるだ
け」と踏ん切りをつけた。



一人人気力士が土俵から去って行った。
数々の話題を、パフォーマンスを見物客に残して。
落ちそうで落ちないということで、受験生にも人気があったが、
その彼も去った。


本欄においても、高見盛を何度かネタとして取り上げてきたが、
今後は彼に関する小文も、本欄から姿を消すであろう。



さあ、受験生諸君!!これからは自分の力を信じて最後のラス
トスパートをかけようではないか。




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