どんと紅白 その3

27日にNHKホールで開かれた

'' SOUL OF どんとSPECIAL 『どんと紅白』'' のことを

書こうとしているのですが、どんどん横道に外れています。


毎週日曜日の産経新聞社会面に 『人語り』 という欄があって

29日付 では あの角川春樹さんが登場しています。

その中で彼は 彼の父 角川源義 が興した 『角川書店

に入ってからのことを語っています。


『父はエンターテイメントというだけで否定した。』

『うちは学術出版社である』 とね。

でも実際、私が売上を毎年5割伸ばしてきたんだから、

父としては面白くなかったんじゃないか。

父との相克はかなり激しかった』


更に

『男にとって父親は 最初に乗り越えなくてはならないライバルですよ。

当時 事業家としては超えることができたと思いましたね。』


ウ〜ン、この親子完全にすれ違っていますよね。


赤字になっても、 『学術出版社』 でありたいと思う 父 源義 と

売上を伸ばし、利益を出す『エンターテインメント出版社』を目指す 息子 春樹 とでは、

目指す方向が違います。

結果として 利益を出したんだから事業家として、父を超えたと言い切ってしまうのはいささか乱暴です。


しかし、最近の風潮の 勝ち組、負け組 という二分法に従えば、先ず事業家は利益を出すことが

使命ですから、勝ち組の息子 春樹 さんの 『父を超えた』 という感慨も理解はできますが。


で、私のことなんですが、このインタビューを読みながら私のなかに 『角川源義 と 春樹 が同居

していたみたいだったんだ』 ということを自覚しました。

つまり同居しているなんていう中途半端なことは、

自分の本当にやりたいことが結局は判っていなかったということです。


社長業をやっていた今から5年前、60歳近くになる頃ようやく

自分のやりたいことがハッキリしてきて、

沖縄に行ってみようと思ったのです。

ですから 今 迷いはありません。(笑)


最期に角川春樹さんのインタビューが長くなりますがもう一ヶ所引用します。


角川春樹さんは向精神薬取締法違反などの容疑で

平成5年に逮捕され、12年に懲役4年の実刑判決が

確定し、2年5ヶ月 獄中生活をしました。

・・・【 出所して間もなく六本木ヒルズを訪れ、読んだ一行詩はこうだ。

 偽物の町に人群れ春寒し

その住人である堀江貴文から今年に入って、共通の友人を通じ 『会いたい』 と連絡があった。

映画製作に関する件だったという。

堀江の生き方は否定するが、もし彼が生まれ変わって出てくるのなら会ってやりたいと思っている。

時代の寵児なんていわれると、あるとき現実が見えなくなる。

私もそうだった。たぶん彼は何もかも失うでしょう。

無一文になる。結構じゃないか。そこから彼の本当の人生が始まる。

そのとき私を訪ねてきたら、親身になって相談に乗ってあげようと思う』】


(続く)