放送と通信の融合は正しいのか?その4

「SOCCER巨大ビジネス」“クラブ VS. 代表 「戦争だ」”
このところ紹介している 日経新聞の特集は更に続いています。

・・・順風に帆を広げる欧州のビッグクラブ。 風を送るのは欧州チャンピオンリーグだ。 欧州各国のリーグの上位に招待券が配られる大会、本戦出場枠は ワールドカップ(W杯)と同じ32クラブにまで拡大。 EU域内なら国籍の縛りのない精選されたクラブ同士がしのぎを削る。 競技レベルは(W杯)をしのぎ、チャンピオンリーグで活躍することで クラブは世界的ブランドとなる。
今季のチャンピオンリーグ準優勝のアーセナルは20億円を超す賞金と巨額の放映権料、入場料収入を手に入れる。 プレミアリーグは4位に沈んだが、労多い国内リーグで優勝するより「1試合でも多く チャンピオンリーグを戦うこと」が勝ち組であり続けることを保証する。
大会収入が約6億ユーロ(約840億円)にも膨らんだ チャンピオンリーグという巨大なケーキを、随意に切り分けようとする巨人たちがいる。 出場常連組である欧州18の有力クラブからなる「G14」(本部ブリュッセル)。 今季の欧州王者 FCバルセロナレアル・マドリードマンチェスターユナイテッドACミラン、・・・・アーセナルもその一員だ。チャンピオンリーグ主催者の欧州サッカー連盟UEFA)には煙たい存在ながら、ケーキの「材料」である豪華チームを供する彼らを粗略に扱えない。 へそを曲げると独立リーグ創設という有形無形の脅しをかけてくる。衝突を避けた(UEFA)は チャンピオンリーグの大会規模を広げ、ケーキの分け前を大きくすることで 彼らをなだめてきた。
結果できあがったのは チャンピオンリーグと国内リーグ、果ては国同志の代表戦で びっしり埋ったカレンダー。 しわ寄せはかってない高給と引き換えに、擦り切れるまでに使役される選手が引き受ける。
「チャンピオンリーグの試合を増やし、国内リーグの試合を減らすのが理想。 何よりも代表チームの親善試合を減らすべきだろう。」「G14」主要クラブのある幹部は言う。 クラブにとって商品である選手を“徴兵”する各国協会とその総本山の国際サッカー連盟FIFA)は市場での自由な振る舞いを阻む最後の壁。
一方代表戦を米びつする各国協会も譲るわけにはいかない。(中略)
「これは戦争だ。」チャンピオンリーグが繁栄し、ビッグクラブが世界市場を目指すほど、国内リーグの空洞化は進む。・・・・・ 

この特集記事を読んでいると 欧州のサッカービジネスの強欲なさまを窺うことができます。
「労多い国内リーグで優勝するよりも、1試合でも多くチャンピオンリーグで戦うことの方が大切だ。」
「チャンピオンリーグからの収入をもっと参加クラブ(G14)に配分しないなら新リーグを創設するぞと脅す」
「チャンピオンリーグの試合数を増やすために 国の代表戦を減らせ。」

いよいよ9日から W杯が始まりまるが、その裏ではこんなすさまじいビジネス戦争もやっているのです。