丸山ワクチン、リアルな体験談

丸山千里著「丸山ワクチン」の中で紹介されている体験談のひとつ。患者は東京都板橋区赤塚在住の後藤茂さん。63歳の医師、医学博士。東京板橋区の医師会会長。舌ガン。


後藤博士は早くから丸山ワクチンに関心を寄せられ、42年頃から自分の患者にワクチンを使ってこられていた。「先生、こんどは私が患者です」 弱々しい笑みをうかぺられた。口じゅうにブツブツができている。それは放射線治療をこころみてできたものだという。彼がガンに気づいたのは47年10月だった。舌の生検を行なったのは翌48年2月になってからだった。検査結果は扁平上皮ガン。まず放射線治療をとってみた。それがとんだ回り道になってしまった。放射線治療には、副作用が強くあらわれる人と、すこししかあらわれない人とがいる。後藤さんの場合は前者だった。口じゅうに放射線潰瘍ができ、ものがたべれなくなった。治療前73キロあった体重が61Kgまで落ち込み、わずかな坂道や階段が上がれなくなるまでに消耗してしまった。「まだつづける必要がある」というのを振り切って退院。回復を待ち、私のもとを訪れたのである。

初めのうち、うまく効果が上がっているように思えたのだが、48年の12月になって、別の箇所に新しいガンが発生した。翌49年2月には、それが2箇所になった。しかも、あとからできたほうがしだいに大きくなる。5月9日から、ワクチン注射をそれまでのAB方式からBB方式に変えてみた。10本ほど打ったあと、「どうもきのうと形が変わっている感じがする。小さくなったようです」との報告を受けた。その後、きわめて徐々にではあるが、潰瘍の縮小は確実に進んだ。半年後にこのガンは完全に死滅してしまった。12月5日、このガン死の状態になった部分がポコッととれ、これがいまも舌面に瘢痕を残している。

後藤さんはこの闘病体験を何度か手記にあらわされている。その一節を引用させていただく。私は目下40数名の患者にワクチンを使用中ですが、その中には常識的には完全に絶望的な患者が好転した例、あるいはガンと共存しながら日常の社会活動を営んでいる例なども含まれています。これは実にすばらしい画期的な事実です。(本文より転載、要約部分あり)


この文章を読んで、丸山ワクチンを3年間も続けているガン患者の私は、すべての患者が好転したわけではないんだ、とちょっと落胆すると気持ちも生まれます。治るということはあきらめよう。せめて、ガンと共存しながら日常の社会活動を営んでいる例のようには当てはまってほしい。