GURU Rest In Peace

アメリカ時間の4/19、Gang StarrのGURUさんがガンのため他界されました。

昨日考えたんですが、Gang Starrの音楽は、僕にとってはH2O(水)のようなもので、必要不可欠であり、ある意味で側にあって当たり前の存在でした。それは、Gang Starrは死なないというHIP HOPファンの奢りであったことが昨日、分かりました。なぜなら、GURUが他界し、僕の心には大きな穴があきました。

でもGURUが居なくなっても彼の音楽と言葉は死なないし、H2Oのようにファンの心を流れると思います。

多感な時期に「Dairy Operation」、「Step In The Arena」、「Hard To Earn」などの名作や「No More, Mr.Nice Guy」という初期クラシックを聴きまくれたことが、自分の音楽への関わり方の大きな肥やしになっているのは間違いないです。Gang Starrのアルバムはいつも手元に置いてあるのですが、昨日はどうも悲しすぎて聴けませんでした。

95年にMary Joy Recordingsが創業してまもなくのころ、頻繁に通っていたDJ KenseiさんのパーティでGang Starrの"Words I Manifest"や"Positivity"が二枚使いされていて、「これをオフィシャルでやってもらったらみんな聞きたいのではないか?」と思い、Wild Pitchのライセンスの仕事を手がけたことがありました。だから自分にとっては「No More, Mr.Nice Guy」の曲が一番思い入れがあり、"Words I Manifest"は特別な一曲です。

"Words I Manifest"のビデオを見たSpike Leeが、彼が監督を務めた映画「Mo' Better Blues」のサウンドトラックにGang Starrを抜擢したと言われています。「Mo' Better Blues」収録の"Jazz Thing"は、サンプリングによるHip Hopの教科書のようなもので、GURUのJazzへの愛が溢れている曲でした。

その次に発表された「Step In The Arena」には"Lovesick"という曲が収録されていますが、この曲は2002年のShing02「400 Tour」の際、"Luv(sic)"をライブする前にDJのIcewaterがかけていた曲です。Hip Hopへの愛が伝わります。

あんまり有名ではないかもしれないですが、Dream Warriorsの"I've Lost my Ignorance (and don't know where to find it)"という曲(リミックス)で、Gang StarrとDream Warriorsが一緒に曲をやっているのですが、この12"は個人的に大好きでした。(アルバム未収録なので、DWのアルバム買っても入ってないです。)

「Daily Operation」は永遠の名作ですね。このアルバムはカセットテープで買ってしまったので、CDやレコードみたいにスキップして聞くことが出来ず、全曲を同じ回数を聴いた思い出がありますが、お陰でムラ無く全曲好きになりました。特に思い出深いのは、"Ex Girl to Next Girl"

そしてB面に入っていた"I'm The Man"という曲は、まさにJeru Da Damaja & Lil' Dap (Group Home)の発表という感じの曲で、Gang Starr Foundationなるものを知ったのもこの時でした。当時92年。それから暫くして99年か2000年頃にNew Yorkのあるレコードプレス会社にミーティングに行ったとき、たまたま隣のテーブルで打ち合わせしていたのがGURUとLil' Dapでした。GURUは当時、プロデューサーとしてGroup Homeの復活作の裏方をしていたみたいで、Gang StarrはGroup Homeの面倒をちゃんと見るんだな、と関心した記憶があります。

「Hard To Earn」以降は、Gang Starrは格好良くて当たり前というか、自分の中ではありがたみが少し薄れていたかもしれません。"Mass Appeal"などはもはや空気のような存在で、Hip Hopのあるところにはどこでもかかっていて当たり前のような曲でした。

GURUと言えば上半身裸の上に毛皮のコートを羽織っていたような人でしたので、数週間前にGURUが危篤というニュースを聞いたときも、あんな人は絶対に死なないだろう、と思っていました。しかし、GURUは居なくなってしまいました。インターネットではGURUが書いた手紙、なるものが公開され、元相棒のDJ Premireとの確執が公にされています。僕には何が本当なのかわかりません。ただ、

どうかGURUが安らかに眠れますように。

GURU, Rest In Peace.