畑ってコワイ!『ザ・フィールド』

★★★

ドライブを満喫していた5人の男女の車が大量のカラスの追突で事故を起こし大破した。それはこれから起こる恐怖の連鎖の前兆だった。気が付くと仲間の1人の姿が見あたらない。辺りを見回すとそこにはトウモロコシ畑に囲まれたひとけのない街の校外。視界が遮られたトウモロコシ畑で日没と共に高まる恐怖。そして廃墟に灯る不気味な明かり…。最悪のシチュエーションで悲劇は始まった。


トウモロコシ畑×ホラーといえば「ヒューマン・キャッチャー」「フレディVSジェイソン」、スティーブン・キングの「死の収穫」「アーバン・ハーベスト」と結構色々。トウモロコシは生長すると人間の背よりも高くなるので、中で迷子になることもあるそう。広大な畑なら何か潜んでそうな気もしますね。トウモロコシはホラー定番野菜なのです。

今作はトウモロコシ畑の中で、案山子男が駆け回りながら襲いかかってきます。なかなか姿を現さず走る足元だけが映るカットは「チャイルド・プレイ」を彷彿とさせて不気味、だけどいざ出てくるとイップマンみたいなスゴイ手数で殴ったり切ったり。メチャメチャテンション高い!こりゃ勝てん。こりゃ勝てん感のあるクリーチャーっていいよね。まあ主人公たちはそこそこ素手でもやりあうんだけど。

トウモロコシ畑には小屋があり、案山子男に殺された人間は死体がその小屋のミシン室にワープ、自分の身体をミシンで縫って案山子男となり、さらに生きてる人間を襲うのです。どんどん増える案山子男で大変なことに・・・!

案山子男のルーツについても作中でボンヤリ幻覚という形で触れられますが、結局よくわかりません。続編があれば補足されるでしょうが、たぶん無いでしょう。

それにしてもこーゆーホラーで、化け物が襲ってくるルールに気づいて、脱出策を練るキャラが現れるのは定番だけど、大概仮定の根拠が希薄過ぎると思うんよね。亡霊が毎回必ずルールどおり動くと思えんのだけど。
そして、唯一のヒロインが即死になのはどうなの?意表はつくけどバランス悪くないかなあ。男ばかりで化け物に襲われても、ああ...まあ仕方ないよね、ってなるもの。

なんにせよコンセプトが同じ「案山子男」シリーズの100倍クオリティの高いB級ホラー。オススメです。