『破滅の王』上田早夕里(著)★★★☆☆

破滅の王

破滅の王

第二次世界大戦ごろの話。
ワクチンや治療法のない細菌兵器をばらまいて、その参考になる資料を分割して敵対している数か国に渡し、お互いに協力しないと対策を講じることができないようにして和平にみちびく。協力できなければ人類は滅亡。それはそれで平和な世界がおとずれる。というアイディアはいいのだが・・・
とても詳しくてよく調べてるなあと思ったが、なんか没入できない。歴史になぞらえているので、驚くようなエピソードも後出しジャンケン的な気がしてしまうからなのか、{どうせこうなる/ならないんだろう}というなめた態度のせいなのか。
できれば歴史をくつがえしてほしかった。第二次世界大戦が平和的に終決するのでもよかったが、ほんとうは人類が滅亡してほしかった。人類が滅亡するところを描いてほしかった。