チャイコフスキーの第5番

昔々、NHK交響楽団ウォルフガング・サヴァリッシュがこの曲を振ってるのを見てしびれました。
さっそく財布の底をはたいてCDを買いに行ったのですが、この人の指揮のものはなく、カラヤン/ベルリン・フィルのを買いました。いそいそと帰宅して聴きましたが……ひじょ〜に美しく、ダイナミックで、チャイコフスキーの“憂鬱”をこんなに綺麗に表現していいものだろうかと首をかしげるほどでした。



それからかなり時間が経ち、最近同じ曲のムラヴィンスキー/レニングラード・フィルのものを買ってみました。これは、4番、6番と一緒になっているもので、好き嫌いはともかく、チャイコフスキーの後期3部作のお手本であり最高の名演の一つと呼び声が高いものです。ショスタコーヴィチとこの指揮者にはまっていた折も折、色気を出して買ってみましたが、このセットの中の最高傑作は第4番なのかな、と思ったりします。とはいえ、5番もカラヤンの流麗華美に対して、ムラヴィンスキーの端然鋭利といった感じでとても面白く聴けます。



と考えていると、浪人生だったあの頃、チャイコフスキーの第5番の素晴らしさを教えてくれたサヴァリッシュ氏の指揮で聴いてみたくなってきます。何しろ恩人の演奏です。現在は心臓病の悪化により引退されたそうですが、派手さはないものの、きちッとした中庸をいく演奏で定評があり、ドイツ・オーストリア音楽を代表する音楽家の1人と言われています。ディスクユニオン辺りで探してみましょう……週末辺りで。





最近、表参道から渋谷まで、バッハの『平均律クラヴィーア』を聴きながら歩いて帰るのが好きです、、、