2007-12-08 そして埼玉は雨だった
■[Agile開発][システム開発][経営]安物買いの銭失い...開発をアウトソースしてはいけないという事例
機内で読んだWall Street Journal(紙媒体版)2007年12月7日金曜日A1面の記事より
Boeing Scrambles to Repair Problems With New Plane
要旨
- 次期旅客機787Dreamlinerの開発が遅れている
- 最大の理由は自社開発ではなく、アウトソース活用を試みたこと
- 機体の設計開発をアウトソースしたのはボーイング91年の歴史で初の試み
アウトソースした理由
発生した問題
- 多国にまたがるアウトソース
- 言語の壁
- 米国では想定していなかった各種規制
- 孫請けに仕事を分散させることによるオーバーヘッド
- 同じ企業なら会って話せば済むのに、大量の文書受け渡し+機密保護規程締結などで大変な労力に
- 最初の「お披露目」では1万以上の部品が足らないという事態に
現状
- 少なくとも半年の遅延
- 今は実機テストより「最初の一機」完成に注力(ぉぃ...
- 2009年末までに109機を納品する必要あり
- 納品先の数社は2008年の北京オリンピックでの利用を想定
- 納期遅れは数百万ドルの違約金につながる
- ソフトウェア部門は「開発が進むほど、詳細部分での想定外要件が発生している」という状況
- よ〜くわかる(笑
- アウトソース先の部品メーカは「ボーイングからの最終要件提示は3〜8ヶ月遅れている」と主張
- これもよくわかる(笑
失ったもの・失う可能性のあるもの
- 想定外の状況に対処するために追加投入した労力は20億ドル(2200億円)に迫る
- 100億ドルのうちのいくらかを節約するためにアウトソースしたのに...安物買いの銭失いとはこのこと
- プロジェクト成否の鍵をアウトソース先の部品提供メーカに握られてしまった
- 記事では「人質になっている」と表現されている
- 日本語だと「キンタマを握られる」状態ね
- 同様のアウトソース開発を検討している競合相手エアバス社に「失敗事例」を提供してしまった
- エアバス社は「勉強代」20億ドルを節約できたことになる
今後
- ボーイング社は2009年末の納期に対して楽観的
- アウトソース先はそうは思ってない→ありがち(笑
所感
- 最終工程の組み付け段階で「ネジがない〜」「どうやって組み上げるんだ〜」「動かない〜」とかいう悲鳴が上がってるのかと思うと、787には乗りたくないと思った。
- 実機テスト不足で現場配備される新型旅客機... どう考えても乗りたくないなー(笑
- その企業にとって「核」となる製品やサービスの開発をアウトソースするのは最悪の選択なんだよ。
- プロジェクト成否の鍵をアウトソース先に握られてしまう...日本型SI屋がのさばるのも、このあたりに理由が。
- Agileを採用しているロッキードとは大きな違いがあるね
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