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2006-02-26(Sunday) 珍しく国会や役所のことに胸を痛めたこと このエントリーを含むブックマーク

 リアルで僕をご存じの方は、僕がすぐ「お役人さんはね」なんて言うもんだから、境は自分が役人であることを忘れているんだろうと思っているかもしれない。半分当たり*1。でも、半分は自覚がある。


 このブログにいただいたコメントや友人からのメールで、「谷みどりブログ」というものの存在を知って、顛末を見たのだけど、う〜ん、かわいそうですねぇ。何故かわいそうか、というと、すでにご指摘の方もおられますが、先輩*2は法律の執行者というかわいそうな立場と、お役所組織の一員だというかわいそうな立場と、それをネット上で体現しちゃっているという困った環境の中にいたからです。

 まず、わかって欲しいのは、役人はあくまで法律の「執行者」だということ。*3責任追及は国会、せめて政府与党に行ってくれ!というのが正直なところでしょう。

 そのことと関係あるのかないのか微妙なところですが*4、お役所のマインドの基本は「自己の無謬正の維持」、或いは「批判の回避」にあります。部長さまともなると、今自分が執行している制度が欠陥制度だなんて言われて、それを認めることはできないというのが役所の相場観でしょう。それは自己規制なのか、それとも周囲の組織人の圧力なのかわかりませんが。

 で、最後に、そんな不見識な批判をネット空間では受けざるを得ないということです。だいたい、上で法律は国会の半数以上の賛成で成立する、と書いたとおりで、別に国民の大多数の支持なんてうけているわけではない*5。だから、どんな制度でも反対派は沢山世の中にいる、ということになります。その人達が一斉に感情を爆発させることが、ネットではできる。

 この矛盾の中に敢えて飛び込んだ谷先輩は、勇気あるのか、アホなのか、それはわかりません。僕はこの矛盾を解消したいので、「自己の無謬正」を捨てることにしているわけです*6。僕は、誰に何を言われようが、正々堂々対話するという姿勢は尊びたいと思っています。

 この正々堂々対話するという姿勢をシステムとして維持するためには、批判する側にも是非協力して欲しい、というのが、このお話で書いておきたいことです。

 対話ということには想い出があります。今、私の働く経済産業省には「政策評価広報課」という課があります。何だか据わりの悪い名前なんですが、なぜこうなっているかというと、そもそもは「政策評価」は国民から経済産業省へのincoming、「広報」は逆のoutgoing、両者を併せて、国民と経済産業省は対話をしよう、という思想があったからです。少なくとも、僕もアイデア出しに参加した段階では(苦笑)。それがいつの間にやら、政策評価は「政策評価審議会」でやろう、なんていうようになったのは、結局のところ、国民の批判を浴びたくないということだったのだと思います。確かに、批判を嫌うのは問題ですが、国会と行政府の関係を無視して役人ブログにそんな批判を浴びせる国民であれば、批判そのものが不見識で拠るに足らないと思われてもしょうがないという側面もあります。

 こういう矛盾状況では、うだこだ言ってもしょうがなくて、後はどれだけ論争に付き合うかが誠意です。あのPSE法の内容についてだけいえば、確かにけっこうバランス欠いてる*7ので、批判はやむ無しかもしれません。ただ、一般論として、どこまでいっても反対する人はいて、最後は、そこは強行突破なわけです。谷先輩が閉鎖にいたるまでにどういう対応をしたのかは、今現在、僕は知りません。でも対話する気がある相手*8に対する批判のやり方は、批判する側にもちょっとそこらへんは考えて欲しいところです。そうでないと、せっかく対話する気になっている人をまた一人逃がしてしまうことになります。


 非難、批判というと、民主党の永田議員がちょっと大変なことになってます。彼とは世代も同じだし、華がある貴重な人材と思っていたので、今回の報道にはちょっと胸を痛めてます。ただ、ね。スキャンダル暴きや、個人批判というのは、議員としてのクオリティを下げていると、僕は思う。だから、今度のことがどうあれ、スタンドプレイはちょっと止めて、次は、政策と、政策をぶち上げる弁舌力で帰ってきて欲しいと思います。顔もいいし、声も大きいんだからさ、後は、聞いて愉快な、肯定感溢れる言葉を、頼みます。


 あー、役人っぽい書き込みだなぁ。




.

*1:それとも、願望?!

*2:一応、僕にしてみれば先輩なわけです。

*3:え?起草してんのも役人だろ?というツッコミ、卓見です。でも、法律そのものは国会の半数以上の賛成で成立します。その責任は、悪法なのか、善法なのかは、国会が負う、という建前をその通りと受け取って役人仕事をしています。

*4:法律の執行者にすぎない以上、法律の制定者を批判できない、という理由に拠るのか、それとも単に自らのプライド、或いは保身のためなのかがよくわからないのです。人は、どんなに恥ずかしい理由でも、それをきれいで正当な理由にすり替えるもので、役人ってそれがとてもうまいんですよね。場合によってはそのすり替えを自分にすら見えないようにしている(一般的に、それを全否定し続けた時に、最後にどこにこだわるかで見えるのですが、そこまで自分を追いつめないようですね)ので、外から見たらもう、さっぱり(^_^;) でも、どちらかといえば、プライド、保身のためかなぁ、なんて無責任ですが、実感します。

*5:それは憲法によって要請されていない。

*6:そういえば、レコード輸入権が制定されるときに、僕は自分のブログで正直に非を認めたわけですが、あれは一介の課長補佐、それも東京国際映画祭に出向中だったから許されたのですかね?内心ビクビクでしたが、結局、お咎めはありませんでした。

*7:これからの製造物に対する義務づけだけでなく、過去のものを売買しちゃいけないというあたりが、軽犯罪法で立ち小便を犯罪化したのと同じくらい偏執狂的な規定だとは思います。ただ、一般的には、規定が行き過ぎている場合は、その運用が緩くなって、結局それなりのところに落ち着くのが実態ですが。

*8:もし的はずれならゴメンなさいですが、批判に答えもせずブログを閉鎖したなら、単なるお役所広報かと非難されてもしょうがないのかもしれません。

bn2islanderbn2islander 2006/02/27 21:38 もし「電気用品安全法」が存在しないで、家電による死亡事故が起きたら、とばっちりは経産省に向かうのだろうなと思いながら、この問題を眺めています。「電化製品の安全は誰が保証するのがベターなのか」と言う視点がなかなか見あたらないのも気になりますね。とは言え、私自身もなかなか答えは出ないのですが。中古の禁止に関しては、少々やりすぎだと思いますが、無承認の新古品が出回ることも想像できますので、やむを得ないかなと思ってはいるのですが。

十六夜十六夜 2006/02/27 23:11 >  まず、わかって欲しいのは、役人はあくまで法律の「執行者」だということ。*3責任追及は国会、せめて政府与党に行ってくれ!というのが正直なところでしょう。

法律を決定するのは国会議員ですが、実際の執行基準を決めるのは官僚なのでは?
『こういうやり方で法律を執行しますよ』と通達を出すのは、官僚ですよね?
今回は、『電気用品安全法の適用範囲に中古品を含める』と、経産省が通達を出したわけですよね?
過去の説明では、『中古品は含まない』と、していたものを、昨年11月から今年1月までの間に、『中古品を含める』ことに決定したんですよね?
これで国会や政府与党に行ってくれは、虫が良すぎるのでは?

これらをコメント欄で指摘されて、閉鎖したわけだから・・・対話の拒否をしたのは谷みどりサイドなのでは?

masaysmasays 2006/02/28 01:06
>bn2islanderさん
>十六夜さん

 これはこれは、味わい深いコメントありがとうございます。

 まず、電用法を見てみましたが、う〜む、これ、ちょっとすごいことになってますね。十六夜さんのコメントを見て、そんな重要な事項が通達でできるのかな?(通常は権利義務の設定と併せ、大きな範囲設定は法律でやって、細かいところを政省令に委任するのだと思います)と思ったのですが、よく法文を読んでみると、げげっ、これは確かに解釈通達ですね。というか、電用法施行以前に作られた商品に関する適用調整がスコーンと抜けている。もし僕が起草担当者なら、a.旧法による承認を経ているものは新法における適合と見なす、b.そもそも販売制限を新法施行前の商品から除外する、とすると思います。a.が普通でしょうか。
 ただ、法文そのものを見ると、文言的には旧法時の商品を除外する規定はないので、法文にのみ忠実になれば通達の通りなのかもしれません。附帯決議とか見てないんですが、国会から中古(旧法準拠商品)を除外させるという意思表示がなされていないのであれば、また国会答弁においてそうした意思表示が政府からされていないのであれば(そこまで気合い入れて過去の経緯を調べてないもので、一般論でご容赦下さい)、その点において経済産業省を非難はできないのですが・・・。(ここは押さえておいてください。実際は官僚がやってるんでしょ、という言い方は流行ですが、法律論としては正しくないと思います。)
 とはいえ、違法ではない、というか形式的には思いっきり適法だとはいえ、やはりバランスが悪い処理だと思います。法文に忠実に施行するのは一つの道理ですが、そうであれば、法律が現実にそぐわない場合、実施段階で調整するか、できれば法改正に持っていくのも一つの道理だと思うのですが。
 そこを指摘されて一方的にサイトを閉めたとすれば、谷サイドが批判されてしかるべきでしょう。むしろ、これを機会にスキームの見直しをやった方がよかったのではと私見ながら思うのですが、しがらみがあったのでしょうか。


 これに関してbn2islanderさんのコメントもなかなか暖かい容認派のご意見で、味わい深いものです。想像の範囲ですが、おそらく電用法の起草者もこういう意識で法案を書いていたのかもしれません。電気は、僕も経験があることですが、自己責任の範囲をどこまで設定するかでもめるところです。けっこうパターナリスティックな消費者保護をやりがちな分野なんですよね。
 個人的には、法律に基づく安全基準を満たしたものにはマークを付けることにして、マーク付きを買うかどうかは買い手の自由とした方がよいのではないかと思います。もし販売者に、マーク無しの商品を販売する場合の説明(注意喚起)義務をかすことができれば、なお良しです。bn2islanderさんのコメントはありがたいのですが、僕はこのスキームがやむを得ないものとまでは言い切れないと思います。いかがでしょうかね。

bn2islanderbn2islander 2006/02/28 01:46 別に暖かいわけでもないんですが、世論が行政責任を追求するのであれば、行政が規制を強化すると言うのは当然だと思うのです。自己責任で通ればいいのですが、BSEや耐震偽装で行政が責任を追及されているところを見ると、何か事があれば行政に矛先が向くのは目に見えるのです。ですから、この電気安全保安法も、仕方ないのかなと思うわけです。消費者が「何か事があれば自分たちで訴訟を起こすので、余計な規制は必要ない。その代わり、訴訟制度を整備してくれ」と言うようになれば、話は別なのでしょうけど。

bn2islanderbn2islander 2006/02/28 01:56 PSEマークの表示義務は、丸〒マークの敗者復活戦という図式なのではないでしょうか。乙種電気製品に関しては、平成7年に丸〒マークが削除されたと言う話ですよね。廃止したのは良いけれども、なにも表示していないのはやはり不味いので、何か表示させる事にした。そのための方便として、電気安全取締法が持ち出されたのではないかという気もしてきました。敗者復活かどうかはともかく、丸〒マークを表示項目から削除したというのはまずかったなとは思います。丸〒マークが削除されていなければ、丸〒マークとPSEマークを同一と見なすことも出来たでしょうに。

masaysmasays 2006/02/28 06:13
>bn2islanderさん

 いや、そう理性的に言ってもらえるのはやっぱり暖かいと(苦笑)。行政側、一般市民側、ともにやらずぼったくりの自己中な意見が多いですから。
 PSEマークの表示義務が丸〒マークの敗者復活戦かについては、ちょっと内情に詳しくないので、コメント留保します。ただ、平成7年に自己責任主義に基づく規制緩和をテーマに電気事業法改正をしていた当時には、基本的にそもそも製造者責任はあるので、甲種の▽〒とグレードアップ版自己責任の○Sの二分法でよいと考えられていたわけで、その意味では○〒が○PSEとして復活することそのものが少し不自然だったということなのでしょう。また、法の趣旨からすると、形式論的には不自然なところもあるのですが、○Sマークを○PSEマークに読み替えればよいとも思います。
 ただし、そういう細かいパッチ充てもよいのですが、そもそも安全に関して、表示(その背後には政府が決める基準というものがある)がないのは販売してはいけないという形の政府規制にすべきなのでしょうか?僕は、やはり◇PSEと○Sの二分法でよいのではないかと思います。ただ、平成15年改正の内情を知らないので、あまりよいコメントは付けられないです。すいません。

bn2islanderbn2islander 2006/03/02 22:02 間が空いてしまいました。まず一点、○Sマークなるものを知りませんでした。調べてみた感想ですが、http://www.s-ninsho.com/s_history.htmlを観る限りは、○SマークをPSEマークと読み替えられない理由が分からないですね。

bn2islanderbn2islander 2006/03/02 22:06 安全に関しての政府規制が必要なのかどうかという話ですが、個人的には政府が行う必要は無く、家電製品に関しては自己責任でいいのではないかと思っています。ただ、万一事故が起こった場合、誰が責任を負うのかという話になりますので、その辺りをもう少し考えたいかなと思います。メーカーに保険加入を義務づけ、保険料を定価に上乗せて販売するというのが一つの案でしょうか。

masaysmasays 2006/03/03 22:39 メーカに保険加入を義務づけ、というのは確かにそうかもしれません。しかし、この「誰が責任をとるか」については、製造物責任法というれっきとした基本法があるので、その上で上乗せさせなければいけないかどうかを判断する必要があると思います。僕は、個人的には、製造物責任法で十分という認識です(確か、電取法規制緩和時にもそういう認識だったと思います)。逆に、そもそもメーカは誰に言われなくとも製造物責任を問われた時のために一定の保険的措置(保険をかけるのでもよいし、積立金を作っておくのでもよいですが)を講じるべきなのです。まぁ自動車運転でも、任意の自動車保険があるにも関わらず、強制的に自動車保有者に保険加入を義務づけていますから、そういう強制保険制度があってもよいのかとは思いますが・・・。ただ、規制緩和ムーブメントの薫陶を受けた世代としては、そこまで政府が強制しなければならないというのは、ちょっと哀しかったりします。

十六夜十六夜 2006/03/08 00:18 経産省迎審議官によりますと、昭和37年から中古販売も電気用品取締法の対象であったそうですが・・・@衆議院予算委員会
なんだか境さんがこうして真面目にコメントに答えられているのすら無に帰させるような凄い答弁で言葉もありませぬ。

ここまでして中古販売も規制しようとするのは、天下り等の利権が絡んでいるのか、それとも面子・プライドの問題なのか・・・境さんはどちらだと思われますか?

masaysmasays 2006/03/08 02:16  迎審議官の説明そのものは、基本的に正しいと思います(なぜ「基本的に」かは、後で出てきます)。確かに、ずっと中古販売は電取法の対象だったわけです。取引全般の規制ですから、中古も新品も基本的に関係ない(なぜこれも「基本的に」かは、後で)わけです。本質的な議論としては、中古を規制しようということそのものにかみつく必要はないと思います。天下りか、面子か、はたまた「法にそう書いてある」からか・・・、ここはよくわかりません。僕個人としては、最後の「法にそう書いてある」という良くも悪くも杓子定規な態度だと思っており、おそらくこのこと自体は内閣法制局での法律審査その他のタイミングで腹をくくっていたのだと思います。利権やプライドでは、この場合は、ないと思ってますが・・・、浅いですかね。
 とまれ、確認したいのですが、何よりも問題にすべきは、その後規制緩和によって乙種の丸〒マークが要らなくなったこと、そしてその後さらに丸PSEマークによる規制が復活した、という事情に鑑みれば、この間に製造、輸入された機器(当然、丸〒マークは普通、ついてない)に対する救済措置が十分でないことです。
 僕の理解では、電気機器は物財としてかなり長期間転々流通することが予想されますから、単に経過措置で一定期間中古売買可能にするというのでは不十分なはずです。かといって全てを無条件に流通可能とするのは、法の趣旨(個人的な好き嫌いは別にして、規制を強化するという法の趣旨はそれとしてあるわけです)に反します(中には製造期日、輸入期日を偽装する業者も出そうですしね)。というわけで、後付的に、なんとか基準を満たしている/満たしていそうなものをよりわけて、流通可能にするということになります。お薦めは、後付的にマーク無しの商品に丸Sマークを簡便かつ安価な方法で、個別に付けてもらうというものです。ややコストはかかりますが、今からでも丸Sマークを付けられるのであればとりあえず問題になっている機器でもなんとかなります。丸Sマークをつける費用については、目をつぶってくださいとしかいえないけど。
 ここであえて批判的ツッコミを入れることも可能です。
 まず、丸PSEマークの表示義務が復活したということは、制度の流れとしては大きな断絶があったとみられ、また新たな法規制をつくったのと同じです。だから、あたかも電取法から今に至るような表現をすることは問題だと思います。だから、事実としては正しいが、それを現在の丸PSEマークの説明として持ち出したのは、ギリギリ言えば問題かも。
 次に、中古販売まで本当に規制するか、というのがあります。製造・輸入段階、そして最初の販売段階で規制できれば、別に中古段階で再度確認せんでもよいとも思えます。だから中古販売規制は、ギリギリ詰めていけば、要らないようにも見えます。
 ただし、こうしたツッコミどころはありますが、大きなところはそうそう影響を受けるものでなく、後付で機器が中古販売可能になるようなマークの運用、活用に話は収斂するように思います。だから、そっちを推したいですね。

bn2islanderbn2islander 2006/03/09 23:21 筋から言えば、製品の安全確認や保証なんて、国がやるべき事とは思わないんですよね。中古製品でもそれは同じで、業界が自ら取り組むことだと思います。今回のPSE問題で、残念なのは「製品の安全保障を誰が行うのか」について議論されてないことです。感情レベルでの話に終始しているような気がして仕方ないのですね。PSE問題では、国民が「製品の安全性」と言うものをどう考えているのかが問われているのかなと思うのですが。

bn2islanderbn2islander 2006/03/09 23:30 PL法において、製造者責任の追及期間が十年という話ですので、それを超えた製品に関しては、ある程度の安全性の確認が必要かも知れませんね。

masaysmasays 2006/03/16 01:12  安全は誰が守るか。これはもう百年戦争だし、保険制度とかまで入れると、見方によって誰が守っている(守らせている、守らされている)は変わるんだろうから、あまり議論する実益はないのかもしれません。でも、確かに議論しておいてほしいところではありました。PL法の10年を越えた措置は、僕は要らないと思います。PSE法では出荷時の安全規制適合は担保するものの、それはその後で事故があった場合の責任まで規定するものではないです。そう考えると、やっぱり安全確保責任は利用者の側にあって、ただPL法で10年間は責任を製造者に転嫁する(から、製造者は10年程度は問題が出ないような商品を製造/輸入せい)ということになっているのでしょう。bn2islanderさんのご指摘からずれていたらゴメーンなんですが、安全性確認はこういう事情なら独立した民間サービスとして生み出されるべきなのだと僕は考えますが、いかがです?
 さてさて、経済産業省の対応が出ましたね。(a)ビンテージものは例外にする、(b)丸PSE後付を支援する、ということですね。(b)については、人海戦術といっても設備もいるだろうし金もかかるし現実的でない、という声はあるものの、基本的に妥当なことだと思います。6月までとかケチくさいこと言ってますが(予算的手当の不自由さもあるのでしょう)もう少しやってほしいものです。問題は(a)で、正直言って、主旨がわかりません。法制度としては、(b)に統一すればよいと思うので、なんで上乗せするのか・・・。法文、特に電用法への変更時の附則を読んでみたのですが、ひょっとすると旧法表示と新法表示の読替規定がない?!本当にないとすると(僕はこういう法改正の常道としててっきり読替規定はあると思ってたのです)こりゃ問題です。経過措置は政令に委任されているので、無茶を言えば読替規定を作ってしまえばいい(無茶というのは、これは法文構成のバランス上、本来は法律での附則に書き込むべき事項だからです)んですが、どうしてもダメなら、(b)の対応をもっと全面的に強化しなくてはならないですね。う〜ん、ようやく問題の深刻さがわかった気がします。周知の不徹底とかそういう問題ではなくて、そもそも、詰めが足りてないし、移行支援が不十分ということなのですね。

ひっとひっと 2006/03/16 09:00 今回の件に関しては安易すぎます
電気用品安全法を中古品にまで適用するのは財産権の侵害ですよ
それに周知がされてない状況はあまりにもお粗末な事です
PSEマークがなければ販売できないということは本来
一次流通(製造業者〜小売り)で対応するのが正しく
(国会審議でも中古品については討論されてない)
憲法29条の規定する法律要件主義に反するので
経済産業省の暴走としか思えません
安全について規制するのであれば国会で審議し別の法律で対応するのが正しい選択だと思います
突然振って沸いた販売禁止で
(経産省が中古も対象であると認めたのは2月17日)
リサイクル業者の悲痛な声は聞こえていますか?
噂ではリサイクル業者の自殺者も出ています
新聞やテレビに出ていない事は多いのです

masaysmasays 2006/03/17 06:21 お怒りは理解します。ですが、ちょっと整理してみましょう。
 まず、財産権の侵害だというご指摘は、その通りです。しかし、権利の制限は法律で行うという原則にはまっていますので、これはクリア。その限りでは、どうしてこんな法律を作ったんだという内容についての批判になります。
 そして、中古販売を規制するのは経済産業省の暴走だという点についてです。法文の場合、言葉はそれ自体の意味で読まれるわけですが、「販売」はあくまで「売ること」に過ぎず、一次流通かどうかを区別する概念を含んでいません。おまけに、この法律の中では、「販売」を特に一次流通と中古に分ける概念を採用していません。したがって、国会で議論されようがされまいが、その点は問題なく通っていると考えざるをえないのではないでしょうか(国会では用語の全てをチェックするわけではありません。質問がないということは、そもそも問題があるとは思われなかったということになります。確かに、仮に国会で質問されて、「中古は入らない主旨です」と答えていたら、それを実施段階で中古に対しても適用するのは違法です。ただ、法文を見る限り、その場合はむしろ「法文上、きちんと中古を抜け」と言われると思います。裏返せば、これは、文言上は中古は入っているように読める、ということです)。ですから、中古販売規制そのものは法の主旨であるというべきです。
 周知不徹底であったというのは経済産業省も認めています。
 ですから、総合すると、手続き上問題はなく、法律としては正当。だけど、運用実務上問題はあった。だけど、そもそも、手続云々より前に、法律の設計として、内容的に問題があるのではないか?ということだと思います。いかがでしょうか?
 リサイクル業者の悲痛な声はわかります。でも、ありとあらゆる規制法は、そういう悲痛な声を前提として作られています。もはや伝説ですが、かつて通商産業省の役人は紡績工場まで出向いて、紡績機を破潰して(一応、補償金なるものはおいていくのですが)帰っていったそうです。政府が権力機関である以上、それは宿命で、悲痛な声があるからできないということではないと思います。
 しかし、僕も同感なのですが、それはそうでも、この規定は問題があるのではないでしょうか。安易すぎるというコメントも、私個人としては、その通りだと思います。とにかく、電話一本で出張検査官が来て、現実的な安価(本当は無料で、といいたいところです)で丸PSEマークを後付けしてくれるような体制を整えないといけない。先日の二階経済産業大臣記者会見ではこれは考えるようだったので、本当にどのくらいコストを下げられるのか、その手腕と配慮をまずは見ようと思っています。