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2009-10-16 演劇鑑賞

[][]岡崎藝術座『ヘアカットさん』




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《演劇》岡崎藝術座 本公演




タイトル: ヘアカットさん


作・演出: 神里雄大




■■出演


内田慈

武谷公雄

折原アキラ

酒井和哉

坊薗初菜



■■スタッフ


照明 黒尾芳昭

照明操作 内山唯美(劇団銀石)

音響協力 高橋真衣

制作 elegirl label 清水美峰子(劇団銀石)梶谷知世(劇団森)

演出助手 岡崎誠二(岡崎藝術座 座長)

フライヤー画 新宅睦仁(ART DIS FOR)

映像制作 ワタナベカズキ(spacenoid)

制作協力 尾形典子(アゴラ企画)

芸術監督 平田オリザ

技術協力 鈴木健介(アゴラ企画)


■■日程


10月16日(金)〜10月25日(日)



■■場所


こまばアゴラ劇場



■■チケット


こちら








《感想文:五反田周辺》




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■ 天才神里雄大健在 !!



と書けばおさまりがよいか。ま、岡崎藝術座の公演は初めてだったけど神里くんの演出作品を観るのは3本目(1本目2本目)だったから、どういう展開になるか予想できないことは予想できていて、やっぱり予想通り予想できませんでした。



■ 南米っぽい



と書けばおさまりがよいか。いきなり坊薗さんが熱唱しだして、手拍子求めるからやってみたけれど、「歌うまいなー」とは思ったけれど、そうそう途中内田ちかさんも歌うねんけど「歌うまいなー」ってやっぱり思ったけど、「歌詞めちゃくちゃやん」「何年代の歌謡曲やねん」って思ったし、「このテンションの高さはいったいなんやねん!」って感じやったし、ふりつけかなんか分からんけど役者さんの動きも全部ヘンで、こういうと語弊があるから、役者が悪いんじゃないから言い直すと、犬のコンクールで「お手」をするところで「逆立ち」するように調教されたような犬で、いや役者で、「南米か!」と心のなかで叫んでみたけれども、忠実に言えば「山手線か!」ということになるんやけど、それはやっぱ「ちゃうちゃう」。



 なんやこれ???



あーあ、言うてもた。 ま、「・・・・」という感じで終始ポカーンとして観てました。失笑しながらみていて、ヘアカットさんがやっと出てきたのが20時16分で、切った髪の毛はゴミとして捨ててしまうけど、なかにはオレやから拾い集めて返してくれというお客さんがいるというくだりは「なんとなくわかる気するなー」ぐらいには感じて観てたけど、そんなこんなで観客であるところのぼくはずっとポカーンとしていて、いっぽう役者さんはいい感じに演じ続けていて、舞台が客席からどんどんどんどん離れていってしまうようで、「あかんもう追いつけへん」「あいつらにはついて行けへん」ってへたばりかけたんやけど、どうやらここはトラックになっていて、やつらがトラック1周分よぶんに走ってくれたみたいで、結果的には追いついてめでたくゴール!!


ちょっとちょっと「これってええ話やん!」ってわかって得した気分。



おわり。



ヘアカットさん みてから五反田(団)みに行くのはええ流れやと思います。逆に五反田(団)みてからヘアカットさんみにいくのもええ流れやと思います。


明日は五反田をみに池袋へレッツゴー!!






 《追記》(その1)




これで《秋の演劇十番勝負》も4番目ということになるけど、全部全然違うんです。演劇界に「いまはこれがいけている!」「これがはやりだ!」みたいな大きな流れがあるんじゃなくて、女子界みたいに「今年はスパッツを履くように!」と校則で決まっている訳ではなくて、個々の作家や演出家が、そして俳優がそれぞれ問題意識を持って取り組んだ作品を披露しているのです。これは演劇界が儲かっているかどうかは別として、演劇自体のコンディションがすごく良い証拠です。だからこそ、いろんな劇団の公演を観たくなる。


そして、岡崎藝術座(神里くん)について言えば、この独特の世界観を身近な場所で、駒場の商店街で観られるということが何よりもうれしいし、観たいと思う最大の理由です。


例えばボルヘスやらガルシア=マルケスといった中南米の作家を読んでもやはり理解しづらい。ぼくとは育ってきた環境が決定的に違うから。このまえ評価の高いファン・ルルフォ『ペドロ・パラモ』を読んだけど、面白い書き方だとは思ったけれども、ちゃんと感じることはできなかった。このような書き方を自然と思えるメキシコという《場》をよく知らんし、登場人物の名前が全然覚えられへんし、名前を山田さんとかに替えればよいという問題ではないし。


神里くんが南米に住んでいたからという訳ではないし、南米帰りの人がみんなみんなこんな感じである訳ではないし、神里くん=南米では決してないのだけど、我々が俗に中南米の文学作品を評して「南米っぽい」という何かを神里くんは神里くん独自のものとして持っている。そこから生まれてくる作品に接することは、誤解を恐れずに言えば、ガルシア=マルケスを読む以上に重要であり、かつその体験から得るものも大きいと言えるでしょう。


飛行機に乗ってとか大げさな話じゃないんで、東京近郊の人は電車で行けるんで、ふらりと駒場へ行ってみてください。



ペドロ・パラモ (岩波文庫)

ペドロ・パラモ (岩波文庫)






 《追記》(その2)




ぼくの好きな坊薗初菜さんや内田慈さんといったお馴染みの女優さんが出ていたので質問してみました。




神里くんはふだん話していることも分かるようで分からないようで、なんだか掴みどころのない人ですが、そういった彼の作品を自分のものにして演じることはできるのですか? 例えばお二人は五反田団の前田司郎さんの作品にも出演されていて、前田さんの作品はいわゆる「こうやって演じておけば大丈夫」というような演劇のセオリーが通じないから難しいと思うのですが、神里くんの作品はそんな前田さんともまた違って、演じるのがものすごく難しいと思うのですがいかがですか?




答えは「神里くんの演技指導は的確だから特に問題はない」ということでした。また「ここは妥協しないで、もっと激しくやって」というような指示がけっこう多いそうで、そもそも演じることが大好きな役者にとっては好みの演出家でもあるようです。


ま、そう言われてみれば、1つ1つのシーンはちゃんと出来ているし、役者もちゃんと演じているから一応なっとくするけど、、、。でもね、あれがなんでできるんやろうという疑問はやはり解消されませんでした。恐るべしプロの世界ですわ。






 ※ photo by montrez moi les photos









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