サンプル『自慢の息子』




松井周さんの『自慢の息子』が岸田戯曲賞を受賞!!


第55回岸田國士戯曲賞発表


岸田戯曲賞を獲ったから『自慢の息子』なのではありません。



岸田戯曲賞を獲っても獲らなくても『自慢の息子』です!



これが『自慢の息子』です!





 



 



 



 






おっと、松井周さん本人でした。



失礼しました。



おめでとうございます!!!









  


  



これ、サンプルだけどよくできてます。前売り買ったらチケットといっしょに送られてきたのだけど、ちゃんと封筒に入るように製本されている。こういうさりげない気配りがうれしい!




《演劇》サンプル 本公演




タイトル: 『自慢の息子』



作・演出: 松井周


■■出演


古舘寛治 古屋隆太 (サンプル・青年団


羽場睦子


奥田洋平 兵藤久美 (青年団


野津あおい



■■スタッフ


舞台美術:杉山至+鴉屋


照明:木藤 歩


音響:中村嘉宏


衣装:小松陽佳留(une chrysantheme)


舞台監督:熊谷祐子


演出助手:郷 淳子


演出助手・WEB・映像:牧内彰


ラマダーク:野村政之


英語字幕:小畑克典


フライヤーデザイン:京(kyo.designworks)


宣伝写真:momoko japan


制作:三好佐智子、坂田厚子、坂本もも



■■日程・場所


〈東京公演〉
2010年9月15日(水)〜21日(火)@アトリエヘリコプター


〈大阪公演〉
2010年9月25日(土)〜26日(日)@精華小劇場





《感想文:ペットボトルにおっぱいをあげる自慢の息子》


美しい!



小劇場に通い始めて以来、俳優の力はずっと感じてきたけど、マテリアルの力をこれほど感じた作品は初めてだ!



サンプルはお気に入りの劇団なので毎回観劇しているのだけど、いつもは見てはいけないものを見てしまった感がつよくて、後ろめたいというか、人にはオススメできないというか、とくに女の子には、、、という感じなのだけど『自慢の息子』は「サンプルの演劇っていいよ」って自慢できるな、って思う。古舘さんのヒゲも、羽場さんのグラサンも、古屋さんの筋肉も、すべて込み込みで、なんと¥3,000(当日券¥3.300)!



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さて、アフタートークで松井周さんがペットボトルのお茶を例えに話していたのだけど、だいたいこんな話。



多くの人にとってはこれは単なるお茶だけど、俳優に対してはこれを子どもだと思って抱っこしてみてって言ったり、おっぱいあげてみてって言ったり、それが男であっても言ってみたり、あるいはこれをオシッコと思ってって言ってみたりする。

僕が見ている青と隣人が見ている青は違うと言うように、僕が見ている風景と隣人が見ている風景は違うというように、あるいは逆に砂漠も海も同じに見えるというように。



『自慢の息子』が面白いのは、俳優の能力の引き出し方がうまくいっているということで、ヒゲも、筋肉も、黒髪も、すべて込み込みで。



舞台で扱われている布もロープもおもちゃもグラサンもヘリコプターも(ちなみに劇場のなまえはアトリエヘリコプター)、そして声も音も音楽もすべて込み込みで。



いったいどこまでが岩で、どこからが山なのか?



いったいどこまでが部屋で、どこからが国なのか???



オーケストラのことを考えた。指揮者は何を指揮しているのか? 人を指揮しているのか? 楽器を指揮しているのか? 音を指揮しているのか? 指揮者が100人いれば100通りの答えが返ってきそうだけど、オーケストラの場合「奏者ー楽器ー音」は固定されていて「トランペット奏者Aはトランペットを吹いてトランペットの音を出す」というのは変わらない。



でも演劇の場合は「トランペット奏者Aがドラムを舐めてペチャペチャ音を出す」ことがあり得る訳で、人を指揮しているのか? 楽器を指揮しているのか? 音を指揮しているのか? という質問はオーケストラ以上に複雑な様相を呈してくる。


そして松井周は答えるだろう。「人も 物も 現象も すべてフラットに扱う」と。


そして出来た『自慢の息子』は〈関係〉というより〈様相〉って感じになってきている。



極めてクリアに〈様相〉化している!?



いい作品だと、思う。



ぜひ!







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