MCR『言うなればゲシュタルト崩壊』
《演劇》MCR
タイトル: 『言うなればゲシュタルト崩壊』
作・演出: 櫻井智也
■■出演
西山聡(ブラジル) 金沢涼恵(クロムモリブデン)
本井博之 熊野善啓(チャリIT企画)
伊達香苗
櫻井智也 おがわじゅんや 北島広貴
■■日程・場所
2014年6月4日(水)〜6月8日(日)@下北沢 駅前劇場
《感想文:目を閉じておいでよ》
【演劇】MCR「言うなればゲシュタルト崩壊」(1)
主宰の櫻井智也さんの人柄が、出演俳優全員の骨の髄まで沁み渡った力作だった。
【演劇】MCR「言うなればゲシュタルト崩壊」(2)
櫻井智也さんの人柄ってのは、う〜ん、ユースケ・サンタマリアさんやハイバイの岩井秀人さんのような感じかな? 能面やのにすっごく暑苦しい(笑)
【演劇】MCR「言うなればゲシュタルト崩壊」(3)
櫻井さんや、客演の西山聡さんも含めた男性陣の暑苦しさはさることながら、金沢涼恵さんやザンヨウコさんといった女性陣も負けじと暑苦しかった(汗)。後藤飛鳥さんは、暑さを中和する役だったけど、それでもやっぱり暑苦しかった(笑)。
【演劇】MCR「言うなればゲシュタルト崩壊」(4)
観劇していて嬉しかったのは、いまふうに言えば、昭和な感じがしたこと。シモキタ的に言えば、改造される前の駅って感じ。この感じを出せる人がやっぱりいなくなったよね。
【演劇】MCR「言うなればゲシュタルト崩壊」(5)
少し前まではお笑い芸人がこの昭和な感じを持っていたのだけど、最近は感じられなくなった。
【演劇】MCR「言うなればゲシュタルト崩壊」(6)
昭和の芸人は、小さな箱での営業を長く続けてからテレビに出たけど、平成の芸人は、テレビに出てから小さな箱に出るようになってきたから。
【演劇】MCR「言うなればゲシュタルト崩壊」(7)
あと、若い芸人が「たけしさん、たけしさん」ってよく言うけど、このたけしは、世界のTAKESHIであって、ロン毛でラッパズボンを履いていた昭和40年代のたけしじゃない。
【演劇】MCR「言うなればゲシュタルト崩壊」(8)
お笑い事務所のビジネス戦略がはまって、お笑い芸人がテレビを制覇したけど、なんかー、つまんねー、よなー、
(9)
【演劇】MCR「言うなればゲシュタルト崩壊」(10)
きょう、客入れの時にバービーボーイズが流れていたけど、MCRはそのまんま。舞台のセットもスーパージョッキーか元気が出るテレビみたいで、あの頃のケバケバしくて、暑苦しい感じがやっぱりした。
【演劇】MCR「言うなればゲシュタルト崩壊」(11)
この気持ちって、「ALWAYS三丁目の夕日」みたいなノスタルジーなんかなー?う〜ん、違うと思うねんけど。
【演劇】MCR「言うなればゲシュタルト崩壊」(12)
櫻井さんが書くのは、落ちぶれたレスラーや、解散したロックバンドといった映画や小説でよく扱われるモチーフだけど、これらの人物への年季の入り具合が違う。彼の場合は、とにかく暑苦しい(汗)。
【演劇】MCR「言うなればゲシュタルト崩壊」(13)
それにサクセスストーリーを描いて観客の気持ちを高揚させるような感じではなくて、泥沼化した救いようのない状況が延々とぐりぐりぐりぐり書き殴られて、無限後退していく…
【演劇】MCR「言うなればゲシュタルト崩壊」(14)
櫻井智也さんは、意外かもしれないけど、けっこう哲学プロパーな書き手でもある。
【演劇】MCR「言うなればゲシュタルト崩壊」(15)
櫻井智也さんは、不条理について書くことを得意としているようだけど、サルトルというよりは、どちらかと言えば、ヘーゲルじゃなかろうか?
ナポレオン好きのヘーゲル
と
プロレス好きの櫻井智也
繋がった!
【演劇】MCR「言うなればゲシュタルト崩壊」(16)
ここでMCRと昭和の繋がりも解けた! 〆るぜ!
【演劇】MCR「言うなればゲシュタルト崩壊」(17・終)
MCRの演劇は、「ALWAYS三丁目の夕日」のあの頃はよかったねーという昭和ノスタルジーではなく、昭和っていうのは不条理が際立つ時代であったことを実感させてくれる。この感触は決して気持ちよくないし、テレビじゃウケないけど、癖になる(笑)。
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