パラサイト・バイティング 食人草


The Ruins (Trailer) -2008

原題は'The Ruins'。スコット・スミスの『ルインズ 廃墟の奥へ』を、作者自身の脚色で映画化したスリラー映画です。スティーヴン・キングが原作、映画ともに誉めてるのでも有名な作品という事で、発注検討するのは来月なんですが、サンプルも来たしAmazonにもアップされたしで早速見てみました。キャストはジョナサン・タッカージェナ・マローンショーン・アシュモアローラ・ラムジージョー・アンダーソンというソコソコにはメジャーな若手俳優がずらり。製作総指揮はベン・スティラー。ただ、ホラー映画好きなら薄々判ってると思いますが、キングって映画の趣味に全幅の信頼が置けるヒトじゃないのが一抹の不安…。

メキシコのリゾート地でくつろぐ二組のアメリカ人カップル。そこで偶然知り合ったドイツ人の青年に誘われて、彼の弟が向かったまま帰らない地図にも無いマヤの古代遺跡へ興味本位で行ってみる事に。何とか遺跡へ着いた彼らだったが、いきなり現れた原住民から激しい言葉を浴びせかけられる。しかも仲間の一人が発砲され即死! ツタの絡まるピラミッドの頂上へ追いつめられるが、何とそこは食人植物が巣食う恐怖の神殿だった!!

要するに、海外で調子に乗ってたバカ者たちがエラい目に遭うという、典型的な青春ホラー映画のパターン通りの展開。

ただ、そこで襲ってくるのが食人族とか連続殺人鬼ならまだしも、本作の場合は何とツタ! 小説なら成立するのかも知れないけど、いざ絵にしてみるとこれが何ともマヌケな感じ。獲物を狙ってワサワサと這って来るところは、そりゃ最新のCGとか使ってるんだろうけど、昔のB級特撮のと大して違いが無い。更に獲物を追いつめるある特殊能力なんて「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」か!? ってノリだし。

更に、かなり早い段階で舞台がピラミッドの頂上という、かなり狭い場所に限定されちゃうから、作品全体に中々勢いがつかないし、飽きが来ちゃうんですよね。原作は未読だけど、少なくとも映画化には向いてない素材だったんじゃないかなぁ。

まぁそれでも見どころもいくつかあります。一つはかなりグロいゴア表現。いきなりピストルで撃たれて頭の一部がポーン! ツタに食われた足を麻酔無しに大切断! その後は焼いたフライパンでブシュ―! そして傷口から入ったツタを除去するために、やはり麻酔無しで緊急手術!!

そして女優二人の肢体! ジェナ・マローンはビキニと下着止まりですが、ローラ・ラムジーは驚きのフルヌードを披露! オッパイでっかーい!! 彼女はグロ方面でも体を張って頑張ってました。

実は監督は健闘してるんじゃないかと思うんですね。一定の緊張感は保ってるし、何故原住民が騒いでるのかみたいな序盤で見せるべきモノはちゃんと絵で見せてるし。

そんな感じで色々と文句は書きましたが、これも見る前の期待が大きかったから(つまりキングが悪い!)。ビデオスルー程度だと思って見れば、それなりに満足出来るレベルには達してると思います。

ルインズ〈上〉―廃墟の奥へ (扶桑社ミステリー)

ルインズ〈上〉―廃墟の奥へ (扶桑社ミステリー)

ルインズ〈下〉―廃墟の奥へ (扶桑社ミステリー)

ルインズ〈下〉―廃墟の奥へ (扶桑社ミステリー)