ロシア国防省はYak-130を正式に発注した

 ロシア空軍のアレクサンドル・ゼリン大佐はRIAノーボスチに「イルクート社との間に高等練習機Yak-130を65機空軍に納入する契約を締結した」と述べました。(ノーボスチ

(↑Yak-130)
 「Yak-130の価格が決定されてから二週間、正式に発注の契約が締結されてから一週間です」彼は述べました。Yak-130は65機発注され2017年までに今回の注文分が空軍に納入されます。また、大佐はYak-130で部隊を組み訓練を行うことは既に防衛大臣の了承を得ていると付け加えました。


 Yak-130は第4世代・第4.5世代・第5世代ジェット戦闘機を想定した高等練習機で、最近流行りの「高等練習機兼軽攻撃機」です。4重のデジタル式フライバイワイヤを備え実機と同じような条件を再現できることからSu-27やSu-30やMiG-29といったロシア系の現役の機種はもちろん将来のMiG-35や主に輸出向けのSu-35、欧州機であるグリペンやタイフーンや古参のミラージュ2000、さらにはアメリカ機であるF-15F-16F-22F-35などの飛行訓練を短時間で完了させることができるとしています。例示されている機種の多さからもそれなりに幅広く輸出を想定していることがわかります。日本で言うところに川崎T-4世代の練習機で、ロシア国内(当時ソ連)ではL-29やL-39の後継機として開発が開始されましたが例によって資金不足や、その資金不足を解消するための海外メーカーとの提携が原因のトラブルなどで開発は遅れ、飛行できない試作初号機の公開が1994年11月30日、最初の量産仕様機の初飛行は2004年4月30日となりました。(なお提携先のイタリアのアエルマッキ社が開発した”西側向け仕様のYak-130”であるM-346は三星ロッキード・マーティンが共同開発した韓国の高等練習機兼軽攻撃機T-50とアラブ首長国連邦の高等練習機の座をめぐって争いT-50に勝利しています。)
 現在Yak-130はロシアの他アルジェリアが16機発注しています。また、リビアに6機を提供する予定でしたが内戦勃発により凍結されています。なお、射出座席はK-36系列。

(↑Yak-130のコクピット

【諸元】乗員:2名 全長:11.49 m 全幅:9.72 m 全高:4.76 m 翼面積:63.5 m² 翼面荷重:276.4 kg/m² 空虚重量:4,600 kg 運用重量:6,350 kg エンジン:クリモフRD-35Mの改良型×2(推力21.58 kN)最大速度:1,037 km/h  巡航速度:887 km/h 失速速度:165 km/h 航続距離:2,546 km 推力重量比:0.68 耐用時間:15,000〜25,000時間(機体には複合素材及び金属を使用) 内部燃料搭載量:2,060 L(別途容量700 LのCFTを装着可能) ハードポイント:9カ所(うち兵装装備可能なパイロンは7カ所)