ロシア海軍はボレイ級戦略原潜を一時的に多目的潜水艦として運用する?

 RIAノーボスチによると、ロシア海軍は一時的にプロジェクト955のボレイ級の2番艦K-550”アレクサンドル・ネフスキー”と3番艦”ウラジミール・モノマーフ”を戦略原潜としてではなく多目的攻撃原潜として運用する可能性があるとのこと。

(↑ボレイ級戦略原潜
 上級参謀主席は、ボレイ級においてSLBM”3M14 ブラヴァー”ではなく通常の魚雷とロケット魚雷を運用することは考えられることだとRIAノーボスチに語りました。2012年末に海軍に引き渡されたボレイ級1番艦のK-535”ユーリー・ドルゴルーキー”で9月6日に行われた前回のブラヴァーSLBM発射の失敗を受けて国防相セルゲイ・ショイグはボレイ級の艦隊への編入を凍結しさらに5発のブラヴァSLBMの試射を行い様子を見ることを決定しました。
 しかしそうしている間にも2番艦の”アレクサンドル・ネフスキー”は2013年末に艦隊に編入される予定であり、そのように準備されてきました。そのため先ほどの参謀は「”アレクサンドル・ネフスキー”を稼動状態に置くため、”ブラヴァSLBM”の代わりに系統的な艦載魚雷とロケット魚雷を搭載して多目的攻撃型原潜として運用することもあり得ます。実際に、技術科学の博士は学校で数学の教師として教鞭を執れます。」と述べ、ボレイ級を攻撃型原潜として運用することの妥当性を訴えました。
 彼によれば、このような暫定的な決定はアレクサンドル・ネフスキーについてのみ行われる可能性があり、他の艦については何も言及されていない。潜水艦のクルーは海上で任務を行いつつブラヴァSLBMに関する問題を解決するための訓練に従事することができるとしています。
 彼は今回の事態について、ラーダ級ディーゼル潜水艦の1番艦B-585”サンクトペテルブルク”を思い起こすよう提起しました。「”サンクトペテルブルク”が早くも曳航試験の段階で2010年初頭に採用されたにもかかわらず未だにその当時の扱いのままであり現時点で戦闘部隊に編入されていません。彼は北方艦隊で試験を行っています」と述べ、海軍への採用と戦闘部隊への編入を分けて考えるよう促したようです。

(↑海面下から発射されるブラヴァSLBM
 戦略原潜を多目的原潜として運用するという字面はインパクトのあるものですが、結局のところボレイ級をブラヴァーの不安がなくなるまで実戦部隊への編入を保留したままにするか魚雷で武装した状態で艦隊に編入するかどちらかの処置をとることになるかもしれない、という話でしょう。2番艦の”アレクサンドル・ネフスキー”の引き渡しまでに5発の試射を行うことは日程的・発射地点の環境的(流氷)にも不可能なのでいずれかの措置が選ばれると思われます。