vermilion::text F5555 555号処置室 

彼は目覚めた。
手術台の上は明るく照らされていたが彼にとっては世界は、今までと違い、たそがれて黄色く濁った世界だった。
接続が繋がれ、彼の元へ痛みが発生する。
壮絶な痛みに彼は手術台の上で身もだえる。それが彼自身が自分に課した損傷の代償だ。
「はああっうぅぅ、ぐぐぐっ」
声にならないうめきを漏らし、弱々しく体を震わせる。痛みから逃れることはどうにも出来ない。耐えることも、逃げることも、弱めることも。暴力的な痛みに打ちのめされる。なにもできることがない。
何も楽にすることも出来ず横たわるしかない。熱いとも痛いともしれない、衝撃とうずきが、鼻から眼球へと抜け、脳みそを抉る。めまいがし、吐き気を催す。それに対処することも出来ない。体を動かすことも出来ない。吐き気のままに横たわり、そのまま吐瀉してしまうのかと思った。そのまま吐瀉物に溺れて死んでしまうかも。いやこんな痛みに耐えるなら死んでしまった方がいいかも。
あまりに哀れに思ったか、神経の信号を半分に落された。
痛みはわずかばかり去り、ひどい頭痛と、鼻を思い切り打った程度の痛みの倍ぐらいのうずきになった。
通常であれば、怖ろしく痛いはずだが、先ほどの衝撃に比べたら、これならまだ耐えられる程度の痛みだと感じた。
なんとか体を起こし、少しでも吐き気と痛みが楽になる姿勢を探した。
ようやくいくらかましになる体勢を見つけ、じっと落ち着くのを待つ。しばらくすると、なんとか口を聞いたり自分の情況を考える余裕が出来てきた。
「ここは、一体、僕はどうして」
記憶を思い出そうとしていた。
37階で本を見つけそれを開いたことは覚えている。
その後は?
記憶が曖昧になっていた。その本を開いてなにを見た?思い出せない。思い出したくない気もする。
それ以前、自分はなんでここに。この世界のことは知っている。塔だ。紅い外観の果てしない塔。その塔に入り、昇ってきた。その前はわからない。思い出せない。覚えているのはこの塔のことだけだ。
ひたすら上を目指しあの本を見た。どうしてだかわからないが、激しい絶望と殺意が湧いたことを身体で記憶していた。ひたすら自分を壊したく身体を傷つけたはずだ。その後は、わからない。死にきれず、どこかを這い回ったような気もする。それは夢なのか?。すすった泥水や腐敗した酸い食べ物の残りが口の中にあるような感じがする。錯覚だといいが。
水が飲みたくなった。
「……水を」
しばらくすると口に棒の感触があった。くわえると、液体が流れ込んでくる。口をすすぎながら水を飲んだ。
「ここはどこだ?」
一息ついて尋ねる。
「ここは555号処置室。階層で言うと、5555階だな」
「そんなところに、なぜ」
「まあ、死ぬところを救ってやった、という所かな」
「なぜ?」
「きみは見たろう、あの本を」
「ああ、見たとも、それがどうした?」
「あの本を見た者は運命に捕らえられる」
「どういうこと……どんな運命だ?」
「戦い合う運命さ。どこかの気まぐれな人間が作った暇潰しの本。それを見た者同士は戦い合わなければならない」
「そんな事は自分には関係ない」
「ああ、君が関係なかろうと、敵は襲ってくるよ。死にたくなければ戦うことだ。生き続けたければ、戦いつつけることだ」
「俺は戦わない」
「どうかな、君は、自分で思っているよりしぶといよ。泥を食っても生き続けようとした。なかなか見どころがあるから生かしてみることにした。僕の楽しみのために、戦い合ってくれないかな?」
「いやだ」
「いいや、君は否定しても、生きるために武器を取るね」
「そんなことはない」
「あるよ、だから癒してやる。戦いを見せてくれ」
終幕
とか、そんな思いつき。「vermilion::夢と希望と殺意の固まり」を見た人間と戦いに行っちゃうと。そのためには修行しなきゃいけない。自分のキャラを強い者と設定するためには、修行の旅の物語を書かなければいけない。あのキャラと戦うために、こんな修行をしたと。相手も対抗策にこういう修行をしたと。お互いにそれを読むとどっちが勝つかわかる。とか、別にどこかのネットゲーム(オセロでもいい)で勝敗を決めて、勝敗を決める(といっても生死が決るわけではない、勝者と敗者になるだけ)常識的には、勝者になった方が勝ち側視点の話を書いてから敗者が屈辱の敗者の物語を書くとか。
なんてなー、面倒臭くてする気はないが。どうも、勝負物はジャンプ的で、マッチョリズムで、基本的には面白くは無いんだけど、仮面ライダー龍騎とかファイズとか見ていると、結構脚本書いてる人は、楽しそうに書いてるなあと感じるようになった。あと勝負の前の修行に関して、どうしたら強くなるとか考えることは、パズル的に楽しいなと。ハンター×ハンター風なのだろうか?つうか、読んでないし、JOJOも読んでないし、本当はクリエーター志望者だったらやばいんじゃないかと。
修行アイデア対決というのは面白いのかも、判定は読者(って、そういうジャッジは無理だけど)
とか、これは本気の書き物じゃないんですけどね。