そろそろ文学フリマとゼロアカについて一言なんか言っておくか

今週末の9日(日)に文学フリマが開かれる。

あなたはこのイベントに行かなければ必ず後悔するだろう。特にあなたが「何かについて語る」という行為に興味を持つならばなおさらだ。


文学フリマでは毎年、人文関係の、特に文学や批評界のスター、そしてネット(主にはてな)のちょっとした有名人が多数集まり、ちょっとした賑わいを見せるのだが、今年は何か不穏な空気、何かが起こるような予感がしてしょうがない。


まずは僕の彼女だ。
文フリの話をちょっとしたらなぜか喰い付いてきて「行く」とか言い出した。批評の"ひ"の字も知らないジェラートハーゲンダッツ好きの彼女がなぜこんなイベントに興味を持ったのか謎だ。
当日ポッチャリキューティを連れた赤メガネがいたらおそらく僕なのでみんなよろしくね!


…とまぁ冗談はこれくらいにしよう。


僕は今年の文フリはあの第1回文学フリマに次ぐ、あるいはそれを超えるイベントになることを確信している。


第1回文学フリマ…、
ブースで一人寂しく同人誌を売る佐藤友哉
あの舞城王太郎西尾維新、佐藤による伝説の『タンデムローターの方法論』。
佐藤友哉は当時、ほとんど無名であるにも関わらず、会場で一番目立っていた。彼のブースには長蛇の列ができるからだ。
入り口から続く佐藤友哉への長い列。僕はそこに並びながら歴史が動く瞬間に立ち会っているのだという実感に打ち震えていた。


第1回はそれだけでは無い。
突然予告も無く始まった、大塚英志鎌田哲哉のガチバトル、いきなり現れ参戦する福田和也、大塚に噛み付く福田和也ゼミの生徒、それにマジになって反論する大塚英志…。
会場は騒然としカオスの様相を呈していた…。


僕がなぜ、今年はそれに次ぐ、あるいは超えると感じているか。

ご存知の通り、あの東浩紀による「ゼロアカ道場」の第4関門が行われるからだ。

イベントの詳細はここでは省こう、とにかく今回の文学フリマでこのゼロアカ門下生の何人かの若者の人生が大きく動いてしまうのだ。東浩紀は罪な男だ、彼は批評を延命させるためなら手段を選ばない。文学と批評なんかの未来のためになぜ彼はあんなにも必死なのか。彼は取り憑かれてしまったのだ、批評、あるいはニューアカの亡霊に。

今回のイベントが「ゼロアカ」道場なのは示唆的だ。参加者はこれまた不幸なことに亡霊に憑かれてしまった数名の若者たち。

彼らは亡霊を延命させるとともに亡霊を退治することも命じられる。矛盾した命令に戸惑う門下生。

この半年間以上、彼らは苦しみもだえていたはずだ。その彼らの現時点での一つの結論が今回出されるのだ。見逃せるはずがない。


では今回、僕が応援し注目している2組を紹介しようと思う。今回のイベントに関しては僕は客観的な立場を取り得ない。2組とも僕が前々から注目していた人物であり、友人だ。しかしその実力のポテンシャルは保証する。あなたも彼らの批評誌を楽しんでもらえるはずだ。

最終批評神話id:BST-72-Chihaya

上が彼らによる批評誌の紹介とその目次だ。はてブでも話題になったので知ってる人も多いはずだ。

わるいがここでは個人的な話をさせてもらおう。

村上氏と知り合ったのは3年前のことだ。僕はその衝撃を今でもよく覚えている。

「汲めども尽きぬ饒舌さ」…。斎藤環東浩紀を評して使った言葉だが、これは村上氏にもそのまま当てはまる。

僕は彼のその語り口に酔いしれてしまった。ヌーヴォーロマン、マラルメ三島由紀夫ラカン東浩紀少年マガジンエヴァ、ギャルゲー…。彼にとっては全てが等価であるようだった。新鮮だった、同年代に村上氏のような人間がいることにこれ以上にない喜びを感じた。次のエントリーには彼のその語り口が少し味わえるはずだ。

しかし彼はパートナー、ツッコミ役を果たせる相方に恵まれなかったように思う。しかし、今回彼は峰尾(id:mine-o)という面白いパートナーに巡り会えた。今回の表紙には二人の幸福な化学反応が垣間見える。彼らは二人でニコマス(ニコニコのアイドルマスター動画)という批評にとっては新たなフロンティアに立ち向かったようだ。そこで彼らは何を発見したのか?元長の言う「東浩紀を超えた瞬間」とは何なのか?
気になるなら会場に向かおう。歴史の証人はあなただ。


もうひとつは日付を変えて紹介することにしよう。