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2017-07-04

朝山慎一郎ほか(2017)「気候論争における反省的アドボカシーに向けて」

【まだ書きかえます。どこをいつ書きかえたかを必ずしも明示しません。】

次の論文が出版されました。科学技術社会論学術論文です。

要旨は次のとおりです。

気候変動問題において科学と政治は不可分の関係にある.複雑で不確実性を含む政策決定には科学的な知識が不可欠である反面,問題のフレーミングや政策の選択には多様な価値観の対立が伴い,科学だけでは意見の合意を導けない.本稿では,政策における科学の役割を考察する上で,特に科学者のアドボカシーをめぐる問題に焦点を当てる.気候変動問題では,科学の名の下に客観性を装いながら特定の政策を擁護する隠れアドボカシーの罠が潜む一方で,問題の緊急性ゆえに科学者の沈黙は現状維持のアドボカシーに陥ってしまうジレンマがある.錯綜する科学と政策の関係において,科学者は,自らの価値観を明示するだけでなく,アドボカシーに伴う社会的な影響や副作用自己批判的に省察する責任を負う.

ここでいうアドボカシー(advocacy)とは、およそ、政策に関する意見を主張することをさしています。それは科学者の本来の職務とはちがいます。しかし、科学者である各個人にとって、社会の一員であり科学的知識を持つ人がアドボカシーに踏みこむべきだと感じられることもあります。その場合にどのような注意が必要かを考えました。

この論文は基本的に朝山さんのお仕事で、わたしでは思いつかない論点もいろいろありますが、わたしも、Hansen氏の言動への評価やPielke (Jr.)氏の著作の論点の解釈などいくつもの論点について意見を述べ、わたしの考えと矛盾のないように文章をなおしてもらいましたので、共著者としての仕事はしたと思っています。

論文の謝辞にも書いてありますが、この論文のきっかけは、2014年9月に行なった、科学技術社会論(STS)学会シンポジウムでした。このシンポジウムは、わたしが世話役として朝山さんを含む4人のかたに講演をしていただきました。(準備段階のお知らせなどはこのブログカテゴリー「STS学会シンポジウム企画」の記事群に残っています。) シンポジウムのあと、報告を学会誌『科学技術社会論研究』に出す予定にしておりましたが、そのころからわたしの業務処理能力がおとろえてしまったため、果たせないままになっており、申しわけなく思います。朝山さんの講演のところだけ、しかもわたしの名まえを入れて、おおやけにするのは、心苦しいのですが、これが今のわたしの能力でできる最善の形と考えました。

今後、わたし自身によるアドボカシーに関する議論をする際に、この論文をも参照するようにしたいと思います。

記事カテゴリー「お知らせ」の分割

【まだ書きかえます。どこをいつ書きかえたかを必ずしも明示しません。】

このブログの記事には、「カテゴリー」という分類がつけてあることがあります。記事題名の前に「[お知らせ]」と表示されるときの「お知らせ」がその一例です。

これまで「お知らせ」のカテゴリーに入れた記事には、いろいろな性格のものがまざっていました。読むかたに区別がつけやすいように、これからは、次のように分けることにします。(過去のものは分類しなおしません。)

  • ブログお知らせ」: このブログの運営方針に関すること、わたし個人の事情のうちでとくにこのブログの読者のみなさんにわかっておいていただきたいこと、などを書きます。
  • 行事お知らせ」: シンポジウム・講演会・討論会などの会合、展示、集団での視察・訪問などの行事を予告する記事をのせます。わたしが主催にかかわっているものに限りませんが、わたしが知っている人がかかわっているものが多いです。わたしが出席予定のものもそうでないものもあります。参加をおすすめしたいと思うものが多くなると思いますが、おすすめの程度はまちまちです。
  • 出版物お知らせ」: 本や論文などの出版物についての情報です。新しく出版されたものをお知らせすることがおもになります。わたしが執筆や編集にかかわっているものや、わたしが知っている人がかかわっているものが多くなります。
  • お知らせ」のカテゴリーは、これからは、上のいずれにもうまくあてはまらないお知らせに使います。

(この記事自体のカテゴリーは「ブログお知らせ」となります。ただし、見つかりやすくするつごうで、「お知らせ」「行事お知らせ」「出版物お知らせ」にも入れておきます。)