セイカンマッサージ

超人みの生還


突如僕の目に飛び込んできたこの6文字。
かろうじて日本語であることは分かるのだが・・。
単語と単語の切れ目を認識するには10秒ほど時間が必要だった。
本当は「超人なみの性感」という文章にしたかったのではないか・・
間に「な」が抜けているだけなのだろうか・・などと
色々考えたのだが、どうもこれで正しいらしい。


超人 みの 生還


みの・・みのむしだろうか。
木の枝にぶらさがってプランプラン揺れている虫のことだ。
いや違うだろう、そんなはずはない。


仮に、仮に、である。


仮に、みのむしが木の枝からポトリと
落ちたにも関わらず、幸運なことに誰にも踏まれなかったとする。
奇跡だ、まさに3丁目の奇跡。
アメニモマケズカゼニモマケズ、強靭な生命力で
みのむしは生き続けた。
そんな時、通りかかった人間に拾われてしまう。
「あぁ、きっと玩具のようにどこかに捨てられるのかな」
と、自分のはかない一生を思い出し涙ぐむみのむし。
その時だった。
なんと拾ってくれたその人間は、持っていた糸くずで
木の枝に元通りにしばりつけてくれたのだった。
「みのむしくん、もう落ちるなよ」
その優しいバリトンボイスの持ち主は、
シローの兄である岸部一徳だった。
彼は弟が借金で苦しんでいたとき一切手助けをしていない。
しかし関係者は言う、彼は優しさに満ち溢れた人間である、と。
(回想時間10秒)


・・などということがあったとしよう。あくまで仮にだ。
確かに奇跡の生還劇である。みのむし界のヒーローになれるだろう。
メディアからはひっぱりだこ、いずれ月9のドラマに出演し
旬の女優と出来ちゃった婚でもしでかすのだろう。
みのむし、されどみのむし。ひょんなことから下克上。


しかし冷静になってみた。
こんなことが記事になるわけがない。
みの・・みの・・・もしや・・・!!
ううっ・・このまとわりつくようなハスキーで熱いシャウト・・
なになに、一晩中踊り明かせだぁバカ言ってんじゃねー!?
でもたまには・・良いもんだな・・ヘヘッ・・。


・・って違うな、そりゃ「もんたよしのり」だ。
話の流れ的に段階を一つ飛ばしてしまっている。
階段を一段飛ばしで駆け上がる、みたいな。


しかしタフだ。タフすぎるぜ御法川。
畏敬の念さえおぼえる。