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2008-07-07

ニコ厨と権利者が対等になったとき、はたして権利者は「動画削除申し立て」できるのか?

動画コミュニティサービス「ニコニコ動画」において、社団法人日本映像ソフト協会などの会員が持つ著作権を侵害した動画が削除された。権利者団体の要請に基づくもので、MADと呼ばれる二次創作作品も含まれる。

ニコニコ動画、映画やアニメの二次創作作品を削除へ--日本映像ソフト協会らの要請で -CNET

ニュースが流れてから5日。私のマイリスはいまのところそんなに被害は受けていないので実感はないのだが、実際にニコニコ動画から大量にMADが削除されているらしく、下記のように動画でデモ活動も行われている。

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また、先日の「ニコニコ大会議2008」の質疑応答コーナーでMAD削除問題を指摘した女性が「MAD美人」として君臨してしまう事件が起きたりと、まあ世の中のニコ厨の関心は「MAD削除反対!MADマンセー!」のようである。かくいう私もいちニコ厨MADファンとして悲しく思うのと同時に、コンテンツ業界のイノベーションスピードがますます落ちる(むしろ衰退する)のでは…とビジネス視点で一抹の不安も覚えていた。


しかし、動画削除の仕様変更ニュースを見て、少し観点が変わった。

おそらく、いままで以上に権利者は動画削除申し立てをしづらくなるのではないかと、私は思う。

ニコニコユーザーの皆様へお知らせです。

動画削除時の仕様について、要望掲示板などで様々な要望を頂いておりましたが、『権利者申し立てによる動画削除の場合、権利者名を表示する機能』を、7月5日午後に実装を予定しています。

動画削除時の仕様変更について −ニコニコニュース

つまり、ニコ厨にとっての「悪者(権利者・削除申立者)」が明文化されるようになり、ユーザーと権利者が対等の立場になったということである。

いままでは動画が削除されても、誰のせいで削除されたかは分からなかった。ユーザーは「くそーカスラックめ!」「Fテレビめ!」なーんて騒ぎつつも、実際に削除申し立てをした権利者を特定することは不可能であったため怒りをぶつける対象が定まらず、負のエネルギーはなんとなく拡散されていたと思われる。

しかし、今回の仕様変更により権利者名が明文化されれば、ユーザーが負のエネルギーをぶつける対象は特定されるため、削除申し立てをした権利者はその攻撃をダイレクトに受けることになるだろう。

たしかにコンテンツの権利を持っているのは権利者であり、権利者がコンテンツを作らない限りユーザーはそれを享受できずに不利益を被ることになるが、その一方で、ユーザーが見て・利用してくれなければコンテンツ権利者は「商売あがったり」状態になるのではないだろうか。


己の利権を死守してユーザーの反感を買うのと、己の権利を多少捨ててもユーザーの支持を維持するのと、どちらが中長期的に見て収益性と革新性が高いのだろうか。

もちろん、悪意のあるコンテンツ利用は制裁すべきではあるが、なんでもかんでも勝手に使ったら削除!という姿勢はいかがなものだろうか。各権利者は、コンテンツ利用者の意図と、その波及効果、期待される利益、そしてイノベーションの可能性などを正しく見極めた上で行動したほうが賢いのではないだろうか。


ニコニコ動画に限っていうなら、

  • ニコニ・コモンズにコンテンツ素材を有料(マージンなり何なり)で提供。
  • ユーザーにはニコニ・コモンズ経由で自由に素材を使わせて動画をバリバリ作らせてやる。
  • ただし、ニコニ・コモンズ経由でない動画に関しては権利者申し立てして削除。

…ってモデルがしっくりくると個人的には考えているのだが、いかがなものだろう。

そうすれば、グレーな部分がクリアになって二次創作市場も盛り上がるだろうし、二次創作市場が盛り上がればコンテンツ市場も盛り上がるだろうし、それなりにwin-winだと思うのだが。


まあ、これは比較的偏ったコンテンツ産業(二次創作による市場拡大が見込めるもの)に限ったモデルなので、全てのコンテンツ産業に当てはまるとは言わない。しかし、根本に流れる思想は全ての産業に適応できるものではないだろうか。

2008-06-02

ライフログ×ネット家電のもたらすミライ

NTTレゾナントiアプリ用サービス「キセキ」をリリースした。

NTTレゾナントは5月29日、携帯電話のGPS機能を利用して訪れた場所の「住所」と「時間」を自動的に記録し、その記録に対して日記を作成できるiアプリ用サービス「キセキ」を開始した。東京、神奈川、千葉、埼玉で利用できる。利用料金は無料。

ライフログサービス「キセキ」、訪れた場所の住所と時間を自動記録 −CNET

アプリをDLして待受アプリに設定すると、自動的にGPSデータが蓄積されていく。その行動データに対して「何をしたか」というコメントを追加することで、行動日記が完成。もちろん外部ブログへの投稿も可能。

まあ、ここまではなんてことのないGPS対応ブログないしはSNS(アテラとかあったね、そういえば…)となんら変わりはない。コメントだって、キセキ上で書かせるよりもmixitwitterなどの既存インフラと連携した方が確実に投稿率は上がるだろうし(ここらへんは「NTTっぽい」なぁ…と思ったりw)。

しかし、次の一説は結構すごい。

 また、ユーザーの行動に適した地域情報を配信する機能も備えている。自分の行動日記として情報を蓄積していくことにより、ユーザーの行動特性情報と現在地、時間に応じた飲食店などの情報を導き出し、リアルタイムで待受アプリ上に配信する。行動日記が蓄積されるほど、精度の高い情報を入手できるという。

実際の行動(位置情報)データでターゲティングして、強制的に「待受」に情報(きっとクーポン広告の類だろう)を配信…さすがNTTグループw 他のサービサーじゃ、待受に情報配信なんてやりたくてもなかなか出来ない。そもそも待受アプリへの壁が厚いし。いやはや恐れ入りまつた。


まあ、正直成功するか否かは微妙なところだと思う。GPS情報に対するユーザー(生活者)の姿勢はまだ懐疑的であり、相当なメリットがない限りはバンバン公開したりはしないのではないか?という仮説からの意見である。現実問題、GPS情報は犯罪の助長にもつながりかねない危険性を持っている。だからキャリアのGPS情報通知サービスには厳重なロックがかけられているし、GPS情報を利用したwebサービスでじゃ精度を荒くするなどの調整している。


そもそも、GPS情報をはじめとする「ライフログ」に対する寛容度が、日本という国は低いように感じる。国民性といってしまえばそれまでなのだが、結局のところ、集合知やらマスコラボレーションやらそういった動きが鈍いのも根本の問題は同じなのだろう。もったいないなぁ…と思う反面、私自身もそこまでダダ漏れではない(というより隠居気味)ので、そう強くも言えなかったりはするw*1hiniclipのトミモトさんUstreamで日常をダダ漏れさせているハイパーブロガー)なんか、ネ申の領域ものだw

ただ、ライフログは今後大きな力を擁するものだと思う。編集されない、リアルなダダ漏れのメタデータの洪水。マネタイズの構造は置いておくとしても、マーケターとしては喉から手が出るほど欲しいデータのはずネットの行動ターゲティングとは異なるリアルな行動ターゲティングが可能になる上、生活者の潜在意識(無意識の行動データ)に触れられるのだから、インサイト発掘に多大な力を発することは想像に難くない。ただ、個人的にはビジネス的視点ではなしに、学問的視点(たとえば考現学のような領域など)だけから見ても重要なデータであり、公開するか否かは別として、記録・蓄積しておくべきデータだと感じている。単純に面白いし、100年後に価値を持つデータだ。


だからこそ今、ネット家電といわれる分野に期待している。テレビでもビデオでも炊飯器でも洗濯機でも冷蔵庫でも体重計でも、ネットにつながりさえすれば自動的にライフログを収集することが可能である。もっというなれば、ゲーム機だってそうだし、本棚だって、椅子だって、浴槽だってライフログ収集のハブになり得る。もちろん、収集ハブとしてだけでなく、メディア(媒体)としての力も大きい。要は、ネット家電などのユビキタス環境が整備されれば、生活者のパーソナルなライフログの収集・蓄積が可能となり、また彼らにとって適切な、メディアニュートラルコミュニケーションが可能となるのだ。


まあ、上記のような「ユートピア(笑)」が出来るまでにどんだけ時間かかるんだYO!という至極もっともなツッコミがあるのは重々承知だが、全部はともかく一部はもう実現しつつあるし、家電業界自体にも「ネット対応」の流れはある(ライフログ発想主体ではないにしろ)わけで、あながち夢物語じゃないのではないかなぁ…と安穏と考えていたりする。

最初、生活者側の抵抗は強いかもしれない。でも、本当に彼らにとって有益で幸せなサービスを提供できるならば、彼らは喜んでデータを提供してくれるのではないだろうか?



まあ、そんな真面目な話は置いといて、なんかライフログ関連でエキサイティングなことができたらいいなぁ… ビジネスじゃなくて、全然良い。いまのところアートとか芸術方面の方が相性が良い状態だろうし。またライフスライスカメラとかやりたいなぁ…(ライフスライスキットが完パケだったため、コチラで代用していたw)

仕事の合間に妄想しよう。うん。そうしよう。

*1:まあ、以前実名でバリバリ情報発信していたときは、かなりのダダ漏れっぷりだったがw

2008-05-11

「ニコニコ×Yahoo!」で何が起きる!?結局トクするのはどっちだ…?

 ヤフーとニワンゴは5月9日、Yahoo! JAPANの各種サービスと、ニワンゴが運営する動画コミュニティサイト「ニコニコ動画(SP1)」の事業で協業することを発表した。

 今回の協業により両社は、特に「動画」や「ID連携」を軸とした新サービスの開発に取り組む。ヤフーの「Yahoo!オークション」「Yahoo!ショッピング」などのサービスとニコニコ動画を組み合わせ、双方の強みを生かしたサービスを提供していくという。

 5月9日より開始するコンテンツ、サービスは以下の通り。

* ニコニコ市場でのYahoo!ショッピング対応

* Yahoo! JAPANでの動画検索に対応

* Yahoo!ツールバーでの動画検索対応

http://:title=「良いサービスとは積極的に組む」--ヤフーがニコニコ動画と連携、オークション商品など掲載へ −Cnet]

Yahoo!JAPANとしては、苦手とするCGM領域での力を伸ばせるし、ニコニコ市場のYahoo!ショッピング対応によるさらなる収益も見込めるようになる。ニコニコとしては、現在の課題である女性や30代以上のユーザーの獲得に繋がる。よって、お互いwin-winの関係で、がんばってマネタイズしていこうNE!とのことらしい。

私個人の感想としては、これでニワンゴは「ニコニコ動画のジェネラル化」にブーストをかけていくつもりなんだろうなぁ…というところ。GoogleだとYouTubeとカニバるからNG、というのも最もな理由だが、MSNでもなく、exiteでもなく、gooでもなく、Yahoo!という選択肢を取ったのは、「日本最大の『ジェネラル層向け』ポータルサイト」だからであろう。まあ、この連携案自体がYahoo!側からの提案で行われたことを差し引いても、今のニワンゴにとって「ニコ動をどれだけジェネラル化できるか」が課題(のように見える)である限り、Yahoo!との連携はなくてはならないステップだったと想像に難くない。


今後、Yahoo!経由のトラフィックが全体のどの程度を占めていくのか、ちょっと気になる。あとは市場の動向。

ジェネラル化しつつも、エッジを捨てない運営ができる会社・サービスだと信じて、今後もフォローしていきたい所存である。



余談だが、ニコニコ関連のイベントということで…

ニコニコ×VIERA!? キャズム会議 第2回 『ネット対応テレビとCGM動画が紡ぐ未来とは』

これ、相当ホットですYO! 私も勿論参加しまつ。興味のある方はお早めにご予約をば!

2008-05-05

NHKアーカイヴをVODで300円払って見る人なんていな(ry

NHKは12月から、かつて放送した大河ドラマなどの人気番組をブロードバンド回線を通じて有料で配信するサービス「NHKオンデマンド」を始める。放送から1週間程度のニュース番組も提供する。スタート時は1カ月に10万人が利用、数年後に年間40億円の事業収入を見込む。

 昨年の放送法改正で認められたサービスで非営利。1番組200〜300円、月額1500円程度で調整し、9月に正式な金額と番組を決める。ブロードバンドに接続したパソコンや高機能テレビを持っていれば利用できる。

NHK、12月からオンデマンドサービス - asahi.com


非営利なのに「1番組200〜300円、月額1500円程度」って、そりゃ高過ぎやしないか!?

…という、かなり個人的な所感。

オフラインなレンタルビデオが1本300円前後、TSUTAYA DISCASだって月額2,000円前後*1、VODならGyaO@showtimeだって月額294円、さらに言うならニコニコ動画のプレミアム会員は月額525円。

また、動画コンテンツサービスではないが、Yahoo!プレミアムだって月額294円、mixiプレミアムだって月額315円と、だいたいの有料webサービスの月額利用料は300円程度である。


何が言いたいかというと、上記の値段設定に慣れた一般ユーザーにとって月額1,500円は敷居が高すぎるだろう…ということ。たとえコンテンツの質が高かろうが、高画質だろうが、マジョリティ・ユーザーには関係ない。NHK好きー(実はそうなんです、ええ。)な私でも、月額1,500円は払わない。いくらプロフェッショナル〜仕事の流儀のアーカイヴを見たかろうが、200円も、1,500円も払わない。

とりあえず、基本料金設定の見直しと、サービス開始後のプロモーション*2にサービスの生死がかかっていると思うので、NHKの方、是非頑張ってください…


まーそれよりもYouTubeとかニコ動とかとアライアンス組めば?と思わないこともないけどw

(それは国営放送として出来ないのは重々承知でwww)

*1:ちなみに単品借りだと1本200円

*2:入会月は会員費無料とか、その程度でいい。むしろ、その程度しか期待できない…

2008-04-01

ニコ動とJASRACが契約って、それ何てエイプリルフール!?

 ニワンゴは4月1日、社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)が管理する楽曲について、利用許諾を得たことを明らかにした。

 これによりユーザーは、JASRAC管理楽曲を演奏したり、歌ったりした動画を「ニコニコ動画(SP1)」および動画投稿サービス「SMILEVIDEO」に投稿できるようになる。ただし、アーティスト(実演家)が演奏している曲や映像については、レコード会社や実演家の許可がない限り投稿できない。

 ニワンゴではニコニコ動画に投稿された動画が著作権を侵していた場合、著作権者の申し立てに応じてその動画を削除している。今回のJASRACとの提携により、JASRAC管理楽曲で、かつ著作権者の権利を侵害していないものであれば動画は削除されないことになる。

JASRAC、ニコニコ動画の「歌ってみた」にお墨付き--楽曲利用許諾契約を締結 :CNET

ちょwおまwww

去年末から色々動きはあったし、想定内の発表内容ではあるけど、早すぎる気が…これで「エイプリルフール☆ミ」なんて言われた日には回線パンクさせちゃうよw

さて、これで大分ニコ動のグレーゾーンが減ったんじゃないだろうか。「新しい文化」を造るというビジョンに沿った行動だし、社会的に大きなインパクトを与える良い動きだと思う。

ニコ動がこうして合法的に素材がストックされている環境をつくりだしたということは、二次創作というか、コラボレーションやイノベーションを醸成する安全な土壌を形成されつつあるという意味を持つわけで。根っこの部分はクリエイティブ・コモンズと同じものだろう。こりゃテレビと組む日も近いか?(それはないか…)

しかしながら、「著作権者の権利を侵害しない」っていうあたりは、まだまだグレーというか、微妙な線引きになるんだろうなぁ…と個人的に感じている。たとえば、替え歌系はどうだろう。アウトなモノが多い気がする。しかも、ヘヴィユーザーにとってはアウトなモノの方が面白かったりすることもあるわけで…

まあ、結局ここらへんは2ちゃん文化みたいなモノが根強く残っている致し方ない部分なので、いまのニコ動がニュートラルになるならニュートラルになるで、アウトローなユーザーは違う場所でまたアウトローに楽しめばいいだけの話なんだけど。


エイプリルフールといえば、「@ピザ」機能なんてものまで実装されてたw

ニコニコしていてお腹が空いたら『@ピザ』!

作るのも、買いに行くのも面倒!そんな時は、動画に『@ピザ』とコメントを書いて投稿すれば、ドミノ・ピザがオーダーできます。

注文方法はとってもカンタン!

コメント欄に『@ピザ』と書き込むだけ!「@ピザ食べたい」「@ピザおいしい」など『@ピザ』という言葉が入っていればOK!

あとは専用の注文フォームにジャンプするので説明にしたがって必要事項を記入するとピザが届けられます。

コメント投稿でピザが届く!『@ピザ』本日開始 : ニコニコニュース

「嘘だぁw」って思って「@ピザ」って入力してみたら、本当にピザの注文ページに飛んだ…!新しいwww

今は完全にネタノリで「@ピザ」コメントが荒れ狂ってるけど、これは、この先良い広告ソリューションになるんじゃないかと思う次第。@ピザだけじゃなくて、@寿司とか@中華とか、ぐるなびデリバリーとかと組んでやるのとか、どうだろう。

twitterとかにも実装したら、結構ニーズあるだろうし、効果もでると思うんだけどなぁ。


どうでもいいけど、今日のtwitterはエイプリルフール荒れしすぎてて、逆に面白かった。混乱したけど。

まあ、嘘も楽しめるくらいに薄くて軽いコミュニケーションサービスって言うのも、バランスが取れていいかもね。