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2009-07-08

マーケティングis.jpに「次世代IMC戦略活用の方程式」セミナーレポートを寄稿しました

去る7月1日に参加した宣伝会議主催の「次世代IMC戦略活用の方程式」セミナー(という名の「脱広告 超PR」の出版記念講演)のレポートを、マーケティングis.jpに寄稿しました。(マーケティングis.jpはお世話になっているsmashmedia河野さんが立ち上げたハブメディアで、たまたま私塾mixbeatのSNSにレポートをアップしたら、採用されて掲載されただけです。)

「次世代IMC戦略活用の方程式」セミナー :マーケティングis.jp


ちなみに、マーケティングis.jpの概要はコチラ。

マーケティングis.jpは「マーケティングマーケティング」を目的として、2009年1月7日に立ち上げたハブメディアハブメディアについての解説はこちら。http://hubmedia.jp/)です。マーケティングを仕事にされてる方だけでなく、すべてのマーケティングに興味のある方にとって役立つ情報を集めて掲載しています。

このサイトについて :マーケティングis.jp


詳しいレポートはサイトに掲載されているものを見てほしいのですが、ちょこっと感想だけ。

  • 「情報クリエイティブ」の考え方は参考になる。
    • 「広告を受け入れてもらいやすい空気」を作るという考え方。タカヒロさんとかさとなおさんも、1年前に言ってた。伝えたいことをきちんと伝えるには、大切なステップだと思う。

  • 情報の連鎖(反響マネジメント)は、メディアリレーションの強いインテグレートだからできることだろうなと思った。
    • これは、インテグレートの強みなので、それはそれでいいけど、「構造化」ではないと思った。汎用性はないのでは?

  • なんでもかんでも、PRできるもんじゃないし、しちゃいけないと思った。
    • 広告は、企業がお金を払ってメッセージを伝えるものだからともかく、PRでは「企業が伝えたい情報」という視点ではなく、「ひと(ユーザー)にとって有益な情報」じゃないといけないのでは?と思った。たとえば、キシリトールに虫歯予防効果があることを知れるのはうれしいけど、逆チョコは自分にとって何がいいのかよく分からない。勝手にブームを作ることが目的じゃないと思った。

  • 「イケイケドンドン、俺最強!」感が強かった。
    • なんというか、すごく上から目線な感じがしてしまった。あと、目的達成のためなら、ちょっとアンモラルなことでもやってしまう(藤田さんははっきり「ブロガーインセンティブ払う」と言ってた)部分が、個人的にはあんまり好きになれなかった。

ブーム・空気の作り方には興味があるので、おもしろかったし、参考になった。けど、すごいパワーを持っているし、結果も出してるし、いいのかもしれないけど、なんとなく「自分たちが伝えたいことを伝える」というか、ユーザーを見下している感じがしてしまって、ちょっと残念でした。

広告代理店も同じ問題を抱えていると思うので、自戒の念も込めて。

2008-07-06

smashmedia河野さんの私塾「mixbeat」に参加します。

どーでもいい私事ではあるが、なんとなく記録&報告してみようと思う。


smashmedia河野さんの私塾「mixbeat」に応募したところ、めでたく選出され、記念すべき一期生として参加することになった。

応募総数39名、一期生10名ということで、倍率は3.9倍だったとか。まあ河野さんもおっしゃるとおり、実力とか情熱云々に加えてパーソナリティ(年齢とか性別とか出身地とか)の多様性を重視したセレクションだったため、もう完全に「ご縁」だったのだと思う。アイム・ラッキーガール(by GO!GO!7188)

早速、私塾SNSが立ち上げられ、まだ会ったことのない一期生と運営チームとのコミュニケーションが始まっている。登録プロフィールをみると、ほんとうに多種多様で驚いた。老若男女、学生から経営者までよりどりみどり。職種・業種はやはりIT系、広告・宣伝系、メディア系、マーケティング系が多いが、それは私塾で学ぶテーマによってある程度縛られてしまうのだろう。とはいえ、これだけ「るつぼ」な私塾もめずらしいと思う。


自戒のために記しておくと、私は以下の4つの目標を掲げて入塾した。

  • 多様なひとと関係性を紡ぐ。
  • 「コミュニケーション」「マーケティング」「ひと」に関して、多様な視点を持ち、多様な考え方をする体験・訓練をする。
  • ひとかわ剥ける。
  • コミュニケーション・デザイナーのたまごになる。

こう言ってセレクションをパスしたからには、しっかりと成し遂げなければなぁ…

日々精進なり。

なにはともあれ、楽しみだ。

2008-06-02

ライフログ×ネット家電のもたらすミライ

NTTレゾナントがiアプリ用サービス「キセキ」をリリースした。

NTTレゾナントは5月29日、携帯電話のGPS機能を利用して訪れた場所の「住所」と「時間」を自動的に記録し、その記録に対して日記を作成できるiアプリ用サービス「キセキ」を開始した。東京、神奈川、千葉、埼玉で利用できる。利用料金は無料。

ライフログサービス「キセキ」、訪れた場所の住所と時間を自動記録 −CNET

アプリをDLして待受アプリに設定すると、自動的にGPSデータが蓄積されていく。その行動データに対して「何をしたか」というコメントを追加することで、行動日記が完成。もちろん外部ブログへの投稿も可能。

まあ、ここまではなんてことのないGPS対応ブログないしはSNS(アテラとかあったね、そういえば…)となんら変わりはない。コメントだって、キセキ上で書かせるよりもmixiやtwitterなどの既存インフラと連携した方が確実に投稿率は上がるだろうし(ここらへんは「NTTっぽい」なぁ…と思ったりw)。

しかし、次の一説は結構すごい。

 また、ユーザーの行動に適した地域情報を配信する機能も備えている。自分の行動日記として情報を蓄積していくことにより、ユーザーの行動特性情報と現在地、時間に応じた飲食店などの情報を導き出し、リアルタイムで待受アプリ上に配信する。行動日記が蓄積されるほど、精度の高い情報を入手できるという。

実際の行動(位置情報)データでターゲティングして、強制的に「待受」に情報(きっとクーポン広告の類だろう)を配信…さすがNTTグループw 他のサービサーじゃ、待受に情報配信なんてやりたくてもなかなか出来ない。そもそも待受アプリへの壁が厚いし。いやはや恐れ入りまつた。


まあ、正直成功するか否かは微妙なところだと思う。GPS情報に対するユーザー(生活者)の姿勢はまだ懐疑的であり、相当なメリットがない限りはバンバン公開したりはしないのではないか?という仮説からの意見である。現実問題、GPS情報は犯罪の助長にもつながりかねない危険性を持っている。だからキャリアのGPS情報通知サービスには厳重なロックがかけられているし、GPS情報を利用したwebサービスでじゃ精度を荒くするなどの調整している。


そもそも、GPS情報をはじめとする「ライフログ」に対する寛容度が、日本という国は低いように感じる。国民性といってしまえばそれまでなのだが、結局のところ、集合知やらマスコラボレーションやらそういった動きが鈍いのも根本の問題は同じなのだろう。もったいないなぁ…と思う反面、私自身もそこまでダダ漏れではない(というより隠居気味)ので、そう強くも言えなかったりはするw*1hiniclipのトミモトさん(Ustreamで日常をダダ漏れさせているハイパーブロガー)なんか、ネ申の領域ものだw

ただ、ライフログは今後大きな力を擁するものだと思う。編集されない、リアルなダダ漏れのメタデータの洪水。マネタイズの構造は置いておくとしても、マーケターとしては喉から手が出るほど欲しいデータのはずネットの行動ターゲティングとは異なるリアルな行動ターゲティングが可能になる上、生活者の潜在意識(無意識の行動データ)に触れられるのだから、インサイト発掘に多大な力を発することは想像に難くない。ただ、個人的にはビジネス的視点ではなしに、学問的視点(たとえば考現学のような領域など)だけから見ても重要なデータであり、公開するか否かは別として、記録・蓄積しておくべきデータだと感じている。単純に面白いし、100年後に価値を持つデータだ。


だからこそ今、ネット家電といわれる分野に期待している。テレビでもビデオでも炊飯器でも洗濯機でも冷蔵庫でも体重計でも、ネットにつながりさえすれば自動的にライフログを収集することが可能である。もっというなれば、ゲーム機だってそうだし、本棚だって、椅子だって、浴槽だってライフログ収集のハブになり得る。もちろん、収集ハブとしてだけでなく、メディア(媒体)としての力も大きい。要は、ネット家電などのユビキタス環境が整備されれば、生活者のパーソナルなライフログの収集・蓄積が可能となり、また彼らにとって適切な、メディアニュートラルなコミュニケーションが可能となるのだ。


まあ、上記のような「ユートピア(笑)」が出来るまでにどんだけ時間かかるんだYO!という至極もっともなツッコミがあるのは重々承知だが、全部はともかく一部はもう実現しつつあるし、家電業界自体にも「ネット対応」の流れはある(ライフログ発想主体ではないにしろ)わけで、あながち夢物語じゃないのではないかなぁ…と安穏と考えていたりする。

最初、生活者側の抵抗は強いかもしれない。でも、本当に彼らにとって有益で幸せなサービスを提供できるならば、彼らは喜んでデータを提供してくれるのではないだろうか?



まあ、そんな真面目な話は置いといて、なんかライフログ関連でエキサイティングなことができたらいいなぁ… ビジネスじゃなくて、全然良い。いまのところアートとか芸術方面の方が相性が良い状態だろうし。またライフスライスカメラとかやりたいなぁ…(ライフスライスキットが完パケだったため、コチラで代用していたw)

仕事の合間に妄想しよう。うん。そうしよう。

*1:まあ、以前実名でバリバリ情報発信していたときは、かなりのダダ漏れっぷりだったがw

2008-05-19

マクドナルドがお財布ケータイを利用した新クーポンサービスを開始

 日本マクドナルドホールディングスとThe JVは、携帯電話を利用したマクドナルドの新会員サービス「かざすクーポン」を発表した。まずは九州地域で5月20日より提供される。

 かざすクーポンは、おサイフケータイの機能を活用したクーポンサービス。従来より提供しているオンラインクーポンをアプリ化したもので、購入したい商品とクーポンの使用枚数をあらかじめ決めて、レジ前のリーダーに携帯電話をかざすことで注文できる。支払い方法はiDか現金で、注文後にどちらで支払うか口頭で店員に伝える。また、ドリンクの種類なども口頭で店員に伝える。

マクドナルド、おサイフケータイを活用した新クーポンサービス -ケータイwatch

今、生活者にいちばん使われているクーポンはマクドナルドのクーポンかもしれない。hotpepperやぐるなびといった元祖クーポンマガジンが強いとはいえ、店舗(ブランド)単独で見れば、マクドナルドを超えるものはないだろう。ケータイサイトの登録ユーザーは優に1000万人を超え、小学生からサラリーマンまで幅広い層の生活者が、毎日大量のクーポンを利用してマクドナルドの商品を消費している。明確な根拠(データ)はないが、周りの話やマクドナルド店舗の様子を観察するに、まあそう外れてはいないと思う。

そのマクドナルドがついに、おサイフケータイを利用したクーポンサービスを始める。わざわざケータイブラウザを起動する必要もなく、R/Wにかざすだけで利用可能になり、ユーザーにとってはますます便利で使いやすいクーポンサービスになったと言える。

また、何よりもマクドナルド側にとっては、このサービスが大きな進歩の鍵となる。今までの個人情報(ケータイサイトの登録情報)に加え、購買履歴の紐付けが可能となる。これほどリアルで貴重なマーケティング・データベースはないだろう。

まあ、マーケティングに従事するモノとして、「お財布ケータイ(電子マネー)」といえば「個人情報×購買履歴」という発想がでてくるのは当然のことだし、さして新しいことではない。今回のマクドナルドの件もそうだが、技術も大分進歩して、「理想」の実現に着々と近づいてきていると言えよう。


話はそれるが、今後電子マネー競争で勝ち残っていくのは、7&iホールディングスのnanaco、イオングループのWAONをはじめ、流通系電子マネーだと思う。

大きな理由は、以下の3つ。

  • ポイント還元・クーポンをドライバーに顧客獲得・囲い込みが可能。
  • 生活に密着した商品の購買の場をおさえており、食品から衣料品まで生活者の消費を幅広くカバーできるため、よりリアルな生活・購買実態を把握することが可能。
  • グループ内であればPOSもほぼ全ての店舗が共通のものを使っているので、ユーザー個々人の購買履歴との店舗状況の紐付けシステムの構築が容易にできる

発行枚数でいうなら、まだEdyやSuicaの方が優勢かもしれない。しかし、トランザクション数を見ると、流通系電子マネー(というよりnanaco)の圧勝である。結局、提携先は多いがポイント(マイル)加算率がよくないEdyや、交通ICカードの領域を出ないSuicaは、「個客(顧客)の購買情報の蓄積」の側面で流通系電子マネーで戦おうとしても苦しい・・・ということである。

ただし、Suicaに関しては他の電子マネー(ICカード)では取れない「行動・移動履歴」を取ることが可能という強みがあり、また近年エキナカを中心に消費の場の構築を始めていることから、今後の取り組み・スピードによっては巻き返しが可能ではないかと思われる。


ここで、マクドナルドの話に戻したい。

なぜケータイ・クーポンでマクドナルドが強いのか。それは、上記流通系電子マネーの強みと同じである。ぐるなびやホットペッパーでは、正確な利用率や生活者の嗜好・消費傾向を収集・分析することは難しい。掲載店舗とのPOS、顧客情報DBの共有なんてもっての他。となると、単体で広大なネットワークを持つマクドナルドのような大型チェーンが持つ顧客の個人情報×購買情報の質・量は、圧倒的に強くなるのである。

まあ、領域が狭いといったらそれまでだが、企業のマーケティング・ツールとしてはこの上ないDBであることには変わりないし、そのDBを利用して新しい広告媒体としてクーポン事業を発展させることだってできるわけで、可能性は無限大だ。


電子マネー元年から2年。おサイフケータイが始まって4年。

技術とライフスタイルのレベルがようやっと一致しはじめた今日、これからどう発展していくのかが楽しみである。

2008-02-09

ライフスタイル・オリエンテッドなコミュニケーション戦略はイノベーションを助長できるかもしれない。

「キャズムを超えろ!」の「商品陳列棚を決めずらい商品は売れない...という特性がイノベーションを阻害する」というエントリーが面白かったので、便乗して広告視点からIKEAのSP戦略について考えてみるの巻。


学生時代、某大手飲料メーカーとコンビニエンスストアにおける購買行動研究*1をしていたときのこと。インタビューで「何故この商品を選んだのか」と質問したとき、もともと買うものを決めていた被験者を除き、たいていの被験者は「なんとなく」「気分で」選んだ、と答えていた。広告やPOPに影響されて買った・・・なんて答えは1割も出てこなかった。

2年間にわたる研究で、私個人が出した結論は、「その商品を買ったときの自分の状況(しあわせとか、格好良さとか、そういった漠然とした心理)がイメージできて初めて、ひとはその商品を買う」ということ。

IKEAの陳列方法などは、まさに真髄を付いている。たとえば「こんなシンプルでキッチュなキッチンで暮らしたらどうですか?」と具体的な使用例を提示する。それによって、「あ、こんなキッチンで料理したら、毎日楽しいかもしれない」と、生活者は簡単に状況をイメージすることが可能となり、購買意識を刺激され、巧みにアクションまで誘導されるのだ。


これこそ、広告・・・というか、コミュニケーションの本質ではないだろうか。

どんなに良い商品を作ったとしても、生活者がそのベネフィットをイメージ出来なければ、彼らはその商品を買わないだろう。*2

しかし、イメージを喚起させるためには、絶対条件としてブランド、コンセプトが確立されている必要がある。IKEAが成功しているのだって、そもそもIKEAというブランドが確固たるものとして貫かれているからだ。

つまり、いかに適切に、モノ(とそれを作る企業)と生活者の価値観を擦り合わせをするようなコミュニケーションを設計できるかが、キモなのだと思う。その方法のひとつとして、TVCFがあって、行動ターゲティング広告があって、SP(店頭販促)があるのだろう。何を、いつ、どこで、どのように、生活者に伝え、イメージさせたいかによってメディア*3を選び、コミュニケーションを設計すればいいのだ。


ともすれば、別にひとつの商品・ブランドを売るためだけにひとつのコミュニケーションをとる必要など何もない。「状況」をイメージさせればいいのだから、たとえば清涼飲料水と一緒にそれを入れるためのグラス、さらにはそのあとジョギングするためのウェアとiPod・・・なんて具合に、ライフスタイル(=生活者群)ごとにコミュニケーション戦略を練ってあげればいいのだ。上記エントリーで和蓮和尚が言及しているように、このような広告コミュニケーションは、イノベーションを助長する可能性も秘めているものだ。

ちなみに、IKEA方式の進化系は、「あの人の家にあるこのソファーを買いませんか?」方式だと思う。Web2.0(笑)的に、世界各国みんなのお部屋がショールーム!みたいな。まさに玉石混交のロングテール。イノベーションのきっかけには十分なりえるだろう。

*1:具体的に言うと、研究室内に作った模擬店舗で飲料の購買シミュレーション実験を行い、そのときの被験者の眼球運動と行動をビデオで逐一記録した上に、そのビデオを元に購買時の心理フローをインタビューで抽出し、1/30秒単位で眼球運動・行動・心理を同期させて解析する・・・という超ミクロな研究。

*2:ちなみに、このあたりの経験がマチルダが広告業界に身を置く決心をしたキッカケになっていたりする

*3:私は、メディアとはいわゆるTV,雑誌などの媒体だけではなく、店頭も、椅子も、冷蔵庫も、シーツもメディアだと考えている。ひとを取り巻くすべてのものは情報であり、それを伝達しうる機能を持つものは、何でもメディアたりえるのだ。映画の世界みたいだけど、でも、実際そうだと思う今日この頃。