リハビリ

 新年度、ということで始めてみました。
 ですが、ダイアリーとブログの違いが全くわかりません。はてなダイアリーも「ブログ」じゃなかったんですか???

数年後には青い鳥文庫でリブートされてそうな

 終戦記念日。清宮効果でギュウギュウの甲子園に持っていった本。全くの未読状態で持参したのだが、待ち時間&移動時間の間に全部読めてしまった。

過ぎ去りし王国の城

過ぎ去りし王国の城

 読みやすいということは良いことだ。しかし、読みやすすぎて「ハードカバーを読み終えた」快感は得られなかった。ぶっちゃけ書いちゃうと、「立派なお城が出てくる」前フリに対して、世界観が殆ど広がってくれなかった展開にちょっとがっかりした。悪役も不発だったし。
 宮部先生は今後、「ブレイブストーリー」に比肩するファンタジー大作を発表されるだろうか?あと、ドリームバスターの続編は……(^^;)。

KINGDOM GONE

 実写映画進撃の巨人のグロ描写ぶりが話題になっているようだが(井口映画でお馴染みの人たちが担当してるんだよね)、おなじ制作陣で「荒神」を映画化してはどうか。(←というか、スタッフが誰になるかはともかく、いずれ映画化は実現するんじゃないか?)

ダルタニャン物語の第2巻を読んでみた

ダルタニャン物語〈第2巻〉妖婦ミレディーの秘密 (fukkan.com)

ダルタニャン物語〈第2巻〉妖婦ミレディーの秘密 (fukkan.com)

 なんか予想してた勧善懲悪ものとは違うなぁ……。一応、タイトルにもなってるミレディが本作の悪役なんだけど、彼女と対峙するダルタニャンや仲間たちの態度も結構、いやかなり非道いw。人形劇でもやった、ダルがミレディと関係をもった挙句捨ててしまうというのが原作準拠だったとは!他にも丸腰のミレディを脅して枢機卿の赦免状を無理やり取り上げるとか、イギリスで捕縛した彼女を必要以上に言葉でなぶるとか……しばし、どちらが悪役がわからなくなったくらい(^^;)。最後の対決も女性一人に対して大の男が5人がかりで無理やり私的裁判→問答無用に処刑だし(ある意味、戦隊と同じフォーマットw)……これは、女性相手に剣と剣を交えて倒すわけにはいかないという当時なりの作法意識だったのだろうか(^^;)?そういえばポルトスの恋人・コクナール夫人に対する態度もかなりちょっと精神的DVが入っている感じなんだよなぁ。むしろ物語中盤は男たちに翻弄されるただ中になって、己の美貌と才覚のみをより頼んで只一人の力で状況を切り開いていく悪役ミレディの方にこそ感情移入してしまうほどであった。先に触れた人形劇始め、後世の翻案作で彼女のリスペクトが顕著な理由がこの完訳版を読むとよく判る(峰不二子のモデルもミレディなんだっけか、確か)。
 リシュリュー枢機卿が女スパイのミレディに命じてイギリスの権力者バッキンガム公爵(人格者であるが、フランス国内の反体制派を煽る張本人にして、王妃アンヌの不倫相手)の暗殺を企み、ダルタニャンと三銃士がフランス国内で反乱軍と戦いながらなんとか外部と連絡をとってそれを阻止しようとするというのが今回の粗筋であるが、リシュリューはバッキンガム一人の命を犠牲にすることによってフランス国内の不毛な内乱を終わらせようとしてるのであって*1むしろ三銃士が戦争の早期解決を妨害する側じゃん。彼らにしてみると戦況云々は全く関係なく、バッキンガムが敵国人でありながら色々お世話になった知己だからなんとか助けようとしたのではあるが(結局、ミレディが見事に彼らを出し抜いて暗殺を完遂させる)、この巻のリシュリューを「悪役」とするには「銀河英雄伝説」などを読んでる私の感覚からすると極めて抵抗感もあったw。もろもろの私怨も込めて悪女ミレディーは倒した一方で、同じく枢機卿の命を受けて動いていたもう一人の宿敵・ロシュフォールとは完全和解、無二の親友となりましたってオチもなんだかなぁ。

*1:作者も劇中で「枢機卿は極めて進んだ政治感覚の持ち主」とか表記している。

ダルタニャン物語の第1巻を読んでみた

ダルタニャン物語〈第1巻〉友を選ばば三銃士 (fukkan.com)

ダルタニャン物語〈第1巻〉友を選ばば三銃士 (fukkan.com)

 ダルタニャン物語の1巻目。パリにやってきたダルタニャンが三銃士と友誼を結び、彼らと共に王妃を助け、銃士隊の末席に取り立てられるまでの話。まともに観た三銃士原作ものといったら数年前にやってたNHK人形劇しか無かったのだが、この完訳版を読んだら、思ったよりもあの三谷ワールドな話が原典に忠実であったと判ってびっくりであった。三谷氏がアテレコしたオレイリーさんも原作準拠のキャラだったとは(←今更?)。
 200年前と現代とではモラル観にずれがあるのは当たり前だが、三銃士たちの行動が結構ひどい(汗)。それぞれの従者への当たり方もだが、道中で負傷して宿屋にて療養中のポルトスがお勘定の話を出された途端に癇癪を起こしてして大暴れとか、枢機卿に騙されて足止めに加担した宿屋にアドスが逆ギレし、食料庫にて無断で飲み食いしつつ何日も立てこもるとか、騎士のプライドをかさに来たモンスター客じゃないのさぁ(どちらも後に合流したダルタニャンが代金を払うw)。コンスタンスは旦那のボナシューに対してかなり情が薄いし(これはボナシューもなのでお互い様ではあるが)、ダルタニャンはコンスタンスを逢引することばかり考えてるし、そんな自分勝手(?)な登場人物達のなかバッキンガム公だけがアンヌ王妃への見返りを求めぬ騎士道的純愛に燃えているというか何というか。港を封鎖する等の無茶苦茶な権力の行使っぷりもひたすらに王妃を愛するゆえと思えば。
 一方で、チャンバラシーンケレン味や様式美に溢れていて素敵。三銃士のみならず、若輩のダルタニャンや敵方の枢機卿旗下の兵士たちさえも。最低限の誇りと筋道はきっちり通してみせてくれるので快感である。一応敵国人であるバッキンガム侯爵とダルタニャンとの「いずれは戦場でまみえましょう」なのやりとりもお約束なのね。