第159話 引退

すごい事言うていいですか?
ボクの双子の兄の松井圭太郎なんですが、
なんと知らないうちに、

西川圭太郎になっていました。

なんと西川家の婿養子になってました。
松井引退するとは。
これでオトンが死んだらボクが松井家の当主ですわ!
ボクの時代がくるわけです。
(まだかなぁ)

そんな西川圭太郎と夜の西院(という町)をあるいとったんです。
ほなね、前からまぁまぁ派手に骨折してる人が歩いてきたんですわ、
だいぶ大き目のギプスをつけた人が歩いてきたんですわ。
その人はゲンキさん言うて西院では有名な人でバーを経営したりしたはる方なんですね、
圭太郎も学生時代に働いておったんですけども、
そんな圭太郎の元上司が歩いてきたんですわ、
大けがをしている元上司が。
開口一番ですわ、なんと圭太郎、

「ゲンキさん、全然元気ちゃうや〜ん!」

元上司に。
おもくそ。
久々に会うたのに。
おもくそ。

「ゲンキさん、鬼ごっこしようや、ゲンキさん鬼な!はい!」

足おもくそケガしてる元上司を、
おもくそいじるってゆう。
ホンマ、松井引退してくれてありがとう。