2009-05-25
有名建築家が集結する実験住宅プロジェクト「sumika project」に行ってきました!
前置き
皆さんコンニチワ.約一ヶ月ぶりの更新です.いかがおすごしでしょうか.
ぼくはこの間,特に何もすることなく,平穏に過ごして参りました.ホチキスの針を替えたり,シャープペンの芯を出し入れしたりすると落ち着きますよね…この一ヶ月間の成果と言えば,ソフトボールのウインドミル投法を習得したことくらいです.やはり男ならウインドミル投法くらいできていたほうが箔がつきますしね.
まあ,そんな生活なので時間だけは腐るほどありますから,id:monakaさんのブクマで知ったsumikaプロジェクトという東京ガスが主催する実験住宅プロジェクトに昨日行ってきました.このプロジェクト,すごく素晴らしかったので,また募集があればみなさんも是非とも参加して下さいね.
要するに,今日は当ダイアリーでそこそこ(ほんとうにそこそこ)人気の建築エントリーです.
プロジェクトの概要
都会のマンションで暮らす人が増え続け、私達の住まいは均質で単調なものになってしまいました。しかしもっと自由で豊かに自然と関わることのできる住空間を考えている建築家達もいます。SUMIKAプロジェクトでは、そんな建築家達に人々の動物的本能を甦らせるような、自由で独創的な住まい方を提案してもらいました。
というテーマのもと,建築家の伊東豊雄,藤森照信,西沢大良,藤本壮介が宇都宮市の敷地に「原始的(プリミティブ)という言葉を現代建築的に解釈した住宅」をそれぞれ提示して実際に建設しました.伊東豊雄や藤森照信のようなビッグネームと藤本壮介のような期待のホープを参加させるなど,きわめてバランスの良い人選だと思います.もっとバランスを良くするために,ぼくのようなペーペーも混ぜてあげると良かった気はしますが,まあいいでしょう(・・・).天気的な問題と技術的な問題であんまりいい写真はないのですが,以下より紹介します!!!
藤森照信:コールハウス
まずは藤森照信さんです.忍者屋敷のような,面白いカラクリがたくさんあってすごかったです.
例えばこの写真で2階右側が突き出ていて,梯子が下りてますよね.この梯子の先は茶室になっているんですよ.
茶室はこんな感じです.畳二枚分程度の極小空間で,なかなか趣がありますよね.
茶室の室内側からの入口.こういう小さな茶室の入口を「にじり口」といいますが,この辺は利休以降の茶室を踏襲しているようです.
藤森さんの建物には必ず「素人が製作に関与する」段階があるんですけど,今回は東京ガスの社員さんや東大の藤森研の学生さんが壁に使用する木材を焼いたのだそうです.嫌々手伝ってる様子なんて想像できませんね!
右の写真は主室に使われていた仕上げです.漆喰と藁を混ぜて作ったらしいです.
藤森さんが設定したテーマは洞窟のような住宅.洞窟は住居のはじまりなんだという,そこから出発したのだと思います.上の写真と併せて見て頂くと分かるかと思いますが,主室には暖炉があったり床の縁に傾斜がつけられていたり,空間がくりぬかれたような形状になっていたりと洞窟的な感じになっているのです.もちろん洞窟ですから,声も響きます.
西沢大良:宇都宮のハウス
続いては西沢大良さんの作品,宇都宮ハウスです.間取りはすごくシンプルというかワンルームで,思いっきり自然を感じられる住宅でした.
宇都宮ハウス.正面からの見た目はそれほどカッコよくもない気がしますが,仕掛けのダイナミックさは群を抜いていますよ.
こんな感じで,壁をフルオープンにすることが出来ます.長手方向の壁はほとんどすべてオープンに出来るので,かなり気持ち良さそうですよね.
屋根はこのように部分的に隙間が開いていて,太陽の光が入ってくる.日の傾き具合によって時間を感じることができるようですよ.
ちょっと分かりにくいのですが,床が芝・フローリング・コンクリートと変化しています.
インテリアはぼくのような人間は「ニトリ?」とか口走ってしまいそうなシンプルなものでした.ほんとうにニトリだったら面白いですけどね.
↑西沢先生のご尊顔.
現代における日常生活で、当たり前のように受け入れてしまっている事柄を問い直し、身体がきっと求めているであろう秩序を見出す。
なるほど,五感で感じる刺激的な生活=プリミティブみたいな.全然違うかもしれませんけど.
藤本壮介:House before House
このプロジェクトでは一番の若手,藤本壮介さんの作品です.藤本さんと言えば,以前以下のような著作を残していますので,この記事を読んで興味をもたれた方は読んでみると良いのではないかと思います.
藤本壮介|原初的な未来の建築 (現代建築家コンセプト・シリーズ)
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藤本さんの作品は,直方体のキューブが不規則に重なったり並んだりしていて,その間に木々が植えられている,住居であり森であり,また街であるような住宅でした.
構成とかはあんまりわからないと思いますけど,外階段でアクセスするキューブもあれば,中から梯子を使ってアクセスするキューブもあります.中をいろいろ歩いているといつのまにか外に出ていたりしますし,その辺の中と外との連続性とか,街と住居と森の連続性とか,そういうところを意識しているんだと思いました.
インテリアもおしゃれな感じですよね.モテそうです.
とても面白かったHouse Before Houseですけど,一番感動したのは,このお風呂です!
伊東豊雄:SUMIKAパヴィリオン
さいごは伊東豊雄御大です.ここ最近は安藤TDOを凌ぐ勢いですよね.そんな伊東豊雄さんは住宅ではなく,SUMIKAプロジェクトの拠点となるパヴィリオンを製作しました.
外観はこんな感じです.
一見すると不規則に組まれている木材ですが,ある程度崩しつつも幾何学的な理論にのっとり,力学的な最適化をはかっているそうですよ.
あんまり時間がなかったので写真は少ないのですが,木陰に住むというコンセプトみたいです(適当).
まとめ
東京ガス主催のsumikaプロジェクトに行ってきました.それぞれの建築家の作品を一度に見ることが出来て,とても満足です.当日は天気が悪かったのと技術的な問題であんまりいい写真がないのが残念ですが,ぼくは楽しかったので良かったです.
一番良かったのは藤森さんの作品でした.細部に渡って気配りが行き届いているし,この記事だけではわかりにくいですが部屋の主従関係も明瞭で分かりやすい.次に良かったのは藤本壮介さんの作品で,こちらはキューブと木,人間のヴォリュームがかなり近くて,何というか,自分が少し大きくなっているような印象を受けました.
個々の作品にはそれぞれ建築家の個性が表れているので,興味をもたれた方は以下の参考文献なんかも読まれると楽しいかと思います.
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