秘伝公開 No.2

秘伝 No.2

前回のNo.1の内容を見た知人から、受験生には役立つと思うけど、英語を離れた人間には難しかった。と、ある意味正しい感想を聞きました。
当然だと思いました。というのも、英語試験に挑戦する立場の人(大学受験生、TOIEC挑戦者) 向けであるからです。とはいえ、英語の苦手意識を解消することに主眼を置いて、無駄なものを全て省き、簡便にしている為に、受験とは関係なく、英語をものにしたいと思い立った方にも役立つと考えています。様々な意見を謙虚に受け止め工夫するつもりです。
まだ、受験期でなく、早いと思われても、身内、知人、又、将来指導者として参考になるかもしれと感じられる方には、保存してもらえればと思いながら書いています。英語が好きになる契機となることを願っています。

今回は法則の②
" have + 過去分詞 は時制が一つ古い印で使われるほうが圧倒的に多い" の説明をしてみたいと思います。
中学生レベルであれば、have + 過去分詞 は、反射的に現在完了形と考えてしまうと思いますが、今日を機会に考え方を変えましょう!見方をを少し広げましょう!もちろん、現在完了で使うこともありますが、英語全体で見れば、"have+過去分詞は時制の差"を表すために使われる役割が大であることを知っておく必要があります。このことを意識すれば、明白でなかった様々なことが解決できます。
以下に取り上げた例題問題は、英語試験によくあるものです。秘伝②が役立つと考えます。

例題 1
That man denied ( stealing, to steal, to have stolen, having stolen ) the money.
(意味) その男はお金を盗んだことを否定した。
denyは後ろに動名詞(〜ing)を取る代表的な単語です。そのことを知っていれば、答えはstealing か having stolen のどちらかとなります。この時点で、コイントスでやっても半分の確率で合います(笑)しかし、確実に合わすために、ちょっと考えてみてください。お金を盗んだ行為は、問いただされた人にとっては、当然、過去の疑わしい行為を
指摘されたはずです。[否定した] と [盗んだ ]の言葉の間には、時間的なズレが(差が)あるはずです。だって、盗みながら、否定できるような天才的な言い訳のできる泥棒であれば、もっと真っ当な仕事を捜しても大成功するでしょう(笑)そこで、今回の秘伝②から、haveが使われている方、つまり、盗んだ行為は否定する前であることを示す、having stolenを選ぶ必然性が出てきます。

例題 2
We must try avoid ( to hurt, hurt, having hurt, hurting ) people's feeling.
(意味) 私たちは人の感情を害すことを避けようとしなければならない。
この問題も上記と同様、avoid は後ろに動名詞を取る代表格です。つまり、hurting か having hurt のどちらかとなります。having hurt であれば、すでに傷つけたことになります。傷つけた後に、注意しても後の祭りですからhurting を選ぶようになるとは必然となります。英語は覚えてはいけません。意味で考えることが大切なのです。

例題 3
It is certain that she missed the bus.
(意味)彼女がバスに乗り遅れたことは確かだ。
この文章を助動詞を使って同じ意味になっているものを選択する問題つまり以下のような問題をよく見かけるはずです。
She ( must have missed, must miss ) the bus.
(助動詞を使っての直訳は)彼女はバスに乗り遅れたに違いない。となります。言い方が違うだけで言ってることは同じです。
そこで、haveを使うか使わないかの問題となります。haveを使っている方は過去のことつまり前のことを言及していると考えられます。上記の最初の文で、確かなのは現在形で、乗り遅れたのは過去形ですからhaveを使って時間差を表す必要があるのです。言い換えると、haveを使用しない方は時制に差を出してない訳ですから、ただ、乗り遅れるに違いないと言っているだけです。つまり、彼女は時間にルーズな人なので時間通りに来るなんて頭から思っていません。って感じです。そんな人いますよね(笑)答えは must have missed と必然的になる訳です。

例題 4
It seems that she was a dancer.
彼女はダンサーだったように思える。
この複文 (とは簡単に言えば一つの文に二つの主語述語があるもの) を単文にせよと質問された時に選ぶべきはどれですか?よくある問題です。下記の問題の答えはもう分かりましたね。
She seems to ( have been, had been, be ) a dancer.
to 不定詞の後は原形の動詞ですから、可能性があるのは be か have been となります。ダンサーであったのは前つまり昔ですから、それを表現するには have been しかないですね。

例題 5
I regret that I didn't study much harder.
I regret ( not studying, not having studied, not to study ) much harder.
(意味) 私はもっと一生懸命に勉強しなかったことを悔いている。
今まで読んで頂いた方はもうお分かりと思います。大半の人の気持ちを表現してますね(笑)つまり後悔しているのは今で、勉強しなかったのは学校に行っていた若い頃です。現役生は将来上記のような気持ちにならないように頑張ってください!
答えは not having studied です。

レッスンで、生徒のタイプ、理解度を知って説明するのとは異なり、文書で自分の意図したことを伝えることの難しさを感じています。しかも、簡潔にすることで、誤解が生じる可能性も覚悟して、できるだけ多くの方に、英語を身近にして頂く努力をしていきます。次回は第3弾 "主語がなければしめたと思え! 追) 主格とbe 動詞はよく省かれる。を説明する秘伝3です。