matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

ウィルスとの共存


下痢、嘔吐から始まり発熱にいたった。始まりは孫の突然の嘔吐からはじまり、その母親である娘がどういつ症状になった。
その前日にデェズニーから帰ってきたので、すわコロナかとおもったが、ほぼ二日で収まり、その後私とカミさんも同様な状態になり、カミさんが近所の医院にいくと、胃腸性感冒おそらくはノロウィルスとのこと。
一般の風邪と同様治療薬はなく、水分補給の点滴、整腸剤や解熱剤がせいぜいである。細菌性であれば抗生部質が有効なのだが。

このような一般的なウィルス疾患には未だ有効薬がない。ほとんどの場合が短期間で回復するし、ウィルスの種類が多すぎて個別開発に至らない、例外はインフルエンザだが、ワクチンが対応するのは一部だ。まだウィルス疾患にたいする有効薬がない。

新型コロナはこの状況を変えるかもしれない。mRNAワクチンは、ワクチン開発のゲームチェンジャーになりうる。
しかしながら、風邪や胃腸性感冒のためにワクチンを受けようとする人はあまりいないような。望むらくは、新型コロナやインフルエンザそして風邪や胃腸性感冒をふくむ混合ワクチンできないだろうか。でも副作用なく願いたい。

死後の弔いでの在り方の変化?

先日久し振りに遠出をし山梨県南巨摩郡身延町まで。
既に鬼籍である義父母祖父母は、身延山で白木の位牌を用意しお骨と共に規定の場所に安置し、供養いたします。納骨のお骨安置期間は一定期間(布施金額依存)、回向は永代に渡り行われます。

身延山久遠寺オフィシャルサイト - ご案内


妻の実家にあった位牌はなくなり、仏壇自体も無くなるようだ。地元の檀那寺にある墓も整理されるようで、以降檀家でもなくなることになろそうだ。どうも現住職への義兄の不信感があったようだが、直に聞いた訳ではないので実態は不明。

我が家は家人の葬儀や先祖の年忌法要といった儀礼でしか寺と檀家は接点を持たない、いわゆる葬式仏教である。
墓は、分家で新家だった亡父が市の公共墓地に墓を生前に立て、祖母に購入頂いた仏壇がある。20年ほど前に新築した我が家には仏間となる和室が一間用意した。
我が家の子供は、娘のみであり既に家庭を持ち、それぞれの家には和室もなく、仏壇を置くスペースもその気もない。墓守りも三代先にはするものもいなくなるだろう。

非婚化の増加や少子化により家という概念の存続は無くなり、葬儀や先祖の年忌法要といった儀礼も簡略化され、先祖の年忌法要といった儀礼は維持できなくなりつつあるのが現実。

合同の供養塔にお骨を埋葬する形態がこれからは進んでいくのが合理的?のような。

亡父は、分骨のため西本願寺なので、大谷本廟に納めることになる。ここは京都府京都市東山区にある浄土真宗の宗祖親鸞墓所。納骨場所である無量寿堂は巨大な倉庫である。ロッカーが立ち並び、1つのロッカーの上半分が仏壇、下部が引き出し式のロッカーとなっている。防火上止むを得ないのであろうが、建物の鉄筋コンクリート、スチールロッカーは実に寒々しい。

matsuok.hatenablog.com


義父母の久遠寺のある県南巨摩郡身延町は山深い美しい自然に囲まれ、古刹たる仏教建築が多数あり故人も満足であろう。

清和会から宏池会への党内政権交代

自民党新総裁に岸田文雄さんが選出されました。臨時国会で第100代首相に指名される。

これは、同じ自民党だが、右寄り保守タカ派からリベラルハト派勢力への政権交代にもみえる。極端に言えば、米国の保守党から民主党へのちかいかもしれない。ただ政策面からも、米国よりも政策差異はそれほどなく、民意で選択される米国と違い党内の派閥論理が決定要因

派閥総裁として挑んだ総選挙で、自民党議員を減らすかでしか民意を反映するすべがない。

岸田さんは東京都出身の64歳で政治家一家に生まれ、父の死後、広島県の選挙区を引き継ぎ1993年からこれまで9回連続で衆院議員に当選。
自身と同じ広島選出の池田勇人元首相が創設した名門派閥、宏池(こうち)会を2012年から率いている。

宏池会にとっては、1991年の総裁選で勝ち93年まで首相を務めた宮沢喜一氏以来、30年ぶりの悲願の宏池会政権誕生となる。

宏池会は60~64年に首相だった池田勇人氏が57年に創設した派閥だ。日本の戦後復興を担った吉田茂元首相の流れをくみ、党内で保守本流を自任する。吉田茂の直系の弟子である池田勇人によって創立されて以来、大平正芳鈴木善幸宮澤喜一岸田文雄と5人の内閣総理大臣自民党総裁を輩出、野党時代にも河野洋平谷垣禎一と2人の自民党総裁が出ており、自他共に名門派閥と見なされてきた。

対して元安倍総理は、清和会だ。自民党内では、平成研究会宏池会と並ぶ保守系の名門派閥であり、保守合同時の日本民主党(更に古くは日本自由党岸信介鳩山一郎派)の流れを汲む。「反・吉田茂」路線を起源に持つ。森内閣において福田以来久々に総裁派閥となった。総裁派閥・主流派として実質的に政権の中枢を担うようになったのは、小泉内閣以降。
池田勇人の「所得倍増計画」に異を唱える福田赳夫を中心として1962年に結成された党風刷新連盟(結成当初は党風刷新懇話会)が起源。

「昭和の妖怪」と呼ばれた岸 信介。 農商務官僚(商工官僚)時代 - 満州国時代、東條内閣の閣僚で戦犯被疑者としての獄中、そして放免。岸は安全保障論議吉田茂とは鋭く対立した。

もはや、遠い過去のことであり現状とは全く時代背景が異なるので政治理念で昔の清和会と宏池会とは現在はべつものであるが、二世議員や三世議員が多いことと、長年の姻戚関係により集団として存続しているに過ぎない。

右寄り保守タカ派からリベラルハト派勢力への政権交代とは幻想かもしれないが、多様性として、右寄り保守タカ派からリベラルハト派勢力への政権交代可能性を維持して欲しい。

菅総理退陣

何故だろうか。

広がるコロナ・戻らぬ支持率 菅首相、辞意までの1年

http:// https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/suga-administration-1-year/

内閣支持率低下→自民党支持率低下→ 選挙不利
再選に不安な党内議員の圧力に詰め腹を切らせたようにみえる。
自分自身の失策の責任を感じての決断には見えない。

www.yomiuri.co.jp


菅内閣の支持率がなかなか振るわないのは、無党派層の支持が得られていないこと、そして、その背景には、コロナ対応で評価されていないことが原因と言えそうです。

2021年8月 電話全国世論調査 質問と回答 : 世論調査 : 選挙・世論調査 : 読売新聞オンライン

 読売新聞社が4~5日に実施した緊急全国世論調査で、菅首相自民党総裁選に立候補せず、退陣することについて、「当然だ」と思う人は47%で、「その必要はない」は39%だった。

菅首相
 菅内閣の約1年の実績を「評価する」は、「大いに」9%と「多少は」46%を合わせて55%と、半数を超えた。「評価しない」は「あまり」30%と「全く」14%の計44%。


 新型コロナウイルスを巡る政府の対応は「評価する」が35%(前回8月7~9日調査31%)、「評価しない」58%(同63%)だった。

www.jiji.com


新型コロナウイルス感染の急拡大が全国に広がる中、政府が収束に向けた有効な対策を打ち出せていないことなどが影響したとみられる。


支持しない理由(同)は、「期待が持てない」と「リーダーシップがない」が最多の27.1%で並んだ。

終わりが見えないコロナへのフラストレーションが政治に集まったようだが、果たして菅総理に要因があったのだろうか。

では菅さんでなかったら、いまの状況にならなかったのだろうか。施策のもとは、分科会からの提言や厚生省や自治体の行政機能であり、総理をはじめ素人の政治家からは具体案が出るはずがなく、選択肢から選び、優先順序を決定することがリーダー。
リーダーの判断ミスは対策を立案提示する側に依存するだろう。

 新型コロナウイルス対策が後手に回り、明確なメッセージも発信できない首相への不満が表面化した。

人類未経験の新型コロナウイルスに対して先手を取ることは至難の業であり、諸外国でもロールモデルとなる国は各国の事情が一様でないなか真似できるわけでもなく、ウィルスや医薬開発が自国でままならぬ日本の状況は数年でかえることは非現実的だろう。

医療崩壊は、パンデミック未想定な過去の医療行政の結果にも思える。

さて、新総理となれば状況はかわるのだろうか。

「調べて書く」貫いた立花隆さん 知の巨人逝く

最近の若い世代にはあまり知られていないかもしれないが、私の世代では代表的なジャーナリストが、亡くなられた。

評論家・ジャーナリスト立花隆さん死去「田中角栄研究」
www.asahi.com

首相退陣につながった「田中角栄研究」などの調査報道や、科学の最先端に迫るノンフィクション作品で知られる評論家で、ジャーナリストの立花隆(たちばな・たかし、本名橘隆志)さんが4月30日、急性冠症候群のため死去していたことが分かった。80歳だった。


雑誌やテレビを舞台に、1970年代からほとんど途切れることなく発信し続けたジャーナリストであり、チーム取材という新しい手法を使い田中角栄元首相の金脈追及で名を上げた。

「知の巨人」

膨大な読書量、理系文系の壁を軽々と越えて縦横に広がる取材テーマ。だが、立花隆さんは「何でも知っている人」ではなかった。「知りたがる人」だった。

いまのように、AIやビッグデータがない時代にインターネットさえないなか、膨大な公開情報を人力で収集しひたすら分類し分析して事実を明らかにしていくのは、いまのAI技術やビッグデータを利用しても彼以外には成し遂げられない。

いまのAIは膨大な要素から分類と相関関係により、結果を導くためには評価を決めなければならない。つまりゴール設定が必要だ。立花は、膨大な事実の山から新たな「知」を見出す、はたしてこれは現在のAIでもまだ到達できない。

個人的には彼の仕事場である「ネコビル」が大好きだ。

立花隆事務所 猫ビル(東京)
立花隆事務所(猫ビル)訪問 - YouTube


文化遺産として保存して欲しいが、膨大な書籍や資料を利用できるような施設にならないものだろうか。

大宅壮一文庫
www.oya-bunko.or.jp

発注者論理はどこであるけど、利権が関わると見過ごせない

ITシステムの開発費見積もりは、非常に難しい。事前に必要要件が必ずしも明確化されないためだ。
要件は発注者側により決定されるが、一般にITスキルはない場合が多い。となると積算は予算取りのために事前に策定するのは、事実上困難であり、RFP作成のために、調査業務のみをまず外部委託する。以前は大手ITベンダーが「0円」受注するケースもあった。
極論を言えば、ITベンダーの言いなりとなる。

予算さえ取れれば発注担当としては役割はおわりだ。以降開発、運用すべて外部依存となる。

平井大臣の「死んでもNECに発注しない」発言 裏にはIT利権を巡るどす黒い駆け引き
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NECには死んでも発注しない」「ぐちぐち言ったら完全に干す」――。平井卓也デジタル改革担当大臣の会議での“恫喝”発言を、6月11日の朝日新聞朝刊が「スクープ」した。

「デジタル庁はNECには死んでも発注しないんで。場合によっちゃ出入り禁止にしなきゃな。このオリンピック(アプリ)であまりぐちぐち言ったら完全干すからね。一発遠藤のおっちゃんあたりを脅しておいた方がいいよ。どっかさ、象徴的に干すところを作らないとなめられちゃうからね。運が悪かったってことになるね。やるよ本気で、やる時は。払わないよNECには基本的には」

表現の不適はあるが、民間の発注者側にはよくあるパターンだ。
自分で費用積算や評価ができないユーザー側発注者は、絶対金額のみで判断する。
とにかく値切る。そのために複数業者を競わせる。

従来、外部ITベンダーに丸投げしてきた官公庁や自治体のシステムでは、おきていなかったことを、成し遂げたかもしれない。

しかし、73億円の予算を38億円に減額というのは、一見無茶振りにも思える。受注開発中の工事を、コロナで不要となったから、いらないと一方的に強いるのは、恫喝であり正当な取引とはおもえない。

さて、73億円の予算を38億円に減額したNECは哀れな取引業者なのだろうか。

 国会では、1月に政府が契約した「オリパラアプリ」が高過ぎるのではないかと、野党から厳しく追及されていた。前出の関係者が続ける。

「平井さんは担当大臣なのに、実は質問されるまで発注の事実をまったく知らなかったんです。首相補佐官和泉洋人さんがIT室の一部のメンバーと、業者選定や金額の割り振りまで決めていました。しかも、観戦客を含めて海外から来る120万人が使用するという触れ込みだったのに、海外からの観戦客はゼロになりましたから、アプリは無用の長物と化していたのです」

 4月になって73億円の予算を38億円に減額したと公表したが、それにNECが抵抗したという。NECが担当した顔認証アプリの開発はすでに終わっていたにもかかわらず、後から値切られる格好になったため、「ぐちぐち不満を言った」ようだ。

だが、「平井大臣の発言には、もっと他に意味がある」と語るのは、IT業界に詳しいジャーナリストだ。

「オリパラアプリの受注はNTTコミュニケーションズNTTコム)やNECなど5社のコンソーシアムで、NECの取り分はわずか4億9500万円。NTTコムの45億7600万円と比べると微々たるものです。それなのになぜNECを“恫喝”したのか。実は38億円への減額は形ばかりで、オリンピック後はその冠を外し、出入国管理に使う別のアプリとして継続することにしたのです。オリパラアプリの契約期限は来年1月までですが、来年以降も継続してカネが落ちるようにしてやった。それなのにNECはぐちぐち言うのか、というのが、平井さんの本音なのではないでしょうか」

図らずも外に漏れた平井大臣の「率直な発言」の裏には、どうやら業界の深い事情があったようだ。


新型コロナ対策でも露呈「霞が関DX」を阻むITゼネコン「ベンダーロックイン」
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国の多くのITシステムは入札によって業者選定が行われるが、その大半がNTTデータNEC日立製作所富士通など、「ITゼネコン」と呼ばれる企業に落札される。こう呼ばれるのは、公共工事を受注する建設会社のゼネコンと同様、自社で受注した物を自社で完成させるのではなく、傘下の「下請け」や「孫請け」などに「投げて」工事を完成させるところが、そっくりだからだ。システム開発も基幹設計をITゼネコンがやっていればまだしも、それすら下請けなどにやらせている事例も少なくない。建設業で言うところの「丸投げ」である。

首都圏のある中核自治体の場合、大手ITゼネコンに年間数十億円の保守管理費を支払っている。「役所の幹部にITの専門家がいないので、業者の言うがままになっています。自治体によっては外部からIT人材を中途採用していますが、なかなか機能していないようです」とその自治体の幹部は話す。

 つまり、ITシステムを構築する力を持つようなIT専門家がいないので、すっかり業者任せになっているわけだ。数年に一度、システム更新が必要だと業者に言われ、多額の追加投資を余儀なくされることも珍しくない。高いから他の業者に相見積もりを取ろうにも、「ベンダーロックイン」でシステム更新を他の業者がやることが事実上できなくなっている。

問題の本質である。

 2020年7月に閣議決定した「骨太の方針2020」には、デジタル庁創設などで今後、政府が目指す「デジタル・ガバメント」のあり方についてこう書かれている。

「民間の人材・技術・知恵を取り入れ、徹底した見直しを行い、ベンダーロックインを避け、オープンアーキテクチャを活用し、個人情報の保護を徹底し国民の理解を得つつ、利用者目線に立ちデジタル化・オンライン化を前提とする政策システムへの転換を進める」

デジタル庁は、従来の霞が関が行ってきた業者任せのITシステム開発を根本から突き崩すことができるのだろうか。

新たな利権の枠組みができそうだ。天下りがITベンダーがうけざらになるだろう。

今後、自治体ごとにあるシステムが、クラウドSaaS化が進行していくだろうが、多くはグローバルな仕組みを取り込むこととなり、安全保障をいかに確保できるかも大きな課題。


公取委、行政システム受注の「囲い込み」を調査
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今回、課題視される「囲い込み」はベンダーロックインと呼ばれる。情報システムに機能や仕組みを搭載する際、受注するIT企業の独自技術を組み込み、運用後の保守やシステム改修といった別の入札でも、独自技術を理由に特定の企業が担当せざるを得ない状況を作り出す。

2018年度の政府情報システムに関する会計検査結果によれば、省庁発注の競争契約423件のうち、7割超の313件で入札に参加したのが1業者だけの「1者応札」だった。契約別の1者応札は「新規開発」は59.2%で、「既存システムの改修」は94.1%に達していた。

囲い込みは、日の丸だけで可能だろうか。

盾は武器である

盾は武器である

ミサイルがミサイルを撃ち落とすという現実をまざまざとみせつけられたのが、「アイアンドーム」だ。

今回のハマスとの戦いでもアイアンドームイスラエルへの砲撃を防いでいるために、民間人への被害は圧倒的に少なく済んでいる。

日本の自衛隊もミサイル迎撃システムを持つ護衛艦や、地対空誘導弾「ペトリオット」を保有している。
北朝鮮のミサイル強化への対応に期待してしまうが、防御力強化すれば、攻撃側は更に対策を行うイタチごっこが終わらない。


この「盾」は民間人を守る有効な自衛手段であるが、兵器であることには違いない、戦士は盾で防御しながら剣や槍で攻撃する。堅固な守りは結果として、攻撃力を増すことになる。

防衛システムの強化も軍事力強化につながる。


イスラエルハマスの軍事紛争で、お互いの激しい空爆が続いていた。イスラエルガザ地区への空爆を行っており、ハマスイスラエルに対してロケット弾や「Shehab」と呼ばれるイラン製と思われるドローンで攻撃と空爆を行っている。

イスラエルハマスからのロケット弾や攻撃ドローンを迎撃しているのが、イスラエル軍の「アイアンドーム」と呼ばれるミサイル迎撃システムである。

アイアンドームイスラエルの軍事企業が製造。5月10日から約3000発のハマスからのロケット弾や攻撃ドローンの9割を迎撃していると報じられている。これだけ多くのロケット弾やミサイルが迎撃されるのは初めてとのこと。実戦においてもアイアンドームの精度の高さを見せつけたようだ。

アイアンドームという優れた自衛の軍備が、結果的に敵陣にいる民間人を大量に虐殺する現実

イスラエル側にガザのような多数の死者が出ているというニュースは見ない。

実際に、イスラエル側の死者数が圧倒的に少ないのは数字を見れば一目瞭然だ。この圧倒的な差の裏には、イスラエル軍が誇る「アイアンドーム(鉄のドーム)」の存在がある。アイアンドームは、2011年3月に導入されてからイスラエルのアラブ勢力との戦い方を変えた。今回のハマスとの戦いでもアイアンドームイスラエルへの砲撃を防いでいるために、民間人への被害は圧倒的に少なく済んでいる。

コストの問題はある。ハマスが放つカッサーム・ロケットは1発1000ドル(約10万円)。これを迎撃するアイアンドームの迎撃ミサイルが1発5万ドル(約510万円)では高過ぎる。戦闘が長引けば長引くほど、イスラエルも財政的にどんどん首が絞まっていくことになる。

エコノミスト誌は、この迎撃システムへの確度や信頼性が高まれば「イスラエルは、紛争を早急に終わらせようとする国内世論や軍事的なプレッシャーに逆らって、ガザへの攻撃をいつまでも継続させることが可能になる」と警鐘を鳴らす、元政府高官のコメントを紹介している。自陣に犠牲を出さないため、紛争を長引かせて、死者数を無駄にどんどん増大させることにつながりかねない。

一応、停戦は実現したが、この「盾」が抑止力にならないようだ。