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眼ではなく脳でカンじるのだ RSSフィード

2010-11-07

もし、高校野球の女子マネージャがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

かなり前に買ったものだけど、この前読んだ記事だあと、今週思うところがあってこの本を思い出しました。

2010-11-02

小説としてみるとけっこう残念な感じですが、ドラッカーの『マネジメント』の片鱗だけでもつかむことができそうな本かもしれません。でも、その本を読んでおよそ一年近く経つんですが、未だに人をうまくマネージするということが出来ているとは到底思えません。実際読んだときも、イマイチ実用的かと言われると何ともいえないなという感想を持ちました。よく読むような技術的な本やいわゆるハウツー本は比較的実行しやすいのに対して、この本は考え方を提示している訳で、小説内でも所々で『マネジメント』の抜粋が出てきますが、かなり抽象的でした(少なくとも僕にはそう思えました)。

ただ、それを主人公のみなみは頭を振り絞って野球部に取り入れていく部分、思考の過程は最初に出したポストに載っていた「嫁」の言っていたことと本のない用が結構一致していたように思います。主人公みなみの考えていることってなんだか"哲学的"だよねw高校生の女の子なのにwと思っていた節があるてまえ、結構ショックでした。

リーダーを経験したことがある人は、人をまとめるという経験をして中々うまくいかず真剣に考えているんだろうなということを思い知らされたような気がしました。だからこそ、社会ではリーダーとしての経験を積んでいる人材を求めているのだなと。つまり、自分もマネしてみればいいんじゃないかと。


それはそうと、本書にもありましたが、日本におけるマネージャと、欧米のマネージャのニュアンスの違いにはすこしカルチャーショックを感じます。

2008-11-15

053.闇の子供たち 梁石日

闇の子供たち (幻冬舎文庫)

闇の子供たち (幻冬舎文庫)

 映画はどうか知らないが、最初の頃は読むのをやめようかと思ったほど気分の悪い作品だった。だが、それだからこそ読む価値のある本でもある。読んだあとに自分に対していかなる刺激も与えないような本なら時間の無駄なのだから。


 この作品の主要テーマはタイトルにある通り「こども」だ。お金がないがために親に売られ、幼児売春や臓器売買の対象となってしまうような言葉に出来ないような不幸なこどもの物語だ。でも、それと同時にそれを救おうとする大人たちの話でもある。そして、それは社会の、ひいては国の問題であり権力と金と暴力によって構築された揺るがない世界でもある。そんな世界に挑んだ結果のであるEDシーンは印象深かった。

 さて、最初に書いたが、本書は読んでいて気持ちのいい本ではない。気分の悪い本と言えば、ちょっと前にも挙げたケッチャムの『隣の家の少女』がある。ただ、個人的には『隣の家の少女』は、どこか時の離れた、あるいは(説明に困るのだが)どこかファンタジーの入った物語のような、リアルさの欠けたように読めてしまっていた。内容が凄惨なではあるものの、薄く霧がかった感覚が、読後感を多少ではあるがマイルドにしていたように思う。だが、この作品は違う。日本においては、すごく身近とは言いにくいかもしれないが、世界的には十分にあり得そうな話だから(フィクションだけどね)。


ジャーナリズム存在価値

 途中から南部浩行というジャーナリストが登場する。彼は幼児売春売春、臓器売買の実態を記事に載せようとするのだが、その記事はかなり恣意的な内容を含んでいた。事実関係が曖昧だとヒロインが指摘すると、それを一刀両断する。

真実かどうかはこれから先の話だ。君は事実関係や真実にこだわっているらしいが、まず見えない相手に挑戦すること、そして見えない相手を見える場所へ引きずり出すことがおれたちの仕事なんだ。危険を避けたければ、見て見ぬふりをするしかない。

ネットでは、記事に対して証拠が不十分、憶測が混じっているといった批判が結構起きる。その姿勢が間違っているとは決して思わないが、この南部の発言には否定できないところもある。真相を調べるには力が必要であり、力を動かすためには世論を必要とすることも多い。完全に正しいといえるものだけを評価して、そうでないものは排除するという考え方は、結果的には必ずしも最善とは言えないのかもしれない。

2008-11-09

052.20代でファーストキャリアを築ける人、築けない人 若鍋孝司

20代でファーストキャリアを築ける人、築けない人

20代でファーストキャリアを築ける人、築けない人

 この本で、一番印象に残ったのは、自分軸を手放せということ。

 誤解のないように書いておくと、この本の中に大切なことはいろいろ書いてあるけども、どうしてもこの手の本は内容が似てしまうのもしょうがないところ。そんな中で、この部分には「おっ」と思わされた。

 自分軸って大事っていう考え方は、学校の頃から結構いわれること。オンリーワンとかね。だけど、自分で思っている自分軸を大切にするっていうことは、言い換えると自分の考え方にとらわれていることが多い。自分でやりたいこと、自分の考え方、自分のやり方などなどプライドが高い人は特に、そうでない人もどこかで、譲れない一線を持っている。そんなことないと思ってる人は気づいてないことが多いので余計注意だ(自分もきっと)。

 そもそも、ビジネスって言うのは相手があってはじめて成り立つものだ。だから、自分を軸にすることなんてそもそもあり得ない。それがビジネスである限り。「自分」なんてものは自分が行動している以上、にじみ出てくるもんだと思ってるから、積極的に出すもんじゃない。


一点だけ

 いろんな本を読めという部分の根拠が弱いのでは?僕も出来るだけそういう立場を取りたいと思っているからこそ「確かにね」だけじゃなくて「何で?」と思ってしまう。

2008-11-08

051.ヤバい経済学 悪ガキ教授が世の裏側を探索する スティーヴン・D・レヴィット、スティーヴン・J・ダブナー 訳望月衛

 名前は「ヤバい」けど、決して邪道な一冊じゃない。確かに題材はフツーの経済学で対象にするようなものじゃないかもしれない。「学校の先生と相撲の力士、どこがおんなじ?」では学校の先生や力士のするインチキ(だとデータからは推測される)に触れる。途中で話題にものぼるけど力士のインチキ(八百長)については結構ダークな一面もある。2章ではKKKと不動産屋さん、3章ではヤクの売人と、それだけでもまじめすぎない好奇心にあふれてる人なら読んでみようかな?と思いそうな内容。でも、最初に言ったけど、中身は決して決して変な論理展開を進めてるわけでも何でもない。きちんとしたデータを用いて、丁寧で分かりやすく、そしてきちんと話を展開している。

 題材のをみてみると、一見、経済学とどんな関係があんの?と思わないでもない。でも、各テーマの根底には経済学的な考え方が詰まっている。んー。。。ちょっと伝わらないかな?ここで言いたい「経済学的な考え方」っていうのは、「インセンティブ」の考え方だったり「情報」の考え方だったり「相関と因果」だったりする。どの内容も、少し聞いたことがあるなら、何となく分かってるつもりになりがちだ思う。でも、それぞれには結構いろんな要因が実は裏に隠れていたりして思ったとおりにならなかったり、間違った理解から思わぬ結論に結びついたりしそうなことだ。特に時々間違えそうになるのは、相関と因果だ。

 たとえば、p.193には「家にたくさん本があれば子供は学校の成績が良くなるか?」という疑問と「家にたくさん本がある子供は、本がない子供もに比べて成績がいい傾向があるか?」という疑問がある。ぱっと読んだ感じだと、同じこときいてるよね?って思うかもしれない(僕は思った)。でも、ひとつめの質問は「本があれば成績は良くなる?」という質問で、後者は「本の量と成績は関係がありそう?」としか聞いていない。もう少し言うと、前者は積極的に本が成績に影響を与えている(因果関係)、と言う解釈になるのに対して、後者は本が直接成績に影響を与えているか分からないけど少なくとも本が揃えられているような環境で育っている子供は成績が良さそう(相関関係)と言う解釈になる。

 こういう間違いって結構世の中に溢れていそう。ある地域では医者も多いが、病人も多い→病人が多いのは医者が多いせいだ→医者を減らせば病気になる人は減る!!変だよね。でも常識から外れてないような論法になると勘違いしやすい。こんな考え方をしないように気をつけたい。


最後に

 話が内容とは少しずれるが、気にとめておきたい内容があった。

 疑問を立てるときの最初の秘訣は、立てた疑問がいい疑問かどうかをはっきりさせることだ。それまで問われたことのない疑問だからといって、いい疑問だとは限らない。これまで何世紀もの間、頭のいい人たちがいろいろな疑問を考えてきた。だからこれまで問われなかった疑問には、ほとんどの場合、つまらない答えしか出ない。

 でも、もしもみんなが本当に気にしていることを疑問として立て、みんなが驚くような答えを見つけることが出来ればーつまり、通念をひっくり返すことができればーいいことがあるかもしれない。

2008-11-03

050.UNIXプログラミング環境 B.Kernighan, R.Pike, 石田晴久(訳)

UNIXプログラミング環境 (海外ブックス)

UNIXプログラミング環境 (海外ブックス)

 アマゾンには少なくとも品切れになっているけど、UNIXに入って間もないなら読んで損はない。内容も、正直素材としては古いと思わせるものも少なくないが、面白いのが多い。  (僕がUNIX初心者ではないから断言は出来ないけど)コマンドラインの基本、シェル、フィルタ(grep,sed,awk)、UNIXプログラミング、プログラム開発支援ツール(yacc,make,lex)と一通り以上そろってる。結構ディテールに言及してる部分もあるので細かいところが気になる人にも十分に答えてくれる。そのため、この本を読めば、コマンドライン操作としてはかなりの範囲をカバーできる。というか普通は十分。

 特にフィルタ周りの説明が秀逸。簡潔にまとめてある。短いという意味なら、どっかのサイトでいいだろ、という意見もある。ごもっとも。でも、ここはカーニハンが書いた本。最も簡単な説明でもいいけど少し粋のある内容にしてくれます(といいつつ、基本的に短いコードなのでそこまで面白いコードは少ないかも>フィルタに関しては)。『プログラミング言語C』の翻訳がいまいちという評価もある石田先生だけど、少なくとも自分では特にの翻訳は気にならなかった。もちろん、細部はオライリーの専門書に任せるとして。


 ただ、あくまで自分は必要に駆られて読んだので、後半のUNIXプログラミングからyacc,make,lexなどについてはほとんど読んでいない。むしろその辺りを読んでみたいとは思っているけど。