楽しめないアニメから護身する方法・99%のアニメを楽しむ方法


おはぎさんの
(アニメを厳しく見ること、厳しく評価することについて )
http://nextsociety.blog102.fc2.com/blog-entry-2186.html

にインスパイアされて。

以前はアニメを厳しく見ること、厳しく評価する事が良い見方だと信じていました。
厳しく見れば、評価すれば、良い見方が可能になると思っていました。
そして自分が大好きな作品のレベルに達しない作品はダメだという評価をしていました。

この考えの元、色々な作品を見ては、
「作品Aはダメ。○○な理由で良くない」
「作品Bはダメ。○○な理由で良くない」
と評価を下していきました。

そう、学生時代の頃から数年間は以上のような見方を続けたと思います。

でも、自分なりの厳しい見方をし続ける内に、
自分の中にある変化が起こっていることに気がつきました。

「あれっ。新しく見る作品が無くなってきている…」
「最近、アニメを面白く感じられない…」

色々な作品をダメだと評価を下してしまった為に
アニメを楽しめなくなってしまったのです。


これは多くのアニメオタクが一度は通る道なんじゃないかと思う。


何が理由でアニメオタクになるかは人それぞれだろうが、
少なくとも、駄目なものを辛い思いをしながら見るためにアニメオタクになったわけではないだろう。


しかし、「本当に面白いと感じる作品」というのは、
そんなにゴロゴロあるわけでもないというのが事実なのだ。


では
どうするか。


●護身法:自分の「アニメ効用関数を知る」
人間には好みというものがある。
同じものでも人によって好き嫌いも評価も分かれる。
どんなに他人が良いと言おうと嫌いものは嫌いだし、
好きなものは好きだ。


そこで問題になってくるのが、「自分の好みの把握」だ。


ここで仮に
アニメから得られる効用の関数があるとしよう。


例えば、俺の効用関数を
u=x^2+y
と仮定する。
uが効用(アニメから得られた快感)
xとyがパラメーターだ。
このパラメータが例えば
x=話の面白さ
y=絵の綺麗さ
とかだったりする。


勿論これはとても簡単な例で、
人間の効用関数はこんなに単純ではない。


そしてこの効用関数を知るためには実験するしかない。
つまり、いろんなアニメを見て、効用がどうなるかを観察するのだ。


私はこの仮定のもと、様々なアニメを見ました。
その中で私の効用関数では、コンテマンや原画マンなどの、
いわゆる「スタッフ」という部分のパラメーターが大きな役割を担っていることがわかってきました。
あるいは、演出の中でも「飛躍」というものに非常に魅かれるものがあるとか、
作画で言えば、「ケレン味」と言われているものが響くとか、
ストーリー的には友情ものが好きとか、
そういうのが分かってきました。


その結果として、
スタッフとあらすじとデザインを見れば、
ある程度は、自分の効用を予測できるようになりました。
「この人がこういう話をこういうデザインでやるならきっと俺は楽しめるだろう」
「武本はパス」
「やっぱり、”百合とは友情”なんだよなぁ」
とかそういう予想が。


これで、「楽しめないアニメ」を見る確率がぐっと減りました。
見なければ、文句を言う必要もなく、
いろんな意味で嫌な想いをしなくて済みます。


もちろん、この予想は完璧ではありません。
効用関数もパラメーターも全部推定値でしかないのですから。
そこで予備の手として、
「自分と効用関数の似ている人間」を見つけました。
つまり、俺が「これは駄目かも」と思っても、
その「効用関数が似ている人」が見て、面白いと言っていれば見ればいいのです。


なかなか”護身完成”とまではいきませんが、
まあそこそこの危機は回避できるようになりました


●99%のアニメを楽しむ方法
ある程度の護身を身に付けたわけですが、
その結果、やっぱり見ることが出来るアニメが減ってしまったわけです。


でも、世の中には俺には楽しめないけど、他の多くの人が楽しんでいるアニメがある。
それで、なんか損してる気分になったんですね。
お前らばっか楽しんでズルイ!
みたいな。
でもだからと言って、無理に良い部分を探したりするのもなかなか俺には厳しい。


そこで、色々と考えた結果、
「99%のアニメを楽しむ方法」を考案しました。


それは
「他人の効用関数をエミュレートする」ことです
簡単に言えば、そのアニメを楽しんでいる人になりきれば良い訳です
人間の脳には「ミラーニューロン」という模倣用の機能が備わっているわけですから
出来ないことはないはずだ。


例えば、「けいおん」を俺が楽しめないとして、
楽しんでいる人の、ものの考え方や感じ方などをそのまま自分の中で再現する。
勿論より正確なエミュレーションを行うためには、
楽しんでいる人をより知る必要があります。


大変ありがたいことに、今はネットの時代。
大抵どんなアニメにも「そのアニメが好きな人」が居ます。
しかも、ブログにしろツイッターにしろ、その人の考えが詰まった文章等まで付いています。
運がよければスカイプ等で直接話す機会もあるでしょう。


これによって、今すぐというわけにはいきませんが、
理論上はほぼ全てのアニメが楽しめるのです。


なので、私は「自分と同じ効用関数の人」と同じくらい「自分とはまったく違う効用関数の人」に興味があります
彼らの考えや感覚を知ることで、楽しめるアニメが増えるのですから。


こっちの方法はどこまで巧くいくかは分かりません。
ただそういう「エミュレート」というか頭の切り替えみたいなものを
ちょっとだけ出来てきたような感覚もあります。



と、最近のアニメの楽しみ方についてはこんな感じで。