Hatena::ブログ(Diary)

まっつねのアニメとか作画とか このページをアンテナに追加 RSSフィード

2016-09-09

君の名は。についてのメモという名の叫び

(注意:ネタバレとか気にしないで書きます


噂の『君の名は。作品評を読んでしまった。

新海誠というアニメーション作家独創性、新しさを理解するうえでほんとうに重要なのは、かれがゼロ年代という固有の時代、そしてアニメ以外のオタクコンテンツという固有の領域とが交錯する地点で出現したイレギュラーの才能であり、だからこそ、たとえばジブリ宮崎駿高畑勲から押井守庵野秀明を経て細田守にいたるような、戦後日本アニメ史の正統的な文脈レガシーをじつはほとんど共有していない、いわばアニメ界の「鬼っ子」的存在


というやつだ。


この文章の中身についてに細かくは言わないけど


あの糸森町草木東映動画から名作劇場、そしてジブリを経て繋がるDNAが感じられなかったのか?

仕草で人物の内面を見せる細やかな芝居に、森やすじさん・近藤喜文さんから流れる芝居作画DNAを感じなかったのか?

翻るスカートのそのプリーツのはためきに、うつのみやさんから電脳コイルを経て伝わるリアル作画DNAを感じなかったのか?

宮水神社のご神体の前に流れる川のきらめき二木真希子さんが見えなかったのか?

冒頭シーンのカメラワークレイアウト板野一郎まなざしが見えなかったのか?

爆発のエフェクトに、庵野さん、本谷さんから流れてスチームボーイを経由する輝きが見えなかったのか?

時折見せる顎のアオリタツノコから谷口さん、湖川さんらを経てつながる立体感が見えなかったのか?


確かに新海監督は『秒速5センチメートル』まではある種の異端だったかもしれない。

しかし、『星を追う子ども』で日本アニメ過去について意識的模倣をしている。

https://www.anikore.jp/features/shinkai_2_6/

パンフレットにも『星を追う子どもから意識の変化、「古典」を取り入れることが新海監督の口から語られている。


君の名は。』では紐のモチーフ時間へと連想されて描かれている。

これは新海監督が、日本アニメ史を含むこれまでの様々歴史と繋がっていることを自覚しているとしか考えられない。



東映長編から日アニ、ジブリへと繋がるその古典的普遍的な要素の取り入れは

これまでも散発的に行われてきた。

君の名は。』のキャラ造形はそれを彷彿とさせる。

それが例えば、『ゼーガペイン』。

君の名は。』の安藤雅司さんがジブリを抜けるのと前後してジブリのメインアニメーターとなった山下明彦さんが

キャラクターデザインを務め、ジブリ的なキャラ造形になっている。

f:id:mattune:20160909145655j:image

f:id:mattune:20160909150522p:image:w640

↑『ゼーガペイン

f:id:mattune:20160909150543j:image:w640

f:id:mattune:20160909150544j:image:w640

f:id:mattune:20160909150545p:image:w640

↑『君の名は。

山下さんは『ゲド戦記』の制作へ参加するため、『ゼーガペイン』の実制作には参加していないが、

それによって、ジブリ的なものサンライズ的なものの「融合」がより行われることとなった。


あるいは連想したのは『銀色の髪のアギト

f:id:mattune:20160909150541j:image:w640

f:id:mattune:20160909150542j:image:w640

↑『銀色の髪のアギト

原案は『天空の城ラピュタ』の演出助手を務めた故・飯田馬之助さん。

賛否両論作品ではあるが、キャラ造形に関してはジブリハイブリッドの一つの道を示した。

(また、『アギト』のアバンシーンとよく似たシーンが『君の名は。』にもある。

板野一郎DNAの為せる業か)



君の名は。』の映画終盤には新海監督の過去作品モチーフが次々と登場する。

その解説は新海ファンに任せればいい。

むしろ、『君の名は。ラストカット

ラストカットの背景美術はこれまでの新海美術のような「煌びやかさ」はない。

むしろそこにあるのは素朴なリアリティに寄り添った東映長編からジブリへと繋がるラインだ。


糸を縒り集めて作られた紐、『君の名は。』とは日本アニメ史の「紐」なのだ



P.S.

奥寺先輩、めちゃくちゃ既視感あるんだけど、ジャストで思い出せない。

紅の豚ジーナか、、、?

f:id:mattune:20160909150546p:image:w360

安野モヨコ作品か、、、?

f:id:mattune:20131220141153j:image:w360

いや、もっとストレート既視感が、、、、

この美術部ちゃんと帰宅部活動記録ちゃんくらいのが、、、、

思い出せない、、、

大塩高志大塩高志 2016/09/10 21:58 前略 多分初めてコメントいたします。

 私のブログでも記事にする予定ですが、私自身は序盤から、アニメ『タッチ』だと理解していました。特に白を目立たせている風景や制服に、杉井ギサブローの後継と私は認識。実は細田守の『時をかける少女』も、アニメ『タッチ』と理解した覚え。草々

mattunemattune 2016/09/11 01:02 >>大塩高志さん
始めまして、コメントありがとうございます。
杉井さんは著書『アニメと生命と放浪と』で「情感」というものについて重視していたと書いており、『君の名は。』『時かけ』ともに杉井さんが切り開いた地平にいるものというのは納得感があります。

大塩さんの記事、楽しみにしております。

作豚10年生作豚10年生 2016/09/13 15:51 新海はストレートにアニメ業界に入ってたら潰されてただろ、でもこうやって成功したんだから相当戦略家だよね。とかある意味バカにした批評?も、はてなの人がやると、やたら清潔感と説得力があってムカつくよなーw
まあ、ひねくれた俺らから見ると、新海はどうしても天然に思えてしまうのよね。ぶひぶひ
なんつって。

自分は新海誠は何の期待もしてなかったので、この扱われ方っぷり、笑点の司会が春風亭昇太になったのと同じ衝撃。2つ目は作画アニメなのに、ちゃんと楽しめるというw驚きがあり。

意図は分からんですが、君の名は。やたらアニメ映画っぽかったですね。前半の姉妹の芝居のくどさ!!自分は宇宙ショーの失敗?思い出して、ちょっとうざかったです。

後半になると素直に感動しちゃって、雲の向こう約束の場所へでは、作画その他が残念すぎて何がやりたいのかよくわかんなかったけど、こういうことだったのかあ、と理解できた嬉しさ。新海は10年間積み上げて、成功して、そうすると失敗も含めて全部肯定されるという。なんか外側のドラマばっか見ちまうよ…。つまり、カープファンじゃなくてもカープが優勝すると嬉しいもんだなっていう…

mattunemattune 2016/09/14 22:47 >>作豚10年生さん

「カープファンじゃなくてもカープが優勝すると嬉しいもんだな」
良い表現ですね。
私も新海さんについては、まさにその心境です。
そして、安藤さんにジブリ以外のヒット作が出てよかったな、
というストレートな喜びも。

豚 2016/09/24 00:58 「星を追う子ども」以前は異端って認めてしまうのもダメだと思いますよ。

豚 2016/09/24 16:42 それだと反論にならないからね

mattunemattune 2016/09/26 20:08 >豚さん
くわしく

大塩高志大塩高志 2016/11/05 12:08 前略 お久しぶりです。初見の記事では作品への言及が乏しいと思ったので報告を避けていたら、二回目の鑑賞が十一月になってしまいました。今回はよりましな分析ができたと思うので、ご一読していただければ幸いで。草々

スパム対策のためのダミーです。もし見えても何も入力しないでください
ゲスト


画像認証

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/mattune/20160909/1473403963