さとしの涙、あらしの想い ハワイの風と海と夜

智さんが流したあの涙をどうやって言葉に表せばいいのかわからなくて、LVから帰って来てすぐにPCに向かってみたものの、ふさわしい言葉も文章も見つけることができずにそのままPCを閉じてしまいました。
ようやくこうしてキーを打ちながらも、あれはもう、語彙力のない私が陳腐な言葉を並べて無理やり形に残すより、心の中だけに留めておいたほうがいいのかもしれないなんて思ったりもしたけれど、稚拙ではあっても書き残しておけば、この先も読み返した時に、今のこの想いを新鮮な気持ちで思いかえすことができるなぁと思ったわけです。


「ヘリから飛んで来た時から感動していました。 感動を通り越してもうワケがわからないです。 
昨日の夜、ホテルのベランダで1人で浸っていました。
15年前の僕の、色々とワケのわからないモヤモヤしていた記憶を思い出したりしました。 でも今はもう迷いも葛藤もありません。 メンバーのみんなやスタッフさん、マネージャー、そして皆さんのおかげです。 これからも共に人生を歩んで行きましょう。」


一言一句正確ではないです。 私のメモ書きに書かれていた断片をつなぎ合わせたものなので。 でも智さんが伝えたかった事は全て書きとめたと思っています。

そこにはいつもの使い慣れた 「空間」 も 「新鮮」 も 「非常に」 という言葉もなく、それは迷いや不安、揺れる心をひっそりと抱えながら、ひとつひとつ一生懸命に歩んできた、15年という月日と自分自身への想いを溢れるままに語った魂の言葉でした。

挨拶の途中で万感胸に迫り言葉に詰まった智さん。 一度はこらえるもやっぱりダメで、一度顔を隠すように腕を合わせ、上げた顔の右の瞳から涙が一筋つたわったあとはもう左瞳からも、そして次々と涙がこぼれてきて、次にはその顔を隠すことも涙を拭うこともせず、溢れる想いを言葉にして紡ぎ出したその姿が何よりも美しくて尊くて、智さんのこれまでの15年の全ての葛藤が洗い流され浄化されていくようでした。

私はと言えば、泣いている智さんを見てもらい泣き、とはすぐには至らず、はらはらと泣く智さんに微笑ましくも見惚れていたのです。
だって、新聞の見出しの 「男泣き」 と言うにはあまりにも儚くて愛らしく、すぅ…っと綺麗な涙の線を描くその人は、可憐な少女のようでもあり、思春期の繊細な少年のようでもあり、または庇護を求める幼子のようでもあって、一緒に泣くというよりは、純粋よりもなお無垢なその人の、願わくは傍に行って腕の中に抱きとめたいと思ったから。

それでもやはり、その小さく華奢な身体で、計り知れない様々な重責を担い全うしてきた軌跡には 「男泣き」 という言葉がふさわしい事には違いなくて。

続くあいばちゃんやニノ、まつじゅんの言葉を聞きながら、私もだんだんと込みあげてくるものがあって、目尻に何かが溜まる気配を感じてきて、そして


「Season」


…ずるいなぁ。


翔さんが、必死に涙をこらえている、もしかしたらすでに泣いているのかもしれない姿が映し出されたのを見た時にはもう、私も一緒に泣いていました。
どこまでも透明な、智さんの美し過ぎる極上のソロが、風に乗って空に海に夜に溶けて行くようで、心を震わせずにはいられなかった。
 
翔さんが語った5人の事。 寄りかかりながら、支え合いながらじゃないと立っていられなかったという始めの頃。
今はもう、5人それぞれが力強く地に足を着け踏みしめて、でもその手はしっかりと繋いだままで、次の先を目指して突き進んで行く頼もしい5人の姿があるだけで。

そして智さん。 

「これからも共に人生を歩んで行きましょう。」

世界中の、一体どれだけの単位のファンたちにプロポーズしたのかわかってる?

あのハワイの夜空の下、智さんとファンが交わした心の婚姻。

これからもずっと、私達はあなた達の行く先を変わらずに見届けてゆくから。


嵐さん。 15年目の結成の地、ハワイ凱旋コンサートの成功 おめでとうございます。