「中核的利益」とかつての「カーター・ドクトリン」

以前書いた、
中国さんちのグレートゲーム - maukitiの日記
抗議の応酬よりも怖い沈黙 - maukitiの日記
などから至る、ある意味で必然の結果でもある中国さんちのお話。


米中関係、にわかに緊張 米産業界は北京に猛反発、南シナ海でも… WEDGE Infinity(ウェッジ)

中核的な利益という言葉を中国が使うときその裏にあるのは、「解決するためには武力を使うことも辞さない」ということだ。米国、あるいは国連など外部機関による「介入」を、中国は一切拒むということも意味している。

米中関係、にわかに緊張 米産業界は北京に猛反発、南シナ海でも… WEDGE Infinity(ウェッジ)

中国にとって南シナ海は「中核的利益」だそうです。あれ思い出します。カーター・ドクトリン。かつてアメリカ大統領も以下のような事を言っていたんですよね。

  • ペルシャ湾岸の支配権を握ろうとする外部勢力の試みは,いかなるものであれ,アメリカ合衆国の死活的国益に対する攻撃と見なされ,必要ならば武力行使を含むあらゆる手段によって排除される」
    • 「平和と世界安全保障に関する5大学研究プログラム」理事,MichaelT.Klareによれば,大統領が特定の地域ないし問題に,アメリカの安全保障が関わっていると語る時,それは米政府が国益を守るために武力を用いる準備があることを意味する.*1

そして翻って中国は今、「南シナ海を台湾、チベットと同じように中国の中核的利益である」と語るわけだ。
かつてのアメリカと同じように、軍事力の行使をしてでも守るべき利益、であると。


よく安全保障の教訓の一つとして「意思ではなくて能力に備えろ」的な文句がありますけど、無駄に立派な「意思」だけは持つ北朝鮮がある種のギャグ的な脅迫にしかならないのは、故にまぁ当然の話ではあります。
しかし北朝鮮などとは違う中国のような実際に立派な「能力」のある国家が、それに加えて意思をもはっきりと表明するのは、今後の国際関係についてなかなか考えさせられるものがありますよね。