マグノリア 感想

マグノリア [DVD]

　　
2000年公開。
※ラストのネタバレあります
いわゆる群像劇型のストーリー。この手の映画は知ってる俳優以外のキャストが憶えられなくて序盤は混乱しやすいのが難点ですね。
実際、私も最初スタンリー（天才クイズ少年）とジミー（クイズ番組の司会者）はそれぞれドニー（元天才少年）とアール（死期が迫っている大物プロデューサー）の過去の話かな？と思っていました。
観る前から上映時間が3時間以上あると知っていたのですが、やっぱりやや長く感じてしまいました。
特にアールのシーンはベッド上でただ喋るだけなので正直ちょっと退屈でしたし、歌が流れるシーンも冗長に思いました。
ただもちろん非常に面白いエピソードも多くありました。私は前述のスタンリーのエピソードと、ジム（警官）*1とクローディア（ジミーの娘）のエピソードが好きでした。
ラストのカエルが降ってくるシーンも子供の頃から珍事件簿みたいので読んで知っていたのでそんなに違和感は無かったです。
旧約聖書（出エジプト記8章2節*2）からの引用らしいですが、単に「奇跡」の象徴としての意味でも映画の理解には問題ないようにも思われます。
もう少し短くまとめられたような気もしますが、観て損はない映画だと思います。

野良犬 [Blu-ray]

*1:彼が拳銃を無くすエピソードは黒澤明の「野良犬」のオマージュだそうです。そしてラスト近くで無くした拳銃が空から降ってくるのは、拳銃を拾った犯人がある事があって改心し、町を出る時にハイウェイから投げ捨てたものが、たまたま彼の目の前に落ちて来るというシーンが脚本段階ではあったそうです。

*2:とにかく映画の中にはこの数字が満載です。降水確率82%、絞首刑された囚人の番号82、ダイバーを空中散布した飛行機の番号も82、ジムの電話の私書箱82番、カジノでディーラーが配ったカードは8・飛行士が欲しがったカードは2、飛び降り自殺しようとした青年のいた屋上にあったロープがまるまり82の形になっている、検死医協会の表彰式が行われたのは8時20分、極めつけはクイズ番組の観客が掲げたプラカードはそのままズバリ「Exodus（出エジプト記）82」。