「UMAハンター馬子 完全版2」田中 啓文

 書き下ろしの2エピソードも含めて、堂々の完結です。シリーズ全編を読み終えてみての感想はヒトコトで言うと……田中さん、遊びすぎです(笑)もー、大好きっすよこういう感性。いくらウルトラセブンが好きだからって、そこまでやっちゃうかねってぽかーんとするほどの遊びっぷり。でもって、駄洒落と語呂合わせとアナグラムに魂を捧げきってるというか、コレなくしては成立しない世界観とストーリーを徹底して追求してるし。そしてそして、これまた外せない馬子の暴言暴飲暴食暴力(笑)。もう、どれをとっても遠慮もなく、のびのび描き尽くされていて、その歓喜のオーラが読む方にも伝わってくる感じ。いやあ、満腹です。
 ちなみに、自分の「馬子の正体&真の目的」予想ですが、「目的」の方は見事に当たりましたが…「正体」は三分の一くらいしか正解しませんでした。つーかそこまで無軌道にすごい設定にしてるなんて思いませんよ!
 ともかく、傑作ですよ。傑作伝奇民俗怪獣ギャグ。
 末永く読み継がれて欲しい作品です。
 しかし、帯の「珍伝綺」って…「伝綺」って言葉、講談社さんだけじゃなくってハヤカワさんまでオフィシャルに使ってるのか。もう、こっちが一般化してるんでしょうか?わかりませんが。

UMAハンター馬子 2
田中 啓文
早川書房 (2005.2)
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