原作を読む前は、シグルイに出てくる数々の異形の武芸者たちはみな原作に登場するものだと思っていたが、これら八割方山口氏のオリジナルだと知ってからは、その独創性・想像力に舌を巻くばかり。やはり山口氏は天才。まあ、この「無明逆流れ」の押し広げっぷりから考えると、おそらくは「駿河城御前試合」の他のエピソードが漫画化されることはなさそうですが、それでもいいや。ここまで面白くしてくれるのなら。検校の思惑も絡んで、御前試合までの道のりはやっぱり相当に長くなりそう。何より、藤木ってばまだ両腕あるしな。
あと、更に原作読了後にしみじみ感じるのは、シグルイの中で度々出てくるナレーション、モノローグの類の文章の格調の高さ。漫画の領域を脱しているので、てっきり原作からの引用だと以前は思っていたわけですが、これも山口氏の手になるものってことで…鬼気迫る文体、行間から漂う異才。小説家にもなれるんじゃないですか、山口氏。天才。天才としかいいようがない。
ピルグリム・イェーガー 5
posted with 簡単リンクくん at 2005.11.23
鋼の錬金術師 初回限定特装版 12
posted with 簡単リンクくん at 2005.11.23
結構長くかかってしまいましたな。全6巻読了までに。途中、いろいろと話がぶっとんで、最初の話はどうなったんだ、と思うようなトキもありましたが、一応きちんと着地を決めましたな。しかし、この線の多さとトーンの大量使用っぷりは…いったいどんだけ手間がかかってるんだろう。えらいなあ。岡田さん。