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↑ネタとか小説とか面白かったら、あるいはツッコミや激しく同意なときにいただければ幸い。コメントには、須く日記でお返事させていただきます。

2006-02-28

[]「フェティッシュ西澤保彦

フェティッシュ
西沢 保彦著
集英社 (2005.10)
通常24時間以内に発送します。

久々に手に取った西澤さんの作品ですが、面白い!人を狂わせる、渦のような存在を描くサスペンスミステリは数多くあれど、ここまで「モノ」としての魅力、カタチ、外見のみに特化して、すなわちフェティシズムの対象としての「ファム・ファタール」(クルミは男性のなのでこの言葉は本来適切ではないが、そのメンタリティが限りなく蹂躙される側に立たされた場合の女性に近く描かれている気がするので、敢えてこう書く)を描ききっているのは、希有なのではと思ったりする(あくまで自分の知識の範囲内であるが)。西澤さんって、お会いしたことあるんですけど、本当に穏やかで優しくて紳士で、いい人なんですよー。その真面目そうな西澤さんが、このように人間としての何かを見失っているキャラをイキイキ描けるというのは、いつものことながら本格ミステリ界の七不思議かと思ってしまうわけなんですが(笑)。ともかく、変態がいっぱい出て来て、迫力あります。そして、インモラルな刑事を描かせると、少なくとも本格ミステリ系の作家さんの中では、多分西澤さんは第一人者(笑)

「夢幻巡礼」の主人公だった殺人狂刑事にも似ていて、自分的にはぞくぞくする魅力を感じました。

[]「グラスホッパー」伊坂 幸太郎

グラスホッパー
伊坂 幸太郎著
角川書店 (2004.7)
通常24時間以内に発送します。

相変わらず、どこまでも個性的なキャラが絡み合う伊坂節、堪能しました。

「陽気なギャングが地球を回す」でも感じたことですが、伊坂さんは存在感のあるキャラを造形するのに、独特の方法論を持っておられるような気がします。数々の特徴、特性、特技を付け足し付け足し複雑化させるのではなく、逆に分解して単純化していくことによって尖鋭化し(例えば、この作品に出てくる「押し屋」とか、「陽気なギャング〜」に出てくる演説の名人とか)、そこから連想されるキーワードで個性を膨らませていく、そんな感じ。ともかく、独特の方法で人を殺す裏稼業の方々が裏に表にバトルを繰り広げる様は、先日読んだ都筑道夫氏の「なめくじに訊いてみろ」にも通じる面白さがありました。しかし、鈴木くんってば主役(なのかな?)なのにいまひとつ影が薄いというか何もしてないというか(その意味では狂言回しに過ぎないのか)、少し惜しい気がします。ラストはなんか腰砕けだし(笑)

[]「沈黙博物館小川 洋子

沈黙博物館
沈黙博物館
posted with 簡単リンクくん at 2006. 2.28
小川 洋子著
筑摩書房 (2004.6)
通常2-3日以内に発送します。

人の肉体の存在した証、形見を収集する博物館と、それを作り上げんとする老婆と博物館技師、その周囲の人々の物語。「形見」として収集される品々はどれもグロテスクで、その死に様までもが克明に記録と保存をされていく。きわめておぞましく、ネガティブで陰気なテーマ物語のはずなのに、それでも全体的に何故か透明で美しいお話に仕上がってるのがとても不思議。おそらく小川さんは、死もまた人の営みの一部、世界を構築する欠かせない部品であり、そういったものを含めて世界は美しいと信じておられるのだろう。

それにしても、人の死を収集するという作業の、なんと空虚なこと。人は必ず死に、いつか忘れ去られていく。そのことを眼前に突きつけられながら日々を生きると言うことは、相当にしんどく、自らの存在の危うさ、無力感にさいなまれなる仕事だと思うのだが。だがしかし、この作業こそは、その人の生の虚無なること、死して消えゆく人の定めに対する、ささやかな抵抗なのかも知れない。

ともかく、悲しく寂しくなるほどに美しく、冷たく透き通った物語でした。なんともいえない、不思議な読後感。

2006-02-27

[]ぐわー(卒倒)

ひさしぶりに怪獣コラ系の画像を真面目に作ったので(その割に出来は微妙ですが…)、背景とか看板を変えようと作業していて、ついでにテーマも変えてみようとあれこれ試してたら、今まで地道に切ったり貼ったりしていたヘッダやフッタの設定を全部上書きして消してしまい、往生しました…あんまりいろいろ付けたり消したりしたもんだから、自分でも既にどんな設定にしてたか忘れてる(笑)ようやく、原型に近い形に直りましたけど…くそう、いらん手間暇食ってしまいました。

ちなみに、今回の看板は、単にスケールが似たウルトラセブンとパンドンのソフビが手に入ったので、ストレートセブン最終回の再現がしてみたかったのでやってみた、それだけ。何のひねりもないですが(笑)

背景の方は、久々に切り貼りしてコラしましたよ。海底大戦争って感じに、海のバケモノと水中メカを若干配置してみました。本当は、スティングレーとか並べてみたかったのですが…持ってないのでサンダーバード4号で我慢。いつか再チャレンジしてみたいテーマかも。


SHINOBI [DVD]

SHINOBI [DVD]

正直、「甲賀忍法帖」の映画化というニュアンスで期待をすると、それなりに期待はずれ(笑)

勝負に参加する双方の忍者の数がそもそも半分に減っているし、その削られた戦闘エピソードの中にこそ、この原作の幻魔怪奇な魅力に溢れた忍術妖術が炸裂していたりするので、がっかりする。

第一、弦之助と朧の能力も全く設定が変えられているし…

また、原作はあくまで虚々実々、奇々怪々の忍術合戦を描ききるのがテーマであるのに対し、この映画忍者版ロミオとジュリエット的ラブストーリーとしての側面に力が入れられているので、極悪非道にして非常な忍者シリーズ世界観からは乖離している。

まあ、そもそも忍法帖シリーズをまともに映像化なんてよほど巨費を投じないと無理だし、その割にR指定な術とか展開が多くて観客数稼げないことが明白なので、普通に客が呼べる種類のエンターティメント映画として成立させるのには、やむを得ないアレンジだったとは言えるだろう。

その枠組みの中で考えれば、かなり完成されていたんじゃないかと思う。椎名桔平や黒谷友香といった実力派は期待に違わず実にいい演技をするし、坂口拓虎牙光輝アクションは鬼気迫るモノがあって魅せるし、最初それらに食われている感が漂う仲間さんとオダギリの存在感も、終盤バトルの激化と美しいラストに向かって、次第に増していくし。

まあ、「甲賀忍法帖」とは別物として考えれば、楽しめる佳作だったと思います。

2006-02-19

[]「図書館戦争」有川浩

図書館戦争
図書館戦争
posted with 簡単リンクくん at 2006. 2.20
有川 浩著 / 徒花 スクモイラスト
メディアワークス (2006.3)
通常24時間以内に発送します。

白状しましょう。タイトルを見た瞬間、「おお、有川さん、『空の中』『海の底』と続いた自衛隊・軍事路線から、新境地か?」と期待し、読み始めて「また軍隊モノかよ!」とツッコミ、失望し、でも読み進めると…やっぱり面白いんだなあ。読み出すと止まらず、一気に読み切ってしまいました。とにかくまあ、この人ってば軽口の叩き合いと痴話喧嘩を書かせると本当に右に出る人いないんじゃないかしらん。その部分だけ読んででもストーリーそっちのけで楽しめる勢い。

それはともかく、図書館テーマということで、元図書館員であった俺には馴染みが深いテーマでして。ここに描かれている図書館のあり方や、表現の自由や個人情報の取り扱いについての図書館という組織立ち位置は、まあ設定が設定だけに誇張があったりカリカチュアライズされている感は否めないけど、現実でもまるっきりこの通りなのです。

で、真面目に図書館員としての責務を果たそうと努力すればするほど、「図書館の自由に関する宣言」とか「ユネスコ世界図書館宣言」の存在を知らず知ろうともしないバカと、不毛なバトルを繰り広げる羽目になるのも一緒。今は、行政の財政難も後押しして、もっと立場が危うくなっているっぽい。まあ、なくても死なないのが図書館ではあるんですけど、やっぱり教育未来への財産と考えて、きちんと最低限投資すべき施設だと、図書館を離れた今でも強く強く思いますですよ俺は。

で、作品の感想に戻りますが、ネタがやはり少し地味なので、「空の中」とかに比べると、展開のサプライズや巨大な感動というものは少し落ちます。結末部分で分かる「正義の味方」の正体も、早くから見当はつくし。ですが、後書きによると「小説で月9」が当初の目的だったらしいので、その意味に置いてはしっかり完成されています。やっぱり巧いなあこの人は。

[]「パクリ・盗作スキャンダル読本

この本を手に取ったのは、飛鳥部さんの「誰のための綾織」絶版回収騒動について、詳しく書いてあるかと期待してのことだったのですが、この件についての記事は少なめ。ただし、この事件についてブログコメントした山口弁護士のインタビューが載っているので、それなりに勉強になりました。自分的には、「エデンの花」絶版騒動も飛鳥部さんの事件も、「やりすぎ」って印象ですが、このインタビューを読んで、よりその思いは強まりました。無論、どっちもあからさますぎで下手だなあ、とは思うわけですが、正確な意味における著作権侵害とはやっぱ違うわけで、それをこんな風にざっくり抹殺しちゃうってのは、山口氏もおっしゃるとおり「表現の自由に関する制約」になって、もっと面白い作品が生み出される可能性をつみ取ってしまい、業界を衰退させる、つまり出版社にとっては自分の首を絞めることになると思うんですが…

こんなことを言うと、「面白ければパクってもいいのか」と言われそうですが…本当に作品の根幹に関わるような部分のあからさまな模倣や、文章内容ほとんど同じみたいなパクリっつーのは、法的にはどうであれ、基本的にその作者が表現者として無能であることをさらけ出すわけですから、結局売れないだろうし社会的制裁は受けるわけじゃないですか。だから、圧力にただ屈する形で(原書房の場合は、専門家にすら相談してないっぽいわけですし)絶版とか臭い物には蓋方式でなく、ちゃんと読者に委ねるようにすべきだと思います。

[]「アザゼルの鎖」梅津 裕一

アザゼルの鎖
アザゼルの鎖
posted with 簡単リンクくん at 2006. 2.20
梅津 裕一〔著〕
角川書店 (2002.2)
この本は現在お取り扱いできません。

実はこの作者さん、俺が栗本薫氏のファンが集うパティオ「天狼パティオ」に出入りしてた頃にお知り合いになった人なのです。当時も小説家を目指して頑張っておられたので、デビューしたときは嬉しくて…ちなみに、この人はノワール風味やピカレスク・ロマン風味がお好きなようなんで、この作品にもそれは顕著です。しかし、この陰惨なお話をスニーカーから出すってのは、なかなか英断が要ったんじゃないかと(笑)。それはともかく、おそらく作品のウリであろう刑事の暗黒性が、読者の年齢層を配慮してか遠慮がちなのが、少し残念。

[]「Kar‐MAN 業の獣」梅津 裕一

Kar‐MAN
梅津 裕一〔著〕
角川書店 (2002.3)
通常2-3日以内に発送します。

うーあー、まだまだこれからってところで終わってるんで続き読みたいなあ。

ともかく、個性的な6人のキャラが、まだまだこれから活躍できそうなのに、十分暴れきっていない感じがするのが残念。それはともかく、特殊なフィールドのせいで火器が使えない、とか、人を殺すとカルマという獣が生まれる、とかいう設定の妙に唸らされ、「なぜ捕虜マナラ兵が誰もカルマを連れていないのか(人殺しをしていないはずはないのに)」といった大きな謎の解答にもゾクっときました。面白かったです。

2006-02-18

[]リビングソードに惚れそう

いやー、自分はマジレンジャーに関して、放送開始当時はぶっちゃけ悪口ばっかしか言っていなかったわけなんですが(ただし甲斐麻美ちゃん以外について)、結局今更ながらはまりつつありまして、本編のDVDもしっかりゲットしちゃってるし、この劇場版に関してもtutayaに並んだ途端レンタルしてきちゃってるわけでして。

ときに、マジレンを「ちょっとこれは真剣に観た方がいいかも」と思ったのは、マジシャイン登場後、敵が「冥獣人」になったり、「十邪神」が登場したりしてきてから。あのあたりの設定に、しっかりとファンタジーについての知識、数々の神話伝説へのオマージュふんだんに盛り込まれているのを感じてから。でもって、劇場版に出てくる冥獣人も、「バーサーカー」。マジレン世界フォーマットの中でどうアレンジしているか、楽しみにしてたんですが、期待にしっかり応えてくれてましたよ。

てなとこで、劇場版本編の感想。やー、劇場版らしい贅沢な出来でした。満腹。

バーサーカーが引き連れている超冥獣リビングソードのデザイン、剣の集合体という素材を綺麗に整えて禍々しくかつシャープに仕上がっていてかっこよく、マジで惚れそうになったのです。その他、映像全般、本編に増してアクションも特撮もパワーアップ。文句なしです。

それに、映画としては随分短い部類に入る尺なのに、よくぞここまでテンポ良く、エキサイティングに燃える話に仕上げたなあ、と舌を巻く。まあ、ツッコミドコロはいろいろある(なんで、人間が行ってはいけない禁断の聖域に入ってるのに、全くおとがめがないんや、とか)のは否めませんが、そんなことはどうでもよくなるくらい、勢いがある。どうかすると詰め込みすぎになりかねないほど展開がめまぐるしいのに、流れに乗せて綺麗に裁いている。巧いなあ。

ともかく、今までバカにしてごめんなさいと心から謝罪したくなる出来でした。グッジョブ

バーサーカーの声優檜山さんで、良い味だしてたし。細かいところでも、しっかり美味しい思いをさせていただきました。


話はマジレンから離れますが。

最初バカにしていた番組といえば、ウルトラマンマックスもそう。

今回はバルタン星人登場編でしたが、普通に感動してしまいました。というか、ダークバルタンが人間存在についてマックスに突きつけてくる疑義が、これまでのバルタンにないキャラクターな気がして、ゾクっときました。そして、力で斃すのではなく、「理解」の末の「和解」という形での決着。自分、ウルトラマンコスモスとか観てないし、もしかするとこれまでのバルタンというキャラクターの変遷を何割か見逃している可能性もあるんですが、少なくとも自分としては、この決着は初代ウルトラマンにおけるバルタン初登場時の、その後長い時間に渡って特撮ファンにツッコミを入れられ続けるあのシーン「バルタンの一般市民が乗っている円盤をスペシュウム光線で破壊して虐殺」という、正義の味方としてのパラドックスに対する答えのように思えて。ウルトラマンが、既にして単なる正義の味方から昇華され、大人から子どもたちに未来を託すための重要メッセージの一つとなり得たことを再認識(ティガの最終回とかでも、これは認識できたことだからね)したのでした。

[]デスノ10、からくりサーカス41

む。もう10巻ですか。魅上登場編で、私的には少しテンション持ち直した巻でしたよ。ただ、魅上の「神の召すままに」つーセリフは少し意味違うと思いますよ。それだとあなた、キラの御許に逝ってしまう気ですかって感じですよ。正しくは、「神の思し召しのままに」とか「神の御心のままに」とか、もっと砕ければ「神の仰せのままに」でしょう。このへんに、原作ガモウ氏のボキャブラの限界を観てしまう俺は尻の穴小さいでしょうか。

からくりサーカス 41
藤田 和日郎著
小学館 (2006.2)
通常24時間以内に発送します。

前巻に続いて大泣きの一冊。うあああああの人が死んでしまうなんて。しかし、長く長く続いて、時にダレてきたという批判を受けることもあったこの作品ですが、こうして長くおつきあいしたキャラとお別れするときになると、この長さがちゃんと必要な長さであったなあ、としみじみ思う。我々は、この長いドラマにつきあううちに、必然的に各主要キャラの魂の形を隅から隅まで知ることになるわけで。そこに、感動のシーンが生まれる。あんな短い、シンプルセリフなのに、胸の奥を突き崩されそうなほどの慟哭が噴き出る。

あの人がいないと、次巻から、やっぱり寂しいなあ。

2006-02-13

[]あなたの好きな宇宙人はどれですか

さて、先日書いたように、「宇宙人東京に現る」を鑑賞しまして、パイラ人の出番の少なさに憤慨したわけなんですが。それはともかく、人間女性に変身したパイラ人の服装は、どっかで見覚えがあるなあと思ったら。UFOのデザインからしてアダムスキー型円盤を踏襲しているのは間違いないんですが、どうやら、衣装のデザインも多分にアダムスキーさんがお会いになったと主張する金星人さんのものを意識しているようです→こんなの

アダムスキー氏について詳述するのは避けますが、金星人さんは、なんか地球が核で滅亡するのを防ぐためにメッセージをよこしたことになってるようです。

異様に鮮明なUFO写真が持ち出され、宇宙人との親密なコンタクトがあったと主張する人々って、何故かみなさん人類に重要メッセージを持っていらっしゃる。多分、人類より圧倒的に優れた科学力を有しているなら、さっさと占領しちゃって無理矢理言うこと聞かせた方が早いと思うんですが、そんなブッシュ某アメリカ大統領のようなことはしません

それはそうと、このように異星人からメッセージをもらった!という人で最も有名な人の一人に、

no titleという人がいます。この人によると、釈迦キリストキリストもムハンマドも、みなさん宇宙人の使者だったそうです。この団体、なかなか熱心な布教活動をしてたみたいで、ラエルさん自ら来日したときには、高知にもやってきてどっかの小さな公民館で講演とかしてた記憶があります(行ったわけではないですが)。

宇宙人のメッセージってばとっても身近で、まるで年寄りに布団を売りつける健康商法並にフレンドリー。

…宇宙人さんに直接、仕事を選べと小一時間説教したくなります。


…いや、何が言いたいかというと、ただ単にパイラ人の出番が少なかった腹いせを、ラエルさんに八つ当たりしてるだけなんですが…不意に思い出したもんで。


不毛な内容の日記になったので、お口直しに癒し系画像リンク貼っておきます。


・【怪奇】見ると勝手に首が曲がってしまうwan画像


これを見て首が曲がらない人とは友達になれない。

2006-02-12

[]「ストップ・プレス」マイクル・イネス 富塚由美訳

初めてのマイクル・イネスなわけですが。「ハムレット復讐せよ」も、傑作ながらもサクサクは読めなさそうなので積んであるのが現状なんですが。この作品は、「このミス」でも上位だし読みやすそうなので手に取りました。

兎にも角にも、小説中の人物「スパイダー」が暗躍し、作者しか知らないはずの悪戯(犯罪…というほどのものではないよねえ)を繰り広げる、という設定が魅力的。しかしながら、人は死なないし(死ぬかも知れないことは、ちらちらとほのめかされるものの)パーティ参加者はみんな好き勝手に騒いでいるので、緊張感はまるでなし(笑)。アプルビイ警部の登板後も、あまり捜査らしい捜査はされないので、がっつりと手応えのある本格推理を期待すると物足りないです。が、いささか強引ではあるものの、何故犯人作家の構想の中にしかないはずの「スパイダー」の行動をなぞらえることができるのか、という謎は、きっちり解決されるので、まずまず満足。ただ、この作品の持ち味であろう英国風ファルス風味には、あまり乗り切れなかった俺は、やはり英国人にはなれないのだな、と少し悲しくなりました。

[]「六とん2」蘇部 健一

六とん2
六とん2
posted with 簡単リンクくん at 2006. 2.13
蘇部 健一
講談社 (2005.10)
通常24時間以内に発送します。

「六とん」が発表された当時、割とあちこちで非難囂々ではあったけれど、俺は「こういうミステリがあってもいいじゃん」「おバカで楽しいじゃん」って感じで、擁護派だったわけです。だけれどもそれは、そのバカトリック破壊力、満タンに水を溜めた風呂桶から思い切り栓を抜くかのような凄絶な脱力感を評価したからなんですが…「2」でそれを期待すると、ちょっと肩すかしでしたねえ。インパクトの面では、相当前作より落ちます。っていうか、厳密には「六とん」続編なのはこの本の中で3分の1以下の分量だし。まあ、まったりゆるゆる、気負わず気だるく、退廃的な読後感でしたが、これはこれで良い味と言えるかもと。自分的には、ノンシリーズの時間SFっぽいネタ2本、「叶わぬ想い」と「きみがくれたメロディ」が結構あたりでした、前者は結末で「ぶっ」と吹き出し(少しキモイね…このラストは)、後者は素直に涙しました。

[]「霧舎巧傑作短編集」

霧舎巧傑作短編集
霧舎 巧著
講談社 (2004.4)
通常2-3日以内に発送します。

えー、実は霧舎作品初めてです。他の作品を読んだことがないのに、「傑作短編集」と聞くとそれを読んでその作家を手っ取り早く把握しようとする行為は、気にアーティストはいるけれど真面目に追っかける気力がないので、ベスト盤を買って済ませてしまおうとする心理に似通っている気がして、非常に自分のケチさ加減を露呈している気がするわけですが、それはともかく。

好みとしては、「紫陽花物語」の安楽椅子探偵風味と、「動物園の密室」のえげつない凶器トリックが印象深かったです。しかし、一番感動したのは、全く別々の時期に書かれたこれら短編を、きれいにつなぎ合わせて一つの物語にしてしまった「クリスマスの約束」の美しい完成度でしょうか。いやあ、堪能しました。

[]「乙女軍曹ピュセル・アン・フラジャーイル」牧野 修

このお話がジャンヌ・ダルク物語SFに仕立て直したものであるのは、設定を見れば一目瞭然で、アクションの痛快さと合わせて面白いSF英雄譚として楽しめるのですが、自分的には「記述式無限選択航法」をはじめとする「物語域」の設定にしびれました。この設定ってば、牧野氏のオリジナルですよね??量子論チックで、すそこに「物語乙女」ピュセル存在を絡めることによって、すこぶる魅力的な世界観を醸し出していたと思います。

[]「月曜日ラビは旅立った」ハリイ・ケメルマン 青木 久恵訳

月曜日ラビは旅立った
ハリイ・ケメルマン著 / 青木 久恵訳
早川書房 (1981.4)
この本は現在お取り扱いできません。

相変わらず、ミステリ部分よりアメリカのユダヤ人社会事情をめぐるドラマの方が面白い、「ラビシリーズですが。今回はその傾向が特に顕著。話の大半はラビのイスラエル行きをめぐるドラマと彼の不在中に彼の後釜のラビをどうするかという反対派の暗躍?が主眼。殺人事件が起こるのは中盤以降で、解決も意外と淡白。まあ、それでも面白いんですけどね…「九マイルは遠すぎる」的なベクトルでのケメルマン節を期待する俺は少し物足りない…。続き読みたいですけど、なかなかブックオフでも見つからないですね。くそう。

[]「間違いの悲劇」エラリー・クイーン 飯城 勇三訳

間違いの悲劇
間違いの悲劇
posted with 簡単リンクくん at 2006. 2.13
エラリー・クイーン著 / 飯城 勇三訳
東京創元社 (2006.1)
通常24時間以内に発送します。

クイーン最後の長編プロットと、未収録短編のセットっていうことでかなり期待しましたが、未収録短編は、ちとどれもいまいちでした。小粒なダイイング・メッセージものを立て続けに読むと、なんか子ども向けのなぞなぞの本を読んでいる気になってくるのと、ぶっちゃけこんなに死ぬ人死ぬ人メッセージとか残す人ばっかりな訳なかろうとか(笑)大人げないツッコミをいれたくなります。「間違いの悲劇」プロットは…これだけでは今ひとつ理解しきれない部分もあって(有栖川さんが執筆断念したのも分かる気が…)、なんとも言えないのですが、散りばめてあるキーワードはやはりクイーン作品に相応しくロジカルでペダンティック。見る限り、結末の意味不明瞭な部分もなんだか後期クイーン問題とつながっていそうで、本当にきちっと小説にまとまっているのを読んでみたかったと心底思います。北村薫さんとか、「ニッポン硬貨〜」に続いて執筆してくれないかしらん。

[]「黒いリボン」仁木 悦子

黒いリボン
黒いリボン
posted with 簡単リンクくん at 2006. 2.13
仁木 悦子〔著〕
角川書店 (1997.2)
この本は現在お取り扱いできません。

久しぶりに仁木作品を手に取ってみたのですが、実は長編初体験。ところが解説読むと、これって仁木兄妹シリーズ長編で最後のものなのね。うあー勿体ないことした。

決して長いとは言えないお話なのに、登場人物がとにかく多くて、誘拐は起こるは人は2人も死ぬは、なかなかに豪華な展開です。しかしそれだけにバタバタで、解決もなんだか唐突な感じがします(よく読めば、伏線はきっちり引いてあるんですけど)。しかし、これは仁木先生本人も某所で「(この作品は)アンフェアな感じね」と反省する素振りも見せておられるようで、慎み深い人柄が偲ばれます。

[]「心象世界幸せな景色」早見 裕司

心象世界の幸せな景色
早見 裕司〔著〕
富士見書房 (2003.9)
通常2-3日以内に発送します。

しばらく中断していた「Mr.サイレントシリーズ制覇への道、再開です。

相変わらず、ロマンチックな真相が多い、ラブコメ風味のお話多し。それだけに、図式に当てはめると犯人とか真相とかすぐ見当がつく側面もあるんですが、このシリーズの持ち味はそういうところではないので、落ち度にはなりません。優しい、かわいい登場人物ばかりなので、似た真相が多くても嫌みにならないし。どれも、感じの良い短編です。

[]「愛情世界の聖なる希望」早見 裕司

愛情世界の聖なる希望
早見 裕司〔著〕
富士見書房 (2004.7)
通常2-3日以内に発送します。

いよいよシリーズ完結編。これまで、人が死なず、ほんわかしたお話が多かったのに、急に緊迫したドラマになる「最後の事件」より、謎らしい謎はほとんどないように見えて、実はラストで急浮上する真相と、谷山浩子の同名の曲との和え具合がなんともいえない切なさと愛しさを醸し出す「空からマリカが」が俺的には傑作でした。

ともかく、友達以上恋人未満な晋一郎と真理香が、ちゃんと結ばれるのはやっぱり嬉しい。これで終わるのはやっぱり寂しい、余韻の残るラストでした。

2006-02-11

[]ブラックジャックによろしく13、最遊記RELOAD

精神科編完結。なんだかんだ言いつつ、ご都合主義的展開と綺麗事で終わらされてしまった気がするのと、あんまり斎藤先生はたいしたことしてないような気がしてつまんない。まあ、こういう展開以外に、持って行きようはなかったろうからね…

ところで、某サイトからの文章転用疑惑については、ちゃんとお断りが添えられてきれいに解決したのね。良かった良かった。

最遊記RELOAD 6
峰倉 かずや著
一迅社 (2006.1)
通常24時間以内に発送します。

なんか、微妙物語の根幹に関わるような設定が真面目に説明されたりしてて嬉しい。つーてもまあ、ある程度まではアニメ版とか見てるととっくに分かっている部分ではあるんですけど。とりあえず、自分が一番楽しんだのはザクロくん寝返り?のエピソードでした(笑)物語内でも外でも、敵からも味方からも、本気でギャグキャラ化されている彼の存在が悲しくも愛しい感じ?(笑)再々登場希望

2006-02-06

[]パイラ人と友達になりたい

宇宙人東京に現わる [DVD]

宇宙人東京に現わる [DVD]

いやあ、年末に買い込んだDVDの一本、楽しみにしてた一本なんですが。

うーんうーん。

科学考証のデタラメさやストーリー展開上のツッコミどころは、こういう映画をみるときには、あまり問題にはならない(ネタにはなるけど(笑))んですけどね。

悲しかったのは、期待したのよりずっとずっと、ヒトデ型のパイラ人の登場が少なかったところ。

せっかく世界の岡本太郎にデザインとかさせたのに、こんなちょこっとだけの登場でいいのか!勿体ないぞ絶対!

とまあ、叫んでみたところで、半世紀近く前の映画のこと、関係者はほとんど物故されてるし、誰にも届くことなく虚しく響くだけなのでした。最近リメイクブームだけど、流石にコレはリメイクしてくれんだろうな…ハリウッドバリバリのCGでパイラ人を、巨大セットをふんだんに使った特撮で天変地異の描写を見てみたい気もする。

2006-02-05

[]ナルニア劇場版の予習

つーことで、既にDVD化されていた、英国で放送されたドラマ版です。

うーん、いつ制作されたかよくわかんないんですが、なかなかに映像はチープ。とりあえず、動物キャラが全員不細工な着ぐるみだったり、幻獣や悪霊の軍勢が線の少ないアニメで描かれているのが、少し辛いといえば辛いのですが、アスランの気ぐるみだけはなんだかカワイイ。実は、このアスランの可愛さにつられてDVDに手を出したことは秘密だ。

ともかく、あの雄大なお話をTVドラマという限られた制作環境の中で描いた心意気を買いたい。

また、話は変わるけれど、ロード・オブ・ザ・リングの「中つ国」なんかと比べると、ナルニアは異世界の構築方法が、基本的に違うんだな、と感じる。徹底的に「別世界」をゼロから築き上げた前者に比べると、ナルニアサンタクロースは出てくるはトルコのゼリーは出てくるは(笑)、我々の生きているこの世界風俗、とりわけ子どもたちの日常に目線が合わせられている。そのあたりの切り口を考えれば、このドラマの微妙な作り方も、それほど問題にならない気がする。肩の凝らない楽しい子ども番組だと思えば、微笑ましく可愛く、そして十分な出来である(この作品が子供だましだ、と言っているわけではないですよ!)

2006-02-01

[]トリブラ感想を随分ためてた。

画像が全然ないんで、はまぞうを使う気にもならんわ。なんで、この作品に限ってあつかいがこんなにぞんざいなのさ?>はまぞう

というわけで、トリニティ・ブラッドDVD、4〜6の感想、書き忘れていたので一気に。

4と5は超兵器サイレントノイズ」篇とも言うべき流れなわけですが、ローマの危機を前に、これまで折に触れ紹介されてきたアクの強いキャラたちが「仮面ライダー大集合」的ノリで総力結集で存分に活躍してくれます。おいしいおいしい。6巻は、なんか吸血鬼との共闘なんかも描かれ、アベルくんの「不殺」主義が現実味を帯びてきた感じ。いいぞう。

そういえば、巌窟王ラストまで見終えたのに感想忘れてました。こっちははまぞう画像ちゃんとあるよー。

巌窟王 第11巻 [DVD]

巌窟王 第11巻 [DVD]

巌窟王 第12巻 [DVD]

巌窟王 第12巻 [DVD]

ともかく、綺麗事でない復讐運命怨念憎悪を、一途な愛(笑)できっちり溶かしてしまうアルベール君はすごいと思いました。いや、こうやって文章で書いてしまうとチープに見えるんですが、その過程がきっちり手を抜かず描かれているので、がっつり説得力のある重厚なドラマとして完成されています。いやあ、全話を通して、GONZOマジックとでも言うべき、スバラシイ作品でしたよ。

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