80目前!

ここんとこ、暑さにやられて読書意欲も更新意欲も落ちておりましたが、それでもちびちびといろいろ読み進める間に、気が付くと80冊目前。79冊の読了でございます。ちなみに、80冊目はクリストファー・プリーストの「逆転世界」になる予定。


★「塩の街」有川 浩著



文庫で先に読んでしまっているので、最初は買わない気でいたんですが…細かい加筆や修正とか、記憶力が鬼のように悪い俺が読んでも、多分比較できない(泣)だけど、番外編が4つも載っているとなれば、買って読まねばなりますまい。満足しました!特に入江さんが主役の話とか、面白かった〜。それにしても、入江さんのイメージって「コードギアス」のロイドさんとなんとなく重なるのですが。俺だけ?


★「ゴーレム100」アルフレッド・ベスター著 渡辺 佐智江訳



噂に違わぬスクラップのようなグダグダな小説(笑)。でも、いくらスクラップやゴミの山でも、その積み重なりっぷりや、潰れ具合から生まれる模様やなんかに目を凝らせば、それなりに趣深いのと同じで、やっぱりすごく面白いんだなあ。しかし、いったい原文はどんなスゴイ英語だったのか、気になって仕方ない。いや、教えてもらってもわからないけど(笑)これを翻訳した人は本当に偉いと思います。


★「ルピナス探偵団の当惑」津原 泰水著



俺は津原作品に「妖都」から入った人なんですが、もともと少女小説として執筆されたものだけに、雰囲気は随分違います。しかし、死体好き(笑)キリエさんの造形とか、化石愛好家の経営する喫茶店とか、小道具に津原さんらしさの片鱗が見えていて趣深いです。勿論、かちっと本格しているユーモアミステリとして、面白かったです。


★「狂科学ハンターREI 1」中里 融司著
bk1には姿も形も見えなくなっている…(泣)まあ、10年以上前のホンダからしょうがないですね。超科学や秘宝をネタにしたお話としては、「スプリガン」とか「ボウケンジャー」とか「八頭大シリーズ」と比較してしまうのですが、そうすると少し弱く感じてしまいますね…
ちなみに、イラストは今をときめく小畑健先生!ですが、流石に10年前だと絵柄が随分違います(^^:


★「収穫祭」西澤 保彦



うー、黒西澤全開、といった風情の救いのないお話。読み応えはありましたが、長さの割にはオチが少し…賛否両論あるでしょうが、俺はとりあえず好みではありません。いや、こういう動機はアリだとは思うけど、登場人物とか背景とか小道具とちぐはぐな感じが…。
あと、人間の動物的な本能というかセックスについてリアルに赤裸々に描いていらっしゃり、西澤作品には時折そういうものも多くあって、それ自体は嫌いではないのですが、今回のように行間から粘膜と粘膜が擦れ合う音が聞こえてきそうなのは、ちょっと…
面白くないわけでは無論なかったのですが、久方ぶりの西澤先生の長編としては、「もうちょっとこう…」という印象が最後まで拭えませんでした。残念。


★「スプライトシュピーゲル2 Seven Angels Coming」冲方丁



「オイレン〜」と同じ事件をスプライトサイドから追いかけているわけですが、こちらは鳳たちのキャラに相応しく?高い次元での駆け引きが描かれていて興味深いです。でも、まあ…個人的にはオイレンの方が好きだったかも。やっぱり俺って暗黒度とか地べたはいずり度が高い物語を好む傾向にあるのですねえ(笑)


★「蘇る封印映像 特撮&アニメ徹底ガイド」天野 ミチヒロ著



ウルトラセブン」12話や「怪奇大作戦」の「狂鬼人間」など、有名な封印作品の他に、かなり多くの封印・タブー作品エピソードが詰め込まれたお得な一冊。さらっと何も気付かず鑑賞してしまっていた作品の中に、実は隠された自主規制があったり、意外な感じもしまして。それらを、本当にDVDとか買いまくってもう一回検証したい衝動に駆られて困ります。それにしても、フィルムが消失している作品の話とか聞くと、本当に悲しくなってきます。作品の善し悪しはおいても、作った人の思いがたくさん詰まっているであろう作品、血と汗の結晶がなくなってしまうというのは、なんだか切ない。形あるものはいつかなくなってしまうのはわかっているけれど。