1〜4月に読んだ本

 とてもじゃないけど「最近読んだ本」なんて書けやしない(^^;

満願

満願

 このミス1位どころか3冠獲得は伊達じゃない、米澤さんの多才さ、底力に感服するしかない短編集。古典部シリーズや小市民シリーズとはまた違う、大人の本格ミステリといった趣。堪能しました。一番印象に残ったのは、蠱惑的で光景がくっきり浮かんできそうな耽美的な雰囲気としては、邪恋とも言うべき美しき姉妹の甘い罠「柘榴」、伏線の緻密さと人間の負の部分の描写が相まってなんとも言えぬ読後感を残す、「夜警」「満願」でしょうか。
世界堂書店 (文春文庫)

世界堂書店 (文春文庫)

 購入したまましばらく積んでいたのだけれど、「満願」で米澤さんの多芸多才さに触れ、その原点が垣間見えるかなと思い手に取りました。実に多彩で濃ゆいアンソロジーでしたが、濃すぎて読み終えるのに異様に時間がかかった(笑)。割とシュールで、「奇想」という言葉がぴったりな短編ばかりでした。
語ろう! 555・剣・響鬼 【永遠の平成仮面ライダーシリーズ】

語ろう! 555・剣・響鬼 【永遠の平成仮面ライダーシリーズ】

 これまた読むのに異様に時間を要した、濃ゆーい一冊(^^;「剣」は実は最初の方しか見てないけど、555と響鬼は大好きなので、堪能しました。しかし、虚淵玄さんのインタビューが、明らかにほとんど鎧武のことしか喋ってないのは面白かったけど、まあ番組終了のタイミング的に仕方ないかなと。話は趣深かったし。 菊地先生、クトゥルー戦記の次はウェスタンとは、どこまでも神話の可能性を押し広げてくださる。自分は西部劇に詳しくはないですが、その俺でも耳にしたことがある有名人がこれでもかこれでもかとゲスト出演してくださる、大変贅沢な1編でした。ですが、もの足らないので是非続篇か、「シノビ」さんを主役にスピンオフをお願いしたい…と思ったら、もう企画中か(^^;流石菊地先生。惜しむらくは、乾いた西部が舞台なせいか、魔道色がやや希薄な感じだったのが残念。

 さて、4ヶ月で4冊とは、なかなか近年希に見る不調です(^^;これからmりかえしていきたいですが、現在読んでいるのはチャーリー・ヒューマン「鋼鉄の黙示録」冒頭からなんだかキナ臭い、南アフリカのSFアクション?楽しみです。