青函トンネル 海底駅廃止

津軽海峡線青函トンネル内にある、吉岡海底駅竜飛海底駅が廃止の方向性だそうです。

もともと、トンネル内における非常時対応のための「定点」として設置されていたものを、トンネル施設見学のために駅として設置されたものでした。

吉岡海底駅が北海道側の定点、竜飛海底駅青森県側の定点です。
このうち、吉岡海底駅が、北海道新幹線建設工事のための基地として2006年8月をもって休止となり、現時点で営業しているのが竜飛海底駅のみ。
今年(2013年)11月10日をもって、竜飛海底駅も休止とし、来春をもってJR北海道として廃止の意向とのこと。
廃止と言っても、駅としては廃止されても、非常時用設備を有した定点としては今後も維持されるはずですが。


私は、竜飛海底駅は未訪なれど、吉岡海底駅は2005年3月6日に降り立ちました。
その時の様子を下記します。


函館駅よりスーパー白鳥14号に乗車。

江差線内はカーブだらけでスピードがあまり上がらないまま走行し、木古内を発車後、複線かつ曲線の緩い海峡線に入ると見違えたようにスピードが上がりました。
しばらくすると青函トンネルに突入。
そして吉岡海底駅に到着し下車。
9時49分、S白鳥14号は、当時の目的地である八戸に向けて出発していきました。

駅名標です。

上り方面の時刻表。定期列車の停車はわずか3本。

このような時刻表もありました。
そういえば、ドラえもん海底列車ってのがありましたね。

作業抗です。

ホームから本線を見ます。向こうが青森方面。
何だか、北陸本線の筒石と似たような雰囲気ですね。複線断面のトンネルだからでしょうか。

上りの貨物列車が通過しました。
暗い場所での撮影で、シャッタースピードが遅くなって貨物列車最後尾の尾灯がスジのように写ってしまいました。

このあと、下りでは寝台特急日本海1号函館行きも通過シーンを見る事ができました。
貨物も日本海1号も、通過時における列車が起こす風が凄かった。
せいぜい時速100キロ程度の列車でこれほどの風でしたから、新幹線が時速260キロで通過したらどうなるのでしょう。コンテナ貨物列車への風による悪影響を考慮して新幹線を減速運転しようと計画している理由も理解できないでもありません。


避難所です。
非常時における旅客の集合場所がココだそうです。

掘削用の機材が展示されていました。

切羽における掘削の様子。

常に海水が滴っている環境ですから、排水溝も設置されていました。
溝はかなりの水量があり、ものは試しにと指を濡らして舐めてみたところ、やっぱりしょっぱい海水でした。

当時、集客のために設置されていた「ドラえもん海底ワールド」

なぜかC11−171号機のレプリカまで据え置かれていました。
こんなものまでよく持ち込んだものですね。

これらを見学し、11時01分発の白鳥71号函館行き(485系)に乗車し、ふたたび地上へと戻りました。
初めて海底駅に降りた感想として、海底下140Mによくぞトンネルを掘ったものだと、先人の偉大さに感服する次第でした。


当ブログをご覧いただいている方で、海底駅を未訪の方がいらっしゃいましたら、11月10日の休止までにぜひ訪問されては如何でしょうか。
また、青函トンネルについて書かれた書籍も色々出版されています。
最近出版された書籍では、交通新聞社の「青函トンネル物語」があります。
青函トンネル建設のきっかけから、工事がいかに難工事であったか、トンネル建設にまつわる様々な事象が記されている良書です。
ぜひ一読されては如何でしょうか。