ローカルアイドルブームの終わりを告げるもの?(FS27)

 またまた大げさなタイトルですが、実際のところ「Happyミュージック」のジモドルのコーナーで、これからドロシーとLinQの二組も取り上げられるようなので、ほぼ目ぼしいところの紹介は済んでしまうところ。そうなれば次のフェーズに進むのは当然です。おそらく数組は、より上のメジャーなステップに進むことが期待されますが…。

 その前で既に起こっている状況の変化を二つ取り上げたいと思います。TIFで、ここが「注目」だというのも込みで。まあ皆さん大好きな「去年のドロシーみたいなブレイクをするグループ探し」をやってみましょう。


 まずはチームしゃちほこももクロが所属するスターダストのティーン部門3BJrの名古屋在住メンバー6人によるグループです。既に「BUBKA」のTIF特集でも岡島紳士氏がピックアップしてる後追いになるのが悔しいですが、ここは人気出そう。
 筆者は生では見たことないんですが…既にライブの模様は流出してます。

 最初見たときは「またスタダが、ももクロ以降の路線をやってきたな」と若干、食傷気味(失礼)だったんですが、地元限定で販売しているらしいCDの音源も流出してまして(これは自己責任で探してみてください)、これを聴くと良く出来た曲で、ライブの見方もまた変わって、楽しく感じられるようになってきました。
 それよりも実は「存在の意味」の方が面白く感じられるところなんですよね。
 これって「名古屋のご当地アイドルが6人組時代のももクロをパクっている」ような感じがありませんか?それをスタダ自体がやってしまっているという、複雑な構造。
 例えばAKBに対するSKEというのは名古屋支店と妹グループ的な部分を持ってしまうわけですが、ももクロの妹は既に私立恵比寿中学が担当してますし、この「恋人はスナイパー」という曲自体、ももクロに対抗するような「怪盗なんかに負けちゃいられない」という対抗意識を、まあ「プロレス的」にでしょうが、主張してて面白いです。まず、しゃちほこのメンバーは、ももクロに入ったりはしないでしょうし、エビ中でも、ももクロのライブに参加しないので、こちらも直接絡む機会は、あまりないでしょう。
 チームしゃちほこは現時点、「ローカルアイドル」です。デビューは名古屋の路上ライブだったよう(このへん、ももクロを踏襲してます)。今はショッピングモールでのイベントが中心になってみたいです。このまま行くとAKBに対して、ももクロがやったようなことが、SKEに対してできるのではと。つまりSKEが人気が高くなって、公演が観られなくなっているところで、こぼれてくるアイドルファンを獲得するというのが今の段階。これから更にTIFを契機に他の地域のアイドルファンの注目を集めて、あわよくばアイドルファン以外の層(ここには今のももクロの類似の層も入るでしょう)を狙う…。
 実際のところ、これまでもスタダは名古屋で地域密着型イベントをやってきた経緯があるんですが、やっぱりメジャーな芸能事務所が力を入れれば、地元資本の通常の意味でのローカルアイドル以上のことが出来てしまうのは事実なんですね。
 ただメリットが無ければやらないだけで。名古屋はSKEとの人材獲得競争がありますし、東京から距離が比較的近い(だからこそ今までも地元在住のタレントを所属させていた)のもあって、力を入れる必然性が高いところでしょう。
 例えば福岡とかも…とも考えましたが、まあ以前、LinQについての記事でも触れましたけど、今までも業務提携でやってきているようなので、そこはそのままでしょうか(本当に、手をつけたら「大変なこと」になると思います)。

 それならハロプロの関西部門も、同じように動いてきたりするかな…。ということで、大阪在住でハロプロ関西も主催者に名を連ねるイベントに先ごろ参加もしている、もう一組というか一人を紹介しましょう。


 「いずこねこ」という名前で昨年の秋から活動するアイドルですが、メンバーは茉里さんという女子高生一人です。
 なんだか「コーネリアスみたい」とか思ってしまいますが、実際、音楽性は現代的なオルタナティブポップと言っても良いもの。それがアイドルソングヲタ芸を伴うような要素と不可思議にハイブリッドされているのが、大きな特徴と言ってよいでしょう。


 プロデュースは作詞作曲、全体のアートワークから物販スタッフまでsakuraikenta(サクライケンタ)さんが務めています。この作家さんは、これまでもMary AngelやSKETCHなど言わば関西の地下シーンのライブアイドルにも楽曲を提供してきた人物。
 もう既に一部では高く注目されてますし、今後の展開も興味深いところもあって、細かい作品、ライブパフォーマンスなどについては別の機会に譲るとことにして(とりあえず最後にライブ動画を貼っておきます)、今回の文章の文脈から考えてみたいのは、実力があればソロでも出来るし、ソロだから出来ることもある、というのを、いずこねこの活動が示しているように思えるということです。それは全国どこであっても。
 実際のところ、いずこねこさんはローカルアイドルというには東京での活動も多いです。というのも一人なのでサクライさん合わせても移動費はグループのローカルアイドルよりは低く抑えられます。更に物販に力を入れていて、CD−Rだけでなく、非常に凝ったデザインのTシャツを中心に売って、最近では遠征費はペイするようになってきていると言います。
 翻ってみると、結構、ローカルのグループアイドルでも一人のメンバーがアイドルとして断トツだったり、東京でも数名がレベルが高いけど、何かフラットに大人数いるなあ、というところもチラホラとありまして…それを考えると確かに大きく儲けるにはグループアイドルの形態は適しているのかもしれませんが…と考えさせられてしまうところだったりします。
 かなり対照的な二組を紹介しましたけど、私としては、どちらの動きも注目していきたいと思います。


 ということで、いずこねこさんのライブの模様。


 ね、凄いでしょ。TIFだけじゃなくて、15日、16日は東京でも観られますよ。スケジュールはブログをチェック!